プロレス技とは?その歴史や種類、見栄えと危険性のバランスについて
はじめに
プロレスはエンターテイメントとして観客を魅了する格闘技ですが、その中で使われる技はどのように分類され、どのような特徴があるのでしょうか?
今回はプロレス技について、その歴史や種類、見栄えと危険性のバランスなどを解説します。
プロレス技の歴史:カーニバルレスリングから多種多様な格闘技へ
プロレス技の起源は、サーカスや祭りなどで行われていたカーニバルレスリングにあります。カーニバルでは素人からの挑戦を受けたり、プロ同士での試合でも予め決められた試合進行を裏切って仕掛けてくる相手に対応するため、初期のプロレスラー、特にチャンピオンにはシュート技術が求められました。
シュート技術とは、実際に相手を痛めつけたり、制圧したりすることができる本物の格闘技の技術のことです。イギリス発祥のキャッチ・アズ・キャッチ・キャンは相手を屈服させるためのサブミッションの技術が特徴であり、プロレスラーはシュート技術としてキャッチの技術を習得していました。
しかし、プロレスは格闘技ではなく、観客に見せるエンターテイメントであり、相手に怪我をさせてはいけないため、技は見栄えが重視されるようになりました。プロレス技の説得力とは、実際に相手に損傷を与えたり、体力を奪うから生まれるのではなく、リング上の試合を見る観客がどれだけ感情移入して試合を見るかに掛かっています。
そのため、プロレスでは多種多様な格闘技からも投げ技(スープレックス)、打撃、関節技などが取り入れられて現在に至っています。またそれらの技を源泉としたり、着想を得たプロレスのオリジナル技も数多く存在します。
プロレス技の種類:8つの基本カテゴリーとその特徴
プロレス技は主に以下の8つの基本カテゴリーに分類できます。
- 打撃技:自分の体の一部を使って相手に打撃を加える。
- 投げ技:相手を抱え上げてから自分の体やマットに叩きつけてダメージを与える。
- 関節技:相手の関節や筋肉を極めて痛みや圧迫感を与える。
- 絞め技:相手の首や頭部を絞めて血流や呼吸を妨げる。
- 飛び技:自分の体全体や一部を飛ばして相手にぶつける。
- 浴びせ技:相手が倒れているときや立ち上がろうとするときに攻撃する。
- フォール技:相手の両肩をマットに押しつけて3カウントを奪う。
- 特殊な技:毒霧や火炎噴射など触れずに攻撃する技や、超能力や空気投げなど現実離れした技。
また、プロレス技を広く「プロレス独特の技術」とするならば、ロープワークと受け身もその中に含まれます。
- ロープワーク:リングの四方に張られたロープに向かって走り、背中からロープに当たり、そのバウンドを利用して走ること。
- 受け身:相手の攻撃を受けたときや自分で飛んだときに、体の一部を使って衝撃を分散させること。
プロレス技の見栄えと危険性のバランス:相手や自分への配慮が必要
プロレス技は見栄えが重要ですが、それだけではなく、相手に怪我をさせないようにすることも重要です。プロレス技は素人など技術が未熟な者が安易に仕掛けた場合、相手を死傷させかねない危険性がどの技にも存在しています。
最も基本的な投げ技であるボディスラムですら、かつてスタン・ハンセン選手がブルーノ・サンマルチノ選手を長期離脱にしてしまった例のように、落とす角度によっては相手に致命傷を与えかねない危険性が存在します。
ハンマー・ブローや逆水平チョップ、エルボー・バットのような比較的単純な打撃技も、当て方によっては相手に思わぬ大ダメージを与えてしまうこともあります。また、グレート・アントニオ選手がアントニオ猪木選手を激怒させてしまったような結果として相手が逆上して不穏試合を誘発する等といった別の危険な結果を招く場合もあります。
このため、成長途上のプロレスラーは投げ技の仕方や打撃技の当て方を日頃から様々に修練することが必要です。また、複雑で難易度の高いプロレス技を見栄えだけで持ち技として安直に選択することは避けるといった心掛けも必要です。
日本では入門後、一定期間に選手としてデビューするまで、練習生という待遇で過ごす時間があります。また新日本プロレスのヤングライオン選手のように、デビュー後、主に海外遠征へ旅立つまでの期間も「修行」を課すケースもあります。これらはプロレス技の基礎や応用を身につけるための重要な過程です。
プロレス技は見栄えだけではなく、相手への配慮や自分への負担も考える必要があります。そのバランスが取れたプロレス技は観客からも高い評価を得ることができます。プロレス技は単なる攻撃ではなく、ストーリーや感情を伝える表現方法でもあります。プロレスファンはそれらを楽しみながら試合を観戦します。
プロレス技の代表的な例:名選手や団体の象徴となった技
最後に、プロレス技の代表的な例をいくつか紹介します。これらの技はプロレス史に名を残した名選手や団体の象徴となった技です。また、それぞれの技にはオリジナルの名称やバリエーションが存在します。
- ラリアット:相手に走り込んで自分の腕を振り回して相手の首や胸に当てる打撃技。スタン・ハンセン選手や小橋建太選手が得意とした技で、強烈な衝撃で相手を吹き飛ばす。
- パイルドライバー:相手の頭を自分の股間に挟んで持ち上げてから逆さまに落として頭部からマットに叩きつける投げ技。ジェリー・ローラー選手やザ・アンダーテイカー選手が得意とした技で、非常に危険な技として知られる。
- シャープシューター:相手の両足を交差させて自分の両腕で掴んで反転してから相手の背中に体重をかけて引っ張る関節技。ブレット・ハート選手や獣神サンダー・ライガー選手が得意とした技で、相手の腰や膝に激しい痛みを与える。
- スリーパーホールド:相手の首に自分の腕を巻き付けて血流や呼吸を妨げる絞め技。ルー・テーズ選手やボブ・バックランド選手が得意とした技で、相手を失神させることができる。
- ムーンサルトプレス:コーナーポストに登って後方宙返りしながら空中で体を反転させて相手に飛びつく飛び技。グレート・ムタ選手やミスティコ選手が得意とした技で、美しい姿勢と高い難易度で観客を魅了する。
- エルボードロップ:相手が倒れているときや立ち上がろうとするときに自分の肘を突き出して相手に落下する浴びせ技。ランディ・サベージ選手や棚橋弘至選手が得意とした技で、高い位置から落下することで威力を増す。
- ドラゴンスクリュー:相手の足首を掴んで自分も倒れ込みながら回転させて相手の足をねじるフォール技。武藤敬司選手や棚橋弘至選手が得意とした技で、相手の足首や膝にダメージを与えるだけでなく、そのままピンフォールも狙える。
- マンドライブ:相手の頭を自分の脇に挟んで持ち上げてから自分の肩に乗せてから前方に倒れ込んで相手の顔面をマットに叩きつける特殊な技。ジョン・シナ選手や石井智宏選手が得意とした技で、相手の顔面に直接ダメージを与える。
以上がプロレス技の代表的な例です。プロレス技はそれぞれに個性や魅力がありますが、プロレスラーはそれらを使い分けて試合を展開します。プロレス技は試合の流れや展開に応じて使われることで、より効果的になります。プロレスファンはそれらの技の使い方やタイミングにも注目して試合を観戦します。
まとめ:プロレス技は見た目だけでなく奥深い技術や戦略がある格闘技
これでプロレス用語辞典は終わりです。プロレス技について詳しく知ることで、プロレスの楽しみ方が広がると思います。プロレスは見た目だけでなく、奥深い技術や戦略がある格闘技です。ぜひ、プロレス技を観察しながら、プロレスの世界に没入してみてください。
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