プロレス的発想の転換のすすめ(110)喪失感とプロレスの力
立て続けの悲報
今回は「喪失感とプロレス」についてお話しします。
2025年は、プロレス界にとどまらず、あまりにも多くの訃報が立て続けに飛び込んできた年でした。
心に開いた大きな穴
私事ですが、個人的にも父と母を立て続けに亡くし、心にぽっかりと穴が開いたような気分で過ごしています。
そもそも「喪失感」とは、自分が大切にしてきたものや愛する人が失われてしまった際に生じる、やり場のない感情のことです。
巨星たちが遺した物
2022年、プロレス界のアントニオ猪木さん、そしてアニメ界の水木一郎さんの訃報は、世代的にど真ん中である私にとって、極めて大きな喪失体験でした。
お二人は単なる著名人という枠を超え、自分の中に「これだ!」という信念や価値観の根幹を築いてくださった方々だからです。
失って知る存在感
実際に失ってみて、その存在の大きさを改めて思い知らされました。
2022年は、猪木さんや水木さんに限らず、多くの著名人が鬼籍に入られた年でした。それゆえに、多くの方々が深い喪失感を味わった一年だったのではないでしょうか。
自分を失う感覚
失ったものが大切であればあるほど、心の空虚な穴は広がります。
喪失感とは、対象を大切に想う心があるからこそ生まれる感情です。初めから何もない「虚無感」とは異なり、自分の一部をもぎ取られたような感覚に襲われるのが特徴です。
回復への長い道のり
喪失感に苛まれているときは、どうしても気持ちが沈み、何に対してもやる気が起きなくなります。
この穴が大きければ大きいほど、寂しさや悲しみも深くなり、一度落ち込んでしまうと、なかなか元の状態へと自分を引き戻せなくなってしまいます。
緊張を解く時間
しかし、喪失感から目を背けても根本的な解決にはなりません。
心が喪失感でいっぱいのとき、精神は常に張り詰め、極度の緊張状態にあります。
こうした場合は、まずその緊張をほどくために、意識的にリラックスする時間を持つことが不可欠です。
闘いから得る活力
私の場合はヨガを習っているため、週に2回はリラックスする時間を作っています。
アロマを焚いたり音楽を聴いたりするのも良いでしょう。
そして人によっては、リング上での熱い「闘い」を観戦することが、沈んだ心に再び火を灯すリラックスタイムになるはずです。
自分と向き合う勇気
どうしても一人で解決できない場合は、カウンセリングなどの専門的な力を借りるのも一つの手です。いずれにせよ、喪失感を放置せず、まずは「自分と向き合う」ことが大切です。
プロレス界において「自分と向き合う」ことを象徴する出来事といえば、やはりアントニオ猪木さんの晩年ではないでしょうか。
病魔に侵され、かつての強靭な肉体を失っていく姿をあえて世間に晒し続けたあの姿は、まさに究極の「自分との向き合い」でした。
喪の作業
心理学では、失ったものを受け入れていくプロセスを「喪の作業(グリーフワーク)」と呼びます。
猪木さんは自らの衰えという最大の喪失を、逃げることなくリング外の「闘い」として体現し、ファンに最期のメッセージを送り続けました。
2005年に起きた橋本真也選手の急逝という衝撃的な事件の際も、残された選手やファンは、絶望の中で「プロレスとは何か」を自らに問い直し、その悲しみを力に変えてきました。
痛みから逃げずに
大切な何かを失ったとき、私たちは鏡を見るように自分の内面と対峙せざるを得ません。
その痛みから逃げず、猪木さんが命を懸けて見せた「燃える闘魂」のように、ありのままの自分を認め、一歩を踏み出すこと。
それこそが、空いた穴を新しい希望で埋める唯一の道なのだと私は信じています。
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