プロレス的音楽徒然草 US Final Battle
期待の星の初陣
今回は全日本プロレス時代の秋山準選手が、デビュー当時に使用していた入場テーマ曲「US Final Battle」をご紹介します。
秋山選手は高校からアマレスを始め、専修大学時代にジャイアント馬場さんから直接全日本にスカウトされました。これは、秋山選手自身がジャンボ鶴田さんのファンだったことや、決して裕福ではない中で大学に進学させてくれた両親に、金銭面で恩返しをしたいという強い思いがあったからだそうです。馬場さん本人からのスカウトに深く感動し、全日本プロレスへの入門を決意しました。
鶴田二世の誕生
秋山選手は入門当初から「ジャンボ鶴田二世」として大きな期待を背負っていました。在学中の1992年2月3日には、全日本プロレス入団会見に出席。全日本で新人選手の単独会見が行われるのは、実に鶴田さん以来19年ぶりの快挙でした。
1992年9月17日、後楽園ホールのセミファイナルでついにデビューを果たします。他の若手選手が地方の大会で静かに初戦を迎えるのが通例であった中、これは異例の厚遇であり、期待の高さが伺える戦いの始まりでした。
激動のレスラー人生
王道プロレス時代の全日本において、プロレス四天王と並び「五強」の一角として活躍します。その後、2000年7月の全日本集団離脱に伴い、プロレスリング・ノアへ移籍しました。
2013年にはノアを退団して全日本へUターンし、社長に就任。しかし、2020年1月16日のプロレス大賞授賞式への出席をもって取締役ゼネラルマネージャーを退任します。
当初はWWEパフォーマンスセンターのゲストコーチに招聘されていましたが、コロナ禍の影響で中止に。その後、フリーからゲストコーチを経て、現在はDDTを主戦場として熱い戦いを繰り広げています。
楽曲のルーツ
「US Final Battle」は、かつて日本テレビの看板番組だった『アメリカ横断ウルトラクイズ』の第16回大会、ニューヨーク決勝戦で使用された楽曲です。大西肇さんと田中健一さんがヘリに搭乗したときのBGMです。
こちらは16回大会サウンドトラックCDに新録版として収録されており、オリジナルよりも長くなってます。
作曲は「平成ガメラシリーズ」などの劇伴を手掛けた大谷幸さんが担当されています。
『アメリカ横断ウルトラクイズ』は日本テレビの番組であるため、系列のレコード会社であるバップからサントラ盤が発売されていました。当時、日テレが中継していた全日本プロレスの入場テーマ曲集も、同じくバップからリリースされていました。
マニア泣かせのカバー版
しかし、当時のバップ版「全日本プロレステーマ曲集」は、収録曲のほとんどがカバー版であるという、マニアの間では悪名高い仕様でした。
ジャンボ鶴田選手の「Jのテーマ」やジャイアント馬場さんの「王者の魂」、「NTVスポーツのテーマ」など、バップでしか手に入らない貴重な音源もありましたが、カバー曲の多さにマニアの満足度はお世辞にも高いとは言えませんでした。
天龍源一郎選手の「サンダーストーム」のように他社に版権がある場合や、スタン・ハンセン選手の「サンライズ」のような複数曲の合体曲なら収録が難しいのは理解できます。しかし、同じバップから原盤が出ているはずの「US Final Battle」までもが、なぜか初期のテーマ曲集ではカバー版だったのです。これには当時、強い憤りを感じたものです。
運命的な再会と記憶
最近になって無性にこの曲が聴きたくなりAmazonで検索しましたが、廃盤のため高値がついていました。諦めかけていた矢先、ふと立ち寄ったTSUTAYAのサントラコーナーで、例の『アメリカ横断ウルトラクイズ』のCDを発見したのです。
まさにプロレスの神様の導き。即座にレンタルし、むさぼるように聴き返しました。「US Final Battle」は、青タイツに若々しい黒髪をなびかせていた頃の秋山選手に、最高にマッチした名曲だと改めて確信しました。
鮮明に蘇るテーマ曲
秋山選手のテーマ曲は、2代目の「SHADOW EXPLOSION」、3代目の「STERNNESS」、そして現行の「FINAL EXPLODER」と変遷してきました。DDTでは「SHADOW EXPLOSION」を使用したこともありますし、2021年のノア参戦や2022年以降のDDTでは再び「STERNNESS」を使用しています。
しかし「US Final Battle」は、2026年現在も再使用はされていません。それでも、小橋建太選手の「Sniper」や川田利明選手の「ラストバトル」と同じように、聴くだけで若き日の雄姿が鮮明に蘇るテーマ曲も、また趣があって良いものだと思っています。
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