【プロレス入場テーマ曲】 プロレス的音楽徒然草 Walk On (Some More)

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草

真夏の過酷な戦い

今回はG1クライマックスといえば初代テーマ曲の「これ」しかないということで、ボストンのWalk On (Some More)をご紹介します。

G1クライマックスは、新日本プロレスが主催しているヘビー級選手による最大級の大会で「真夏の祭典」として全国的に知られています。

1991年に第1回大会が開催され、毎年8月上旬頃に開催されています(2014年以降は7月中旬から開催)。

当初こそ数日間の開催でしたが、近年では大会期間が約4週間程と長くなっており、業界の現状から「プロレス界で最も長く過酷なリーグ戦」との呼び声も高い過酷なシリーズです。

劇的なオープニング

このG1クライマックスにおいて、ワールドプロレスリングがオープニングに使用していたテーマ曲が「Walk On (Some More)」です。

TV用に使用された曲はボーカルカットされており、また放送時のオープニングバージョン編集では、Walk Onの冒頭イントロはカットされ、映画『First Knight』の「Night Battle」のファンファーレが編集付与されています。

トム・ショルツの魂

ボストンというのはアメリカン・プログレ・ハードロックの代表格として名高いロックバンドですが、実は創始者・トム・ショルツがほぼ全般を創作するため、ボストンはトム・ショルツのプロジェクトという捉え方もされているようです。

日本でいうと、故・大滝詠一さんのような方だといってもいいかもしれません。このように、トム・ショルツはいわゆるミュージシャンというより職人という感じが近いのかなと、私は思っています。

実際トム・ショルツはデモテープを作る際、ボーカル以外の全パートを一人で演奏してしまうため、アルバム制作などでは、ショルツの演奏をプロのクオリティで忠実に再現することが求められたそうです。

徹底した手拍子の音

そのため、バンドメンバーはすべてオーディションで選ばれたそうです。ちなみにこれはライブ活動を念頭に置いたレーベル側の発案であり、トム・ショルツ自身は当初ライブ活動をしない方向だったそうですね。

トム・ショルツはさまざまな音源を何重にも重ね、独特の分厚い重厚感を持たせていました。 多重録音には不可欠と言われるリズムボックスすら一切使用しておらず、曲のテンポは全て「手拍子」で測っていたというから徹底していますよね。

圧巻のサウンド作り

これによっていわゆる「一発録り」的な迫力が生まれ、ほとんどショルツ一人の演奏であるにもかかわらず、あたかもビッグバンドであるかのような迫力あるサウンドとなった点はよかったのですが、それと同時にショルツ一人が関わったミックス作業には、大変な労力が必要となってしまったので、まさに良し悪しというやつですね。

さて、このWalk Onですが、アルバム『Walk On』に入っているバージョンは4曲目「Walkin’ At Night」から7曲目「Walk On (Some More)」を繋ぐ形でインストゥルメンタルの曲が収録されているのが特徴で、後に繋いだ形でシングルカットされています。そのWalk On (Some More)はこのアルバムの7曲目に収められています。

壮大な開幕の合図

G1で使われていたのは、冒頭の壮大なファンファーレとも呼べる箇所で、いかにもG1の開幕を告げる壮大さが個人的には印象に残っています。

これを聞くと「ああ、G1だよなあ」とオールドファンの私は特に思うんですよね。最近のオリジナル制作されたテーマ曲は、Walk Onに比べるとどうも薄味で仕方ないのです。

アナログへの拘り

ボストンのポリシーとしては「No Synthesizers Used(シンセサイザー使用せず)」「No Computers Used(コンピュータ使用せず)」という有名なクレジットがアルバムに刻印されています。綿密に手を加えられた音源と、膨大な時間と労力を費やしたミックス作業は、そうした電子機器を必要としなかったのです。

そのボストンがアルバム『Walk On』の3曲目に収められている「Livin’ For You」で初めてシンセサイザー(ストリングアンサンブルの音)を使ったため、今までアルバムにクレジットされていた「No Synthesizer」の項目は外されたそうです。

意外な主義の相違

ちなみにアルバム『Walk On』には狩猟、肉食、毛皮売買、家庭内暴力の一切の禁止を訴える内容が、写真付で大々的にパンフレットに記載されているのですが、私のイメージでは、プロレスって毛皮売買を除くと他の要素は大概ありそうな気がしています。

そういうこともあって、あまりプロレスと結びつけるのは、トム・ショルツ的に良いことではないのかもしれませんね。

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