プロレス的音楽徒然草FREEBIRD
名曲FREEBIRD
今回はアメリカのサザンロックバンド、レーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)の代表曲の一つである「FREEBIRD」をご紹介します。 オールドプロレスファンには言うまでもなく、「FREEBIRD」は、日本では全日本プロレスを拠点に活動していたファビラス・フリーバーズが、活動初期の入場テーマ曲として使用していました。
最強トリオ結成
ファビラス・フリーバーズは1978年末、マイケル・ヘイズ選手とテリー・ゴディ選手によりテネシーのNWAミッドアメリカ地区で結成されました。 MSWAでヘイズの負傷欠場中にゴディのパートナーを務め、ジョージアでも共闘したバディ・ロバーツ選手も正式メンバーとなり、トリオのユニットとして活動を開始します。
自由鳥の快進撃
フリーバーズは、天才的なマイク・パフォーマーのリーダー格ヘイズ、ラフ&パワーファイターの巨漢ゴディ、そして百戦錬磨の試合巧者ロバーツと、三者がそれぞれの持ち味を相互補完的に活かすことでタッグマッチの醍醐味を最大化させた、ビジュアル面でも恵まれたユニットでした。
WCCWでのフォン・エリック兄弟(ケビン、デビッド、ケリー)との抗争は同団体のドル箱カードとなり、1980年代を代表するタッグチーム・ユニットとしてアメリカン・プロレス史にその名を残すことになります。
画期的なルール
また、王座戴冠時のチャンピオンシップは三者共有のものとし、タイトルマッチには3人のうち、どの組み合わせで出場しても認められるという通称「フリーバード・ルール(The Freebird Rule)」も確立。後に数々のユニットが、このルールを継承しています
全日本への来日
1984年には、1月にヘイズ&ゴディ、10月にロバーツを交えたトリオで全日本プロレスに来日します。アメプロ好きのファンには高評価だったフリーバーズですが、当時の日本のファンから見ると、インパクトがそれほど強くなかったようにも見受けられました。 とはいえ、フリーバーズは絶妙なコンビネーションで日本のファンにアピールできました。ジャイアント馬場さんはテリー・ゴディ選手については「近い将来化ける」と見て売り出すつもりだったそうです。
馬場さんの眼力
馬場さんからすると、実力あるレスラーながら、マイケル・ヘイズ選手の人を食ったようなショー的なアメリカンスタイルは、当時の日本ではウケないと踏んだのでしょう。 1988年をもってオリジナル・フリーバーズは解散し、ゴディ選手は日本マットを主戦場とします。
五冠王の衝撃
シングルプレーヤーとなったテリー・ゴディは、新日本プロレスから移籍してきた「殺人医師」スティーブ・ウィリアムスと、殺人魚雷コンビを結成。ジャンボ鶴田や、三沢光晴ら四天王と壮絶な激闘を繰り広げていきます。
ゴディが鶴田さんから三冠タイトルを奪取した際は、すでにウィリアムスとのタッグで世界タッグも保持していたため、ゴディさんは合わせて五冠王となりました。また、馬場全日本時代に20代で三冠王者になったのは、小橋建太さんとテリー・ゴディの2人だけです。
伝説は永遠に
しかし、ゴディは2001年7月に、ウィリアムスは2009年12月にそれぞれ他界してしまいます。あれほど強くて凄いチームが、病魔との闘いに敗れてしまった事実は、プロレスファンとしてはなんともやるせない気分にさせられます。 一方、マイケル・ヘイズ選手はWCWに移籍後、ダラスWCCW時代からの盟友ジミー・ガービンを「第4のフリーバード」として新パートナーに起用し、フリーバーズを再編します。ゴディ選手が亡くなられた後、2016年にはヘイズ、ゴディ、ロバーツ、ガービンの4人でWWE殿堂に迎えられています。
楽曲のルーツ
さて、レーナード・スキナードの「FREEBIRD」には、後から付け足された疾走感溢れるギターソロのパートが曲終盤にあります。 Wikipediaによると、この曲は1971年に死去したデュアン・オールマンに捧げられたものです。
当初は前半のスローな部分だけでしたが、ロニー・ヴァン・ザントの案によって後半に長いギターソロをフィーチャーすることになり、また、バンドのローディーだったビリー・パウエルがイントロを考案。パウエルはこの時の貢献をきっかけに正式メンバーとなりました。
1973年にレコーディングされたこの曲は、プロデューサーのアル・クーパーがオルガンで参加し、アレン・コリンズ、ゲイリー・ロッシントンらが名器を駆使して録音されました。1975年には全米19位に達し、「ローリング・ストーン」誌のグレイテスト・ソング500にもランクイン。
その圧倒的なギターソロは、多くの音楽誌で史上最高峰の評価を受けています。また、『フォレスト・ガンプ』や『キングスマン』など、数多くの映画サウンドトラックでも使用されています。
至高の入場曲
私は記憶違いで、あの疾走するギターソロのパートが入場テーマに使われていたと思い込んでいたのですが、CSの『プロレス・クラシック』などで当時の試合を観ると、きちんとイントロから流されていることが確認できます。
後に彼らは、マイケル・ヘイズ自らが歌う「BACKSTREET USA」に入場曲を変更します。こちらも名曲ですが、やはり荘厳なイントロと疾走感あふれる「FREEBIRD」の魅力には勝てないと私は思っています。
サザンロックの旗手レーナード・スキナードと、やんちゃな悪ガキトリオのフリーバーズ。この組み合わせは、これ以上ない最高のマッチングです。だからこそ、プロレス入場テーマ曲としても「FREEBIRD」は稀代の名曲であると確信しています。
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