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[映画鑑賞記] GのレコンギスタI・行け!コアファイター

2020/01/21

2020年1月20日鑑賞。

誕生から40年を迎えた人気SFアニメ「機動戦士ガンダム」の生みの親である富野由悠季監督が、2014年に手がけたテレビシリーズ「ガンダム Gのレコンギスタ」を新たに劇場版として再構築した5部作の第1部。「リギルド・センチュリー」と呼ばれる未来の時代。宇宙からもたらされる貴重なエネルギー源であるフォトン・バッテリーを地球上に運ぶ軌道エレベーター「キャピタル・タワー」を護衛する「キャピタル・ガード」の候補生ベルリ・ゼナムは、初めての実習で宇宙海賊の襲撃に遭遇し、捕獲に協力する。捕まった宇宙海賊の少女アイーダに不思議な何かを感じたベルリは、アイーダが「G-セルフ」と呼ぶ高性能モビルスーツを、なぜか起動させることができた。それをきっかけに、ベルリは宇宙を舞台に世界の真相に直面する冒険へと旅立つ。(解説は映画comより)

配給元が設定した料金が

本当はサマーウォーズの4DXを観にきたのだが、Gのレコンギスタが北九州でも上映開始していたので、急遽こちらを観ることに。

だが、月曜メンズデーのはずのコロナワールドは、当作品だけ4DXでもないのに、通常料金1800円。しかもパンフはなんと2000円(税抜)。

これはまた随分と足元見られたもんだ。まあ、コロナが悪いというより、配給元が設定した料金だろうけど、にしたって随分なやり方である。

富野監督はGのレコンギスタを「子どもにみてもらいたい」という希望があったらしいが、それにしたって大人にふっかけていい理由になんかならない。とはいえサマーウォーズ同様限定上映であることには違いないし、せっかく劇場版と銘打たれたからには劇場でみたい。

しかし、この出費は痛いなあ。一月がたまたまプロレス観戦の予定がなくて助かったけど、通常月だと危機的状況になっていたことにはちがいない。

通常料金をとる内容か否か

さて、割引対象外にして、Gのレコンギスタに通常料金をとるだけの内容があるのか否か。作品の出来如何では、観賞後もブツブツいいかねないだけに、この強気の料金設定は吉とでるか凶とでるか、なんだが…。

基本的には楽しんで観ることができた。途中途中寝落ちしそうになったけど、テンポや間の悪さは改善されていたっぽい。

でも、久しぶりに観たのでどの辺が直されてどの辺が追加されたシーンなのか、パッと見た感じは分からない。

富野監督が説明していたように、ベルリとアイーダの関係がテレビシリーズ以上に深く掘り下げられていたようには感じられた。これはリメイクして良かった点。

テレビシリーズ序盤で、ベルリがアイーダの恋人を殺してしまい、二人の関係に深い溝ができてしまう。

その後、ベルリとアイーダは成り行きで二人は戦いを共にしていくわけだが、テレビシリーズは成り行きが過ぎてしまいベルリの恋人殺しがあまり生きてこなかったというマイナス面があった。そのあたりの苦悩や葛藤が劇場版では細かく描写され改善されてはいた。

子ども向けの作品ではない

ただ、いかんせんGのレコンギスタは、監督が目指している子ども向けの作品でもない。実際私が観に行った回の観客は三人でしかも全員おっさん。お子さんは0人。メンズデーの平日とはいえ、多分他の日もそう大して変わらない入りのような気がする。

重度の富野信者である私ですら、劇場版の内容でも、正直子どもには難解すぎるだろうとしか思えない。チケット代のこともあるし、正直未見の人にはあまり勧められるタイプの作品でもない。

監督が好きなことを好きなだけやった、という印象しかないから、Gのレコンギスタが本当に好きな人だけ映画館に来て、好きな人だけ楽しめれば良い作品だとは思う。それでよければ観に行けばいいだろう。

ただ、個人的に気になったのは音響。実は同じコロナで元々モノラルだったカリオストロの城を4DXで見ているのだが、この4DX版は、音響もめちゃくちゃ良かったのである。したがってGのレコンギスタの場合、劇場のせいというより、音響設計が悪いんだと思われる。

とにかくGのレコンギスタは、テレビの音響をそのまま使用しているとしか思えないくらい。もっといえばこれなら配信やテレビで観ていてもなんら問題ないことになるくらい「ふつー」だったのである。シネコンは通常広さに差はあるけど、音響にそれほど差があるとは思えないから、やっぱりこれは音響設計の問題としか思えない。

お子さんには見てもらえない

二週間限定上映というのは言い訳にならない。なぜなら同じガンダムシリーズのガンダムUCは、大画面で観るにふさわしい音響と画面だったからだ。あれも二週間限定公開だったし、チケット代は一律1200円だった。消費増税前の話ではあるが、お得感は半端なかった。

やっぱり劇場でみるなら大画面と音響は必須なんで、Gのレコンギスタをわざわざ劇場にかける意味合いが、「行け!コアファイター」からはあまり感じられなかったのは残念だった。子どもに対して発信したいなら、悔しいけど、Gのレコンギスタは及第点からは遠く及ばない作品だろう。

私のようなファーストガンダムリアルタイム世代で、重症の富野病患者は高いパンフもチケットもお布施だと思って割り切れるけれど、お子さん連れのファミリー層がわざわざ「Gのレコンギスタ」を観に行くとは到底思えない。

だとしたら富野監督の「お子さんにみてもらう」という悲願はどうもGのレコンギスタでは叶えられそうにないような気がする。

かと言ってサンライズやバンダイが監督に「ガンダム以外」の作品を作らせはしないことも容易に想像がつくだけに、残り4部をお布施がわりに観に行くしかないのかな、と思うとなんだか虚しい気分になってきた。

ともかく、後はGのレコンギスタがテレビシリーズよりより良い着地点に落ち着いてくれることを願うばかりである。

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