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[特撮ソング] 特撮的音楽徒然草 OVER THE TIMES 〜時(いま)を越えて

特撮番組の端境期

今回は1996年4月から12月まで放送された特撮ヒーロー番組「超光戦士シャンゼリオン」のオープニングテーマ曲である「OVER THE TIMES 〜時(いま)を越えて」をご紹介します。

超光戦士シャンゼリオンが放送された1996年は特撮番組の端境期にあって、この年の9月には平成ウルトラマンシリーズの第一作でもある「ウルトラマンティガ」が放送スタートするのですが、実質それまではスーパー戦隊シリーズ(96年2月までは超力戦隊オーレンジャー、3月からは激走戦隊カーレンジャーがスタート)が特撮の屋台骨を背負っていました。当然平成仮面ライダーシリーズもまだスタートしていませんでした。

シャンゼリオンが残した功績

そのスーパー戦隊の向こうを張ってテレ東が自身のアニメ枠(夕方6時からの一時間)を使って放送開始したのが、七星闘神ガイファード(月曜)と超光戦士シャンゼリオン(水曜)だったのです。ガイファードはいわゆる本格的な特撮ヒーローもので、シャンゼリオンは、ちょっと軽いタッチのキャラが活躍するという、色合いも全く異なる作品でした。

ガイファードは東宝とカプコンがタッグを組んで、シャンゼリオンは東映がセガと組んで製作した肝いりの意欲作でしたが、ガイファードは同年9月に終了。シャンゼリオンも一年間の放送が39話に短縮されて終了という憂き目にあいました。必ずしも高評価とはいいがたい結果になったのです。ガイファードについては改めて考察したいと思いますが、シャンゼリオンも後の特撮に与えた影響は非常に大きいものがありました。

シャンゼリオンが取り入れた画期的なこととして次の3つがあげられます。

①透明な素材のヒーロースーツの制作
②16ミリフイルムからビデオ撮影になった
③敵を倒さずにお話が終わった

①はもともとシャンゼリオンの企画以前に話があったそうですが、いざ造形を作ってみたらアクション用でなんと総重量40キロ、アップ用で100キロ超という考えられない重量となり、これを着て演じることができるスーツアクターはJACの岡元次郎さん以外にいなかったといいます。撮影現場は過酷を極めたといってもいいでしょう。

②はそれまでの東映の十八番だった16ミリを捨てて臨んだという点では画期的でしたが、16ミリ時代の遺物であるオールアフレコシステムはまだ現役でした。従ってシャンゼリオンでは口パクと声があわない事態も多々見られました。これはマイナス面でもありますね。

③はもともと打ち切り云々の話がなくても、敵を倒さず終わるという話があったそうです。ですので、予定通りといえば予定通りでしたが、実は続編を企画していて、シャンゼリオンの進化系バージョンなども書き起こされていたそうです。

入手困難な音源

しかし、個人的に一番驚いたのは、シャンゼリオンで「どうしようもなくいい加減でやる気のない」主人公・涼村暁役の萩野崇さんが、仮面ライダー龍騎において真反対のキャラクターである仮面ライダー王蛇を演じた時には、あまりのイメージの落差にひっくりかえりそうになりました。

萩野さんが龍騎に起用されたのも、平成仮面ライダーシリーズに、シャンゼリオンのスタッフの多くが参加していたことがきっかけのひとつにもなっていました。多くの優秀な人材を輩出したという点でもシャンゼリオンが後世に影響を及ぼしたといえるのです。

「OVER THE TIMES 〜時(いま)を越えて」から、私はシャンゼリオンの「ここから新しいものを生み出そう」とするパワーを感じています。また音楽面でもシャンゼリオンには佳曲がたくさんあるので、ぜひデジタルリマスターで廉価版の音源を出して欲しいのですが、現状シャンゼリオン関係の音源CDは、高騰しているのが現状で、マニアとしては悩ましいところではありますね。








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