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[映画鑑賞記] 銀魂

2018/08/10

17年7月14日鑑賞。

『銀魂』の舞台はパラレルワールドの江戸末期。地球人と宇宙からやってきた天人(あまんと)が共に暮らす、将軍おひざ元の江戸・かぶき町で、なんでも屋“万事屋銀ちゃん”を営むぐうたら侍こそ、本作の主人公・坂田銀時(小栗旬)。従業員の志村新八(菅田将暉)や居候の怪力美少女・神楽(橋本環奈)といつものようにダラダラした午後を過ごしていたとある日。ぼんやり見ていたTV番組のニュースで、カブトムシ狩りで一攫千金できると知り…、てんやわんやの大騒動で映画は幕を開きます。

そんな面白おかしい日々を過ごす中、万事屋に仕事依頼が。江戸で暗躍する攘夷志士の桂小太郎(岡田将生)が謎の辻斬りの凶刃に倒れ行方不明に!? その影にうごめくのは、「人斬り似蔵」の異名を持つ浪人・岡田似蔵(新井浩文)。そしてかつて銀時と共に攘夷志士として救国のため戦った高杉晋助(堂本剛)…捕らわれた仲間を救出するため、この世界を護るため――満身創痍の銀時はひとり、走り出します。(あらすじはANIMATE TIMESより)


まず、同じ福田監督の次回作「斉木楠雄のΨ難」の予告で、「山崎賢人実写やりすぎじゃない?」の一言で吹いた。「これは手強いのくるな!」と身構えたところで、本編があのオープニング!あれはズルい!あれじゃ笑うわ、だれだって!しかもそれが、一度ならずも…。

あとでパンフ読んで知ったのだが、銀さん役の小栗旬をはじめ、 村田鉄矢役の安田顕ら主要人物はほぼアドリブなしという。完全に銀魂を福田雄一のものとして表現するためには、この2人はキモだろうな、とは思っていたけど、原作に萎縮することなく、果敢に笑いをしかけていくあたりが、本当に福田監督らしい。

それにしても、メインキャストにお笑いのプロがいないにも関わらず、この貪欲な笑いへの姿勢はお見事という他なかった。特に近藤勲が見事なくらいストーカーゴリラとして描かれていたのが素晴らしい!エンディングテロップが出るまで中村勘九郎とは気づかないくらいのなりきりっぷりには感服した。

キャラクターの再現度はいずれも高く、監督・キャストの銀魂愛を感じずにはいられなかった。

今まで「予算が少ない」をウリにしてきた福田作品の中で最も予算をかけている本作だが、正直豪華すぎて違和感がないわけではない。しかし、森でカブトムシをつかまえるシーンや、着ぐるみ感満載のエリザベスがでてくると、なんかホッとしてしまう。エリザベス役は、高杉役の堂本剛が熱望していたらしいが、確かに美味しい役所である。まあ、事務所が許さないだろうけど。

そのエリザベスも台詞がひとことしかないのに、福田組常連にして勇者ヨシヒコ役の山田孝之を起用していたり(どうせなら声だけじゃなく、中身もやって欲しかった)、隅々まで、なかなか一筋縄でいかない福田ワールドがたっぷり堪能できると私は思う。

ただ、ビジュアルはまだしも、キャストが概ね声が低めなため、もし可能ならば、アニメのキャストが声当てたバージョンもみてみたい。攻殻機動隊みたいな感じになるかはわからないけど。

それにしても、TBSとかTVチャンピオンは実名ありで、なぜかナウシ○だけアンタッチャブルな扱いになっていたけど、もっと銀さんがメーヴェ乗ってるシーンも見たかったなあ。時間の都合もあるんだろうけど。やるならあそこも○ウシカのBGM欲しかった。

殺陣は可能な限り、吹き替えなしでやっているそうだが、確かに周りがCGだらけの中でアクションだけ生身感が感じらたのはふしぎに思っていた。特に銀さんと高杉、また子と神楽の死闘は絶品!

そして出番は決して多くないのに、ほとんどの笑いをかっさらっていく佐藤二郎の場面は瞬きさえ許されない。あれはズルすぎる!何やっても持っていっちゃうんだもんなあ。そりゃキャストから愛ある?クレームがでるよなあ。でもそんなところも福田組らしいところではある。

だからこそ、私には豪華キャストと潤沢な予算が、「銀魂」に関しては福田ワールドらしさを多少スポイルしていたようにも感じられた。勇者ヨシヒコやアオイホノオで魅せた、チープだからこそ素晴らしい部分は、そんなにみることはできないと私は思っている。一例をあげると、エリザベスの縫い目はあえて消さずに残したほうがよかったかな?

でもまあ、予算があっても福田監督が面白い映画が撮れることがわかったので、私の中の違和感もいずれ慣れていくだろう。

原作でも人気のある紅桜編をベースに映画として成立させた福田監督の手腕は見事というほかない。ただやはり、福田監督には原作のない作品の方が私的にはありがたいかな。

確かに福田雄一監督には、「アオイホノオ」みたいな成功作もあるけれど、銀魂は福田ワールドと親和性が高い分、言い方は悪いが「できて当たり前」という感想ももたれやすい。特に銀魂がヒットして続編の話がきた場合、シリアスに重きがおかれている「将軍暗殺編」などは、まさに監督の手腕が問われるところ。

それだけに、ギャグを得意とする福田監督には先々待っている試練は決して少なくない。銀魂とはそういう作品なのだ。









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