[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 宇宙の星よ永遠に
2017/06/21
今回はこれもいつか取り上げようと手ぐすね引いて待っていた「無敵超人ザンボット3」のエンディングテーマ曲である「宇宙の星よ永遠に」をお届けします。このザンボット3は名古屋テレビと日本サンライズ(現・サンライズ)がタッグを組んで制作したアニメの第一作で、無敵鋼人ダイターン3を経て、あの機動戦士ガンダムを生み出す時間枠です。このザンボットからガンダムまで一貫して富野喜幸(現・由悠季)監督がディレクションしています。
さて、富野監督につけられた二つ名に「皆殺しの富野」というのがあります。文字通り登場人物を片っ端から殺してしまう作風の元祖(厳密には海のトリトンなどにも兆候はみられますが)こそがザンボット3なのです。
それまではなんだかんだ言ってもロボットアニメ=お子様アニメとして認知されていたジャンルで、人間爆弾だの、特攻だのを描き、ヒーローであるはずの神ファミリーが孤独な闘いを強いられていくストーリー展開はまさにトラウマもの。
俳優の上川隆也さんは、このザンボット3の大ファンであることを公言していますが、後世の著名人たちに、影響という表現では生温いほどのインパクトを与えたのでした。
ザンボット3で描いたシリアスな世界観を突き詰めたのがガンダムであり、イデオンであることを考えると、ザンボット3が世に出た意味はとても大きくて重いと私は思います。
最終回でファミリーの中からただ一人生き残る主人公・神勝平がラスト間際で「さむい…」というセリフをつぶやきます。一説によると、これは神勝平を演じた大山のぶ代さんのアドリブだったそうです。しかも大山のぶ代さんをして「二度とできない表現」と言わしめるほど、魂の入った演技は、今で見返しても背筋が寒くなるほどです。
ザンボット3に関しては最終回にかろうじて救いらしきものがあり、その後に流れる「宇宙の星よ永遠に」が何とも言えない気持ちになっている私の心を締め付けてくるのです。
未だかつてこれほど後味の悪いテレビアニメにはお目にかかったことはありません。だから未だに忘れ得ぬ歌として、私の中で「宇宙の星よ永遠に」は一生忘れることのない作品になっているのです。