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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 よみがえれ飛雄馬

このコラムを自分で読み返していると、なんか「大王」率が少なく感じたので、今回は「新・巨人の星」エンディングテーマ曲「よみがえれ飛雄馬」をご紹介します。

「巨人の星」第1作目ではアンサンブルポッカが担当していたオープニング「ゆけゆけ飛雄馬」共々、「新・巨人の星」では、大王・ささきいさおさんが担当されています。今で言うところのカバーにあたるのかもしれません。当時としては珍しい試みだったと記憶しています。

しかし、ささきいさおさんは、プレスリーのカバーで歌手としての地位を確立された方なので、ご本人的には、カバーはお手の物だったのかもしれないですけどね。

私的には、巨人の星の世界観からすれば、やはり水木一郎アニキより大王の方がイメージ的にしっくりくるかな、とは思います。ですから、アニキがオープニングが担当された「新・巨人の星II」を観た時はかなり衝撃的でした。

実はむやみやたらな暑苦しさでいえば、瞳が燃えている飛雄馬とアニキの相性は抜群に思えるのですが、最初にささきいさおさんの歌唱が刷り込まれていたもので、新・巨人の星IIのオープニングである「心に汗を」を聞いた時は「随分爽やかさな歌だなあ」という印象を抱きました。

その時、キャラクターは暑苦しくても歌唱法で表現を変えられる水木一郎アニキの奥深さも同時に知ったわけです。アニキのスポーツ系アニメソングは、どの歌にも何処か爽やかさが漂うからつくづく歌手・水木一郎さんの力量は凄まじいなと思う次第です。

時代はスポ根から次第に爽やかスポーツ路線に方向転換し始めていました。その過渡期に登場した新・巨人の星では、やはり昔のような根性論一辺倒というわけにはいかず、物語でも様々な模索が続いていたように私は感じていました。

そこに登場したささきいさおさんの歌唱は、男のロマンを歌い上げるものでした。野球の夢断たれながらも再び舞い戻ってきたヒーロー、星飛雄馬を歌い上げた「よみがえれ飛雄馬」は、まさにささきいさおさんにしかなしえない「ロマン」の部分とうまくマッチングしているのではないかと私は思うのです。

夢を追い求めて再びプロ野球にカムバックした新・巨人の星の星飛雄馬には、根性とは違う何かが必要でした。新・巨人の星IIでは最終回で、飛雄馬は大リーグを目指してアメリカに旅立ちます。原作では未完に終わった物語をきれいに締めたアニメ版の名解釈だと私は思っています。

私が推察するに、新・巨人の星II最終回がこのような形になったのは、「よみがえれ飛雄馬」で、ささきいさお大王が根性ではなく、ロマンを歌い上げていた事と決して無関係ではないと思っております。

同時期に松本零士作品に多数関わられたささきいさお大王は、ロマンにまつわる歌を多数発表されています。その端緒はやはり宇宙戦艦ヤマトであったことは疑いようがないでしょう。

そういう意味では、あなたがヤマトや999ありきの前提で「よみがえれ飛雄馬」をお聴きになられたら、また違う印象を受けられるかもしれませんね。

根性路線から爽やかへ。時代の狭間にロマンを歌い上げた大王の歌は今でも決して古びてなどいないと私は断言したいと思います。









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