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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 星空サイクリング

今回はテレビ版うる星やつらより「星空サイクリング」をご紹介します。星空サイクリングはヴァージンVSというバンドの楽曲ですが、ヴォーカルのA児ことあがた森魚さんは「赤色エレジー」というフォークソングで知られる歌手でもあります。

ヴァージンVSはあがたさんが、ニュー・ウェーブからワールドミュージックまで活動の幅を広げていた1980年代に結成していたバンドで、赤色エレジーを後で聞いた世代としては、そのあまりのふり幅のでかさに驚かされたものでした。

実は星空サイクリングというのは、テレビ版で最初に挿入歌として使われた時は、オリジナルバージョンが流れています。その後正式にエンディングに昇格したため、その際に歌詞の一部が修正され、そのパートを担当した女性コーラスのひとりであるリッツさんは後に、恋のメビウスというエンディングテーマを担当しています。

さて、テレビ版うる星やつらでは、星空サイクリングをはじめ、うる星やつらの制作をてがけていたキティレコードに所属するアーティストの楽曲が挿入歌・BGMとして使用されました。有名なところでは高中正義さんが演奏する「マンボ№5」や「FINGER DANCING」なども使用されています。

こうした傾向はほかのアニメでもあって、ひどい時は前番組のBGMをそのまま使ったという例もありました。そういう意味では時代がおおらかだったともいえますが、うる星やつらの選曲は、かなり先鋭的で「攻め」の姿勢が感じられました。それまでのアニメアニメした楽曲とは一線を画していたことで、LPは7作がオリコンLPチャートで10位以内にランクインしているほどです。

ちなみに、ラムのラブソングを作曲し、自らもI ,I,YOU&愛などを歌われている小林泉美さんは、高中正義さんのサポートミュージシャンとしてツアーに帯同されていた新進気鋭のアーティストでした。

私もほとんどのサントラ盤をもっていますが、BGMひとつとってもそれまでのアニメとは全然違う印象を残す鮮烈なものでした。うる星やつらが名作たらしめたのは、音楽によるところが大きいと私は思っています。

ただ、版権の問題からうる星やつらの全主題歌を網羅したアルバムはいまだ発売されておらず、完全版とかいう触れ込みでつい購入しては「あの曲がはいっていない」ともどかしい気分になることが多々あります。

キティレコード自体は倒産してすでにこの世にはありません。しかし、レコード会社が制作に携わったことで、うる星やつらはそれまでのアニメとは一線を画した作品になりました。当時として先鋭的であったことは、いまだに不完全とはいえ、主題歌アルバムが出るくらいに需要があるということからも証明されていると、わたしは思っています。









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