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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 海に陽に

2017/05/03

今回は、劇場版伝説巨神イデオンのイメージソング「海に陽に」をご紹介します。いつの日かイデオンとザンボット3についてはとことん語り尽くしたいところですが、せめて音楽面だけでも先に語りたくて、今回ねじ込みました。

劇場版伝説巨神イデオンは接触編と発動編の二部構成になっています。接触編はテレビシリーズの総集編としてシリーズの主な流れを描き、発動編では、放送を打ち切られて、見ることが叶わなかった「本来の結末」が描かれています。

カップリングのセーリングフライは、イメージソングといいつつ実はこの接触編のエンディングテーマとして本編ラストで使われています。しかし、セーリングフライより人気が高い「海に陽に」は、発動編でインストゥルメンタル版が使用されているのみです。ユーチューブなどで、歌入りのバージョンをみたことがありますが、たぶん私が見る限り、それは劇場版の画像に、あとから歌を被せたものだと思われます。

一応念のため、接触編・発動編を見返してみたんですが、やはり使われていたのはセーリングフライだけでした。

では、なぜ「海に陽に」の人気がファンの間で根強いのか?ひとつは作詞家・井荻麟(富野由悠季監督の作詞家としてのペンネーム)の作品の中でも、もっとも物悲しい内容であることと、本編で実際に使われた「カンタータ・オルビス」があまりに圧倒的な存在感をほこっているからではないか?と私は思うのです。

生命のありかたを、ひたすら荘厳に表現した「カンタータ・オルビス」を聴くと、あのただただ圧倒されるだけの発動編のラストに、「海に陽に」は相応しくないと判断されても仕方ないかな、というのが私の見解です。

カンタータ・オルビスに関してはまた項を改めたいので、このへんでやめておきますが、イデオンに代表される「皆殺しの富野」と呼ばれる作風からすると、意外なくらい作詞家・井荻麟としての作品は、強い生命力や、前向きさに満ちています。近作の「Gのレコンギスタ」では「元気のGははじまりのG」というフレーズまででてくるありさまでしたからね。

それはテレビシリーズのイデオンでも然りで、復活のイデオンなどは、巨大ロボットアニメのテーマ曲として聴いてもなんら違和感がない内容になっています。ちなみに復活のイデオンは、数々のロボットアニメを歌ってきたアニキこと水木一郎さんもカバーしており、水木バージョンのイデオンはあの凄惨な内容が想像できないくらいに、ロボットアニメソング化しています。

さて、「海に陽に」は、単体で聴けば、確かに伝説巨神イデオンの作品世界を端的に表現していると私も思います。

が、発動編における圧倒的なクオリティで描かれた渾身の作画と、カンタータ・オルビスの荘厳でスケール感のでかいメロディの組み合わせは、どんな名作詞をもってしても叶わないほどの説得力をもって見ている側に迫ってきます。これは公開から30年以上過ぎた現在もなお、私の中では変わらずにいます。

今にして思うと、「海に陽に」は井荻麟が自作のエンディングのために用意しながら、みずから生み出したイデオンという稀代のアニメーションの無限力(むげんちから、と読みます)によって、イメージソングに格下げされたわけです。そういう意味では、「海に陽に」は、イデの意思に敗北した哀しみも背負った、敗者の歌という位置づけができるかもしれないな、と私は思うのです。









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