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[映画鑑賞記] 仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦

17年3月31日鑑賞。

突如として、世界各地を『ゼビウス』の巨大浮遊要塞・アンドアジェネシスが襲う。その攻撃によって、ジューランドは壊滅し、動物戦隊ジュウオウジャーの一人・アム / ジュウオウタイガーがCRに運ばれる。だが、そこに宇宙戦隊キュウレンジャーが現れ、現実世界とゲームの世界を行き来できる仮野明日那 / ポッピーピポパポを捕らえようとする。ポッピーを守るため、宝生永夢 / 仮面ライダーエグゼイドたちは仮面ライダーへと変身し、キュウレンジャーと戦う。

だが、突如として新たなゲーム『超スーパーヒーロー大戦』が始まり、死んだはずの九条貴利矢 / 仮面ライダーレーザーや他のヒーローたちが現れる。そして、その中には鏡飛彩 / 仮面ライダーブレイブと同じ姿をしたゲーム世界の飛彩 / 仮面ライダートゥルーブレイブもいた。

ポッピーとアムはゲーム世界に潜む敵を捜すため、ゲーム世界へと飛び込むが、そこにいたのは霧野エイトという少年だった。(あらすじはwikipediaより)

近年なりを潜めていたスーパー戦隊×仮面ライダーのヒーロー大戦映画が2017年にまさかの復活。よせばいいのに、ニチアサだけでなく、深夜枠(しかもR指定?)のアマゾンズまで投入している。これはもはやカオス以外の何物でもない。そもそも人間を喰らうアマゾンズを混ぜたら、平成ライダーにしろ、近年のスーパー戦隊にしろ、改造人間がいない(そういう意味ではキュウレンジャーって異色ではあるのだけど)時点で、皆アマゾンズにいろんな意味で「くわれる」可能性がある。アマゾンズとのコラボは「エサ」がうじゃうじゃいる水の中にピラニアを放つようなものだろう。

アマゾンズが許されるなら、アキバレンジャーだって混ぜてもよさそうなものを、非公認だからか?かたくなに混ぜてはくれない。ニチアサデビューより、私は密かに待ち焦がれているのだが。

前置きはこのくらいにして、実は大して期待もしてなかった今回の「超スーパーヒーロー大戦」だが、個人的には歴代ナンバー1の出来だったということをはじめに言っておきたい。そのうえで気になる点をいくつか・・・・

①スーパー大戦シリーズ初の海外ロケがあった
②割とがっつりライダーとスーパー戦隊が闘っていた
➂思ったよりキュウレンジャーの出番が多かった
④気になるアマゾンズの扱い・・・・

①は実をいうとスーパー戦隊好きな大きなお友達なら、ある程度予想がついたことと思う。まあ、キョウリュウジャーの続編を作ることになったあの国で、「ついでに撮ってきたんだろうな」と邪推してしまうのが、老害のよくないところだが(笑)尺的にもそんなもんだったから、これは仕方ない。むしろ予告で見た、オール海外ロケ(?)のパワーレンジャーの方がよっぽど違和感を感じたし。というかパワーレンジャーは「公式」扱いでいいのだろうか?

②はエグゼイドの世界設定ってこの映画のために用意したの?と思うくらいぴったりはまっていた。そりゃ、対戦ゲーム上ならヒーロー同士のバトルがあってもいいだろう。もっともそのせいでライダー同士、戦隊同士のバトルも少なからずあったりしたけど、違和感はそんなになかった。うれしいのはチームエグゼイドのメンバー編成でよくもまああんな面白いメンツでチームを作ったなあということ。特に竜騎からゾルダをもってきたのはクリーンヒットだろう。ゴライダーも悪乗りスレスレのところで、お祭り感を出すには結構面白い演出だった。

➂のキュウレンジャーの出番が多いというのは、そもそもこのスーパーヒーロー大戦映画自体、新戦隊のシリーズ撮影に入るか入らないかのタイミングで撮りだすため、キャラクターが固まっていなかったりすると、半年放送が先行しているライダーとの共演でどうしてもスーパー戦隊が割を食うことも多かった。しかし今回はエグゼイドから飛彩を、キュウレンジャーからナーガをフィーチャーし、ここにジュウオウジャーのアムを絡ませるという苦心の跡が見事に成功していた。そもそも人数の多いキュウレンジャーの中にあって、一人のキャラを掘り下げるというのは、映画ならではの見せ方だったと思う。

④は、まあゲームの中なんで…実際のアマゾンズみたいなグロ描写はなかったのだが、まさかアマゾンアルファの声にオリジナルキャストを使っていたとは・・・・ジュウオウジャーも声だけだけど全員オリジナルキャストだったし、このあたりは意外だった。でもゲームということで登場が許されるなら、やっぱアキバレンジャーだって・・・(以下略)。

なるべくネタ晴らししたくないのだが、一点文句を言いたいのは、ダイヤモンド☆ユカイの演技・・・・(苦笑)。まあ、もともと役者ではないのだから仕方ないのだけど、ショッカーの大ボス感はなかったなあ。ご本人は死神博士をモチーフにしていたらしいけど、正直生え際以外はあまり似てないし・・・・

とはいえ、今までの大戦映画は、同一世界でスーパー戦隊と仮面ライダーが共闘(もしくは戦闘)する設定自体に無理があったので、今回エグゼイドの特性を使いまくった点で、「ヒーロー大戦」史上、稀有な成功例ができてしまったことは、素直に喜んでいいのかもしれない。テレビシリーズのエグゼイドはどんどん不穏な流れになっていっているし、こういうお祭りノリに似合うキュウレンジャーとの共演はなかなか楽しかった。こうした作品を挟んで、シリアスな本編にいくのは悪くない気がする。

もっとも今回うまくいったからといって、いつもゲームの中で戦隊とライダーを戦わせればいいというわけではない。オールスター映画というのはプリキュアもそうだけど、本当に作り上げるのが難しいので、できるなら毎年ではなく、節目節目で記念作として作る分にはありなんじゃないだろうか?

今回は感情表現に難がある人間三組(エイト少年、飛彩、ナーガ)の物語が主軸になって、これがとてもよくできていた。主軸がしっかりしていたことで、今回の超スーパーヒーロー大戦は、映画として成功したのではないかと私は思っている。とはいえ、細かいことをいうといろいろ整合性も欠いた、金田監督らしい破たんした部分も随所にあることはあるが、今回の場合は目をつぶっても問題ないだろう。平成ライダージェネレーションのように本編にフィードバックされる設定もなさそうだったし、これはこれでいいと私は思う。









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