2016秋アニメ完走文感想文 魔法少女育成計画
2017/01/31
「脱落するのは一週間にひとり」と、1話のCMで壮大なネタバレをやらかした本作。魔法少女バトルロワイアルと化した中盤はもはらミステリーですらなく、最終回が近づくにつれてファヴの小物感が鼻に突き出して…
ただ、各キャラクターの掘り下げ方や描写には見るべきものがあった(ハードコアアリスやトップスピードなど)し、作画もトップレベルのクオリティを保っていただけに、最終回の尻すぼみ感はなんとももったいなかった。
あれだけキャラクターの描写に力を入れておきながら、肝心の主人公スノーホワイトが回を追うごとに空気みたいになっていったのは残念というほかない。いみじくもファヴが「自分の手を汚さず、ほかのメンバーが脱落して生き残った」とスノーホワイトを揶揄していたが、その意味のまんまスノーホワイトが生き残って最終回を迎えてしまったので、最終回自体も微妙な感じでフィニッシュになってしまった。せめてスノーホワイトにはスイムスイムと最終決戦で闘うくらいはしてほしかった。自分の手を汚さないで生き残っちゃうのはなんか違うんだよなあ。ファヴのくずっぷりも、あくまで冷徹なキュウべぇからすると小物感が漂いすぎているし、スケールの点でも殺し合いになっていく原因にしても肝心なところがなにもかもしょぼいのが痛すぎた。
本当に一歩間違えたら大傑作になっていたものをいろいろボタンを掛け違えた結果こうなったとしたら残念としかいいようがない。美少女バトルロワイヤルというのは、やりようによっては傑作にもなりうするし、料理法を間違えると駄作にもなってしまう。そういう意味ではいろいろと惜しい作品だった。