[プロレス観戦記] プロレスリングFREEDAMS小倉大会・西の聖地化計画第三弾

せかぷろ

プロレスリングFREEDAMS小倉大会・西の聖地化計画第三弾

(2013年7月14 日 北九州パレス)

イントロダクション

FREEDAMSに限っていえば西の聖地として博多より小倉を選んで3年続けて興業を行っている。その眼の先にメディアドームという大きな目標を掲げたからにはインパクトが必要になってくる。さて、果たして北九州は西の聖地になるのかどうか?

それを検証しながら振り返ってみたい。

第一試合:がむしゃらプロレス提供試合:6人タッグマッチ

●竹ちゃんマン&林祥弘&YASUvs○セクシーロージィ&TOSSHI&鉄生
体固め 10分19秒)※ブーブープレス

一試合目ががむしゃらプロレス提供試合。プロ団体への提供試合にはここ最近ロージー
の参加が目ざましい。本戦ではどうせセクシータシロ軍じゃない。と思ってるのであれば認識をあらためるべきだろう。プロに高い評価をもらってるからこそロージーはプロともからむし、プロからの評判もすこぶるよい。いろもんからこの日みせたブラックバージョンまで実に頭が柔軟で即興性の高いプロレスの試合では親和性が抜群に高いのだ。

今回は特にヒールの男2人がなんとかロージーに食われまいと必死になっていたのがよかったと思う。でないとその存在自体がかきけされてしまうからである。

一方林・YASU組は単に悪いやつ相手に戦うだけでは能がない。女性ファンも多いロージーが相手だとやっぱり分も悪い。しかも林は今年ほぼフル稼働ででてるのに勝率が恐ろしく悪い。OTL全体でみてもベルト三本もってるユニットであるにも関わらずここ最近興業のしめにすら登場していない。

であるなら、相手がどうであれもっと勝ちにいく姿勢がほしかった。そこらへんがやや淡泊にみえたのも気になった。勝利への執念なくして天下取りもまたなし。ああみえて現ヘビー級王者はその辺がほかの誰よりも貪欲なんだから追い越したければその上をいかないと。
多分SMITHがこの中にいたらロージーの存在感を浸食する方向にしていたのではないかと思う。そのくらいあのチャンプはしたたかで計算高いのだ。

もちろんこれはみんなが努力してることはわかったうえでいってること。プロレスはやっぱお客にどうみられてるかがなんぼの競技。頑張りましたから応援してね、ではすまない厳しさがある事も頭の隅にはおいておいてほしい。

第二試合:タッグマッチ

SUSUMU&●正岡大介 vs ○佐々木 貴&杉浦 透(シャープシューター 11分23秒)
(伊藤優作怪我で欠場)

この日は何と全国で17以上の団体が興業してるプロレスデー。それはいいんだけど
FREEDAMSの友好団体がほとんど北を回ってる上、さらには抗争してた大仁田軍は同じ福岡のレジェンド興業にとられ(まあこっちはこなくてもよかったんだけど)そこへきて身内のけが・・・・懸命に営業回っていた佐々木貴的には大いに頭の痛い問題が多数。ぎりぎりまで折衝を重ねた結果、代表自ら一日2試合という賭けに出た。

しかも即席タッグなのに「チーム杉浦貴」という名前までついている!

もともとは新入団したSUSUMUを含めた若い選手同士の競い合いというのがテーマの試合だったはずが殿の加入で路線変更を余儀なくされたことは同情したい。

でも特にこの中では杉浦の無駄に高いテンションが功を奏した。観客席のこどもに「あの人お笑い芸人?」といわれるくらいなりふりかまわないあほ全開のはじけっぷりはまさに怪我の功名。後ろに控えてるのが殿だからできたともいえる。

よって本当に勢いよく飛び出して行ってはこてんぱんにやられるという先兵を自ら買って出た杉浦のセンスをこの試合ではおおいに買いたいと思う。でもSUSUMU組には正直気の毒だったかな?^^

第三試合:シングルマッチ

●アミーゴ鈴木vs○がばいじいちゃん
(杖式回転エビ固め 9分6秒)  

翌日の九州プロレスにも出るじいちゃんは先乗りして小倉でも試合。さすが日本一忙しい高齢者ファイターである。ぶっちゃけ関東ではもう見飽きられてるらしいんだが、なぜかホームである九州ではあまり試合を見られないうえ、小倉で九プロがやるときはいつも芸術劇場
なんでこんな至近距離でじいちゃんの試合がみられるのは嬉しい限り。

しかし、アミーゴも前回は小笠原先生、今回はじいちゃんとなにげに難易度の高い対戦相手を用意されているのだがそれだけ仕事に信頼性があるからだろう。見事にじいちゃんワールドの盛り上げには一役買っていた。

ただし普段ならじいちゃん頑張れになるところが微妙に近い距離で見るじいちゃんの顔が怖かったらしく一部のこどもが大泣きしていた^^これは大誤算だったろうなあ。

第四試合:シングルマッチ

●吹本賢児vs○阿蘇山(エビ固め 5分15秒)
※万トーン

翌日九州プロレス選手権試合を控えた阿蘇山が地元小倉の大会に初登場!前回はなぜかスタッフで参加されていたので満を持しての登場となる。

しかし怪我の具合が思わしくないのか肩のテーピングが痛々しい。筑前をいまだに苦しめている必殺マグマドライバーの威力も半減しかねい事を考えるとここで試合を受けたことが今
となってはよかったのか悪かったのか。今にして思うとマグマドライバーを一発しか出さなかったのは他団体の選手だからという理由以前に怪我の具合が思わしくなかったのかなとも思う。

でも受けた試合はきっちりこなすのもプロ。そういう意味では阿蘇山もまたきちんとした仕事をしたことは賞賛されていいと思う。

第五試合:タッグマッチ

●神威&HIROKIvs浪口修&○小川内 潤
(片エビ固め 10分10秒)※鬼風車

東京でやってた抗争をそのままもってきてたら多分そっぽむかれた可能性も否定できない。そういう意味で大仁田抜きで本来のFREEDAMSがこうして見られたのは幸いといっていいかもしれない。

正直、大仁田が絡んだ時点で嫌悪をもったファンは少なくなかったんだし。まあ抗争も一区切りついて小倉にきたんでそういう意味ではタイミングもよかったかな?

正直いうと体調が万全ならこの立ち位置にGENTAROがいるんだろうなあとは思ったけどそれはないものねだりでしかない。地元凱旋する術を持たない九州組は必死でやっていたし、FREEDAMSも手加減なしでたち向かっていった。試合を見てる間はGENTAROの姿がよぎることもなかったし、この試合も悪いものではなかった。

第六試合:シングルマッチ

○宮本 裕向vs●久保希望(エビ固め 15分00秒)
※ムーンサルトプレス

この日のベストバウトは正直一杯ありすぎて困るくらいなんだけどこの試合はまあ下馬評でも注目度の高い試合ではあったし、実際大いに奮闘した久保のおかげで会場も盛り上がった。

でも・・・・宮本の牙城を少しでも脅かすシーンが久保になかったのは今考えると残念でならない。確かにプロレスには時間の熟成が必要なこともある。

とするならば全国への道を模索する前に目の前の敵を叩かねばその先もないのではないだろうか?

地方に住むハンデを承知であえていうと久保の価値基準が大谷戦を経験した2年前とそんなに変わってないというのはやはり今後を考えたうえでいうなら敢闘賞の選手で終わってはいけないだろうと思う。

プロレスに勝ち負けは関係ないという人もいるけれどじゃなんで勝敗が決するようになっているのか?

負けが混んでもプロレスラーはいい試合を提供してくれればいいというお客の勝手な願望世界からはそろそろ脱却してほしいのだ。

でないと東京に進出しても煮え湯を飲まされるだけだろう。

あっちにはがむしゃらのお客のようなアットホームな空気感は皆無といっていい。マニアの好奇に満ちた斜め横の視線と世間的な無関心・・・・それが今の久保が目指そうとしている東京のプロレスシーンでもある。宮本や佐々木貴はそうした好奇の目やすれた視線を実力で黙らせてきた猛者でもある。

だからこの試合は今までの久保の範疇から出なかった試合でしかなかったということ。厳しいようだけどベストバウトにはあえてしなかった。

これは久保の試合をみて「彼ががんばってるならいいじゃない」と今まで思ってみていた自分へも訓戒としておきたい。久保希望はこんなところで終わるレスラーではないんだから。

第七試合:メインイベント

佐々木 貴&高岩 竜一&●ジ・ウィンガーvs葛西 純&○藤田 ミノル&竹田 誠志
(エビ固め 12分25秒)※サスケだましセグウェイ

UNCHAIN対正規軍。これがもともとのFREEDAMSが核とする対立の構図。
しかし勢い余っていつも通りフリーダムな戦いをおっぱじめた両軍は場外で熱くなり
すぎて両者リングアウトの裁定が・・・

で、殿が「おい!お前ら俺はな小倉で必死に営業してチケットうったんだぞ!これでいいのか!」と怒り心頭。結局再試合になったんだがルールは変わらないのであやうくカウントアウト寸前までいくこともたびたび。

しかし今回バラモンがいないこともあるけど、一試合でもデスマッチやハードコアルールがあったらこの日の大会の空気は台無しになっていただろう。あえて純プロレス(まあじいちゃんの試合はおいといて・・・)で勝負をかけたマッチメークは吉と出たんじゃないかな。

普段アイテム脳のよさが目立つファイターは流血してなんぼと思われがち(まあ葛西や殿も流血はしてたけど^^)なんだが実は基本のプロレスができてないと応用もできないわけでセミの宮本しかりこのメインのメンバーしかり本当にプロレスができる人たちぞろいなんで本当見ていて楽しかったし、激しかったし^^

最後は残念ながら藤田が勝って、殿の苦労は白星配給という結果に。しかも「おい!佐々木貴、こんだけのお客さんを入れてくれて営業ごくろうさん!でもなお前がなぜ負けたかわかるか?それはなガス代も市民税も全部市に収めてる北九州市民の俺がいたからだよ!」と藤田の妙な勝利宣言まで聞かされてはさすがに「じゃ北九州に住んでないと勝てないのか!」
と言い返すのが殿としても精いっぱい・・・・でもこれは藤田の勝ちだね。最近は試合数も増え本当にイキイキしてるし^^

この後の宴もふくめてだけどほんとFREEDAMSは本気で九州定着をしかも小倉という、ある意味今までプロスポーツが根付きにくかった場所で、最初はキャパ1500のところを100しか埋められなくてもめげずに継続開催して本当、三年で三倍のお客を集めるまでになった。これはもっと賞賛されていいと思う。

後記

大会自体は本当大成功といっていいと思うし、どの試合もベストバウトといっていい内容だった。やっぱ積み重ねてだんだん大きくなっていきやがて花開くときを共に迎えられたら、博多進出時からずっと皆勤で観戦してる自分としてはこんなにうれしいことはない。

翌日早朝出発なのにぎりぎりまで宴を盛り上げてくれた選手のみなさん、がむしゃらのみなさんいは本当に感謝します。ありがとう!来年もいい夢をみましょう!

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松江だんだんプロレス主催試合「BATTLE DIMENSION 5」Inスサノオカフェ (2016年3月6日(日)会場/スサノオカフェ特設リング) イントロダクション 松江だんだんプロレスは総合格闘技団体「YAMATO」を母体として派生した






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