[プロレス観戦記] がむしゃらプロレスTOP OF THE SUPER GAMSHARA Jr.2022

がむしゃらプロレス観戦記

がむしゃらプロレス「TOP OF THE SUPER GAMSHARA Jr.2022」

(2022年7月10日・日・門司赤煉瓦プレイス)

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イントロダクション

毎年夏から秋はヘビー級のワンデイトーナメント「GAM1 CLIMAX」が開催されるのだが、今年の夏は4年ぶりにジュニアの祭典になった。

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当初出場予定だったアストロZの欠場というアクシデントはあったが、5人でもどうなるかわからない一発勝負のトーナメント。

ヘビー級同様に暑い夏になるのは間違いないだろう。

下関→門司

行きがけに車がまさかの脱輪となり、仕方なくJAFを呼ぶ。昼間の車内はクソ暑い。

エアコン切れないので、エンジンかけたまま待つ事しばし。時間にしたら30分もかからないのだが、狭い道路を塞ぐ形になり、気持ち的にはあまりよろしくない。

幸い作業はすぐ終わり、その足で赤煉瓦に向かい、入場開始1分前に無事到着。

オープニング

オープニングアクトはSMITH代表が務め、トーナメント参戦選手の入場式へ。

一回戦でリキ・ライタと闘うゲレーロは、優勝してベルトを巻いたら、今回無念の欠場となったアストロZを挑戦者に指名するという。

またMIKIHISAは、同じユニットのドラゴンが巻いていたベルトを、自分が巻くとこちらもいき盛ん。

果たして空位になったベルトの行方はいかに?

第一試合▼Jr.トーナメントAブロック1回戦

○YASU vs ●山内拓也(9分49秒 急所蹴りからの丸め込み)

気が付けばがむしゃらジュニアの大ベテランになっていたYASUと、現OPGジュニア王者の山内が第一試合でいきなり激突!

実力的には申し分のない二人が見せる試合は、激闘必至!

入場式で「刺激をぶち込みにきた」とふてぶてしく言い放った山内に対して、再びgWo時代の「悪巧み」に入場曲を再び変更したYASU。これはいわゆる「ヒールモード」を意味するのか?

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しかし試合はどっちかというと、ジョロキアの山内が、提携先のRe:ZARDをセコンドに、極悪殺法全開でYASUを攻め立てる。

そもそも見た目がベビーなYASUは、やられっぷりのよさとベビーフェイスな見た目から、攻められても絵になるのだが、これは実をいうとYASUの思うつぼ。

実はがむしゃらジュニアの中でもキャリア最年長のYASUは、インサイドワークにもたけている。

このベビーフェイスのふりというのが曲者で、敵セコンドをうまい具合に使って、レフェリーのブラインドをついて、山内に急所攻撃!これがズバリとはまって、YASUがくるっと丸め込んで勝利。

OPGジュニアチャンピオンがまさかの一回戦敗退!YASUのベテランらしい妙義が光った一戦だった。

第二試合▼Jr.トーナメントBブロック1回戦

●トゥルエノ・ゲレーロ vs ○リキ・ライタ(9分44秒)

そもそも普段疲れん程度枠にいるリキ・ライタがこういうトーナメントに出てくるのは、まず稀なこと。

しかし、GAM1でかつてダイナマイト九州が活躍したように、お笑い枠というのは、結構相手の油断を誘えるおいしい位置にいるのだ。

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油断していると、いくらゲレーロでも足元をすくわれかねない。さて勝負の行方は?

当然というべきか、リキはゴングが鳴る前から奇襲攻撃をかけ、ドラゴンスクリューで足を殺して、固め技で勝ちに行こうとした。

ただ、あまりに攻め急いだせいか、あっさりゲレーロに逆転を許してしまう。おかえしに足殺しを決められ、苦悶するリキ。

ならばとスタンドでチョップ合戦に挑む。もともとチョップに関してはいいものをもっているリキだが、背丈の大きなゲレーロの胸元を狙うと、どうしても下から上に打ち上げなければならない。

万事休すかと思われたが、好事魔多し。ゲレーロが勝って当たり前と思われていただけに、丸め込み合戦で一瞬のスキをついて、リキがゲレーロを丸め込んでカウント3つをきいた。

おさまりのつかないゲレーロは、レフェリーにくってかかるが後の祭り。予想を裏切ったリキ・ライタは見事MIKIHISAの待つ準決勝へ進出した。

第三試合▼6人タッグマッチ

KENZO & ダイナマイト九州 & ○陽樹 vs ●パンチ君 & 尾原毅 & くいしんぼう仮面(18分20秒 垂直落下式ブレンバスター)

疲れん程度のメンバーにくいしんぼう仮面が入った6人タッグ。

ここに昨年GWAヘビー級王座を争った現チャンピオン尾原と、前チャンピオンの陽樹が絡むところがポイントともいえるだろう。

とはいえ、くいしんぼう仮面がただおとなしくしているとは思えないので、この異世界観同士のバトルがどう融合していくのか?興味深く見たいと思う。

先発は陽樹と尾原で、当然タイトルをめぐる因縁もあるため、バチバチにやりあう。

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しかし、くいしんぼう仮面がそのままシリアスな展開を許すはずもない。まず陽樹やKENZOと立ち向かうと、難なく吹っ飛ばされ、ロープに引っかかる。

ところが九州が相手になると、途端に上から目線できつい攻撃をいれてくる。

さすがベテランだけあってこの辺の緩急自在さは、見ていて感心するほかなかった。

そして知らず知らずのうちに、試合の流れはくいしんぼう仮面の世界観に支配されていった。

終盤はくいしんぼう仮面の「シャキーン!」ポーズが各選手に波及。ついには陽樹や尾原毅までシャキーンを決め始め、だんだん展開がカオスになっていった。

もうこうなったら試合の結末はどうでもよくなっていた。終わってみれば、まさにくいしんぼう仮面の世界しか残らない内容だった。

第四試合▼Jr.トーナメントBブロック2回戦

○MIKIHISA vs ●リキ・ライタ(7分22秒 片逆エビ固め→ギブアップ)

アストロZ欠場に伴い、Bブロックのみ準決勝が行われた。そしてここでシードのMIKIHISA登場。

勝ったはいいものの、年齢的にもスタミナ的にもリキ・ライタには厳しすぎるトーナメントである。

ゲレーロ戦同様に奇襲からスタートするも、後が続かない。いくらリキが「負けるわけにはいかないんだよ」と気持ちを奮い立たせても身体がついていかない。

加えて容赦なくMIKIHISAの蹴りが四方八方から襲い掛かるのでは、もはや打つ手なし。リング下ですねに仕込んだ凶器も決定打にならなかった。

MIKIHISAにしてみたら、盟友ドラゴン・ウォーリアーが巻いていたベルトを自分が奪るという強い使命感を抱いていたから、ゲレーロとは違う意味で「勝って当たり前」のプレッシャーは感じていたかもしれない。

そういう意味ではMIKIHISAが、初戦突破できたことは、プラスに働いたように私には思えた。

セミファイナル▼6人タッグマッチ

●HAGGAR & サムソン澤田 & 鉄生 vs ○土屋クレイジー & 豪右衛門 & 久保希望(10分16秒 シャイニングウィザード)

Re:ZARDにHAGGARが加わり、片やNASTY OUTSIDERSに土屋クレイジーが加わった6人タッグ。

豪右衛門や久保と組む土屋も魅力的だが、鉄生や澤田とぶつかるというのも魅力的。

そんな中でHAGGARがどれくらい自分の爪痕をのこせるか?

第三試合と違うのは、6人が6人とも真っ向勝負を挑める点で、プロレスの難易度でいえばかなり易しい。

要するに熱い試合が見せられたら、それでいいのだ。その命題にHAGGARがどれくらい応えられるか?で、この試合の成否は決まると言っていい。

試合は、序盤土屋がローンバトルになったが、これを凌ぎ切った土屋が豪右衛門と久保に繋ぎ、今度はHAGGARをターゲットにする。

一進一退の攻防は文字通り熱い試合になったが、熱くなりすぎて豪右衛門と鉄生がヒートアップ。

場外で二人が激しくやり合っている最中、抵抗するHAGGARを土屋がロックオン。

最後は土屋がシャイニングウィザードで、粘るHAGGARを仕留めたが、最後まで豪右衛門と鉄生はおさまりがつかず、もつれあいながら退場。

リングに残された土屋は、久保のYouTubeチャンネルのTシャツを着て「チャンネル登録、高評価お願いします!」と叫んで乱戦を締めた。

メインイベント▼Jr.トーナメント優勝決定戦

●YASUvs○MIKIHISA(10分16秒 片エビ固め)

アストロZ欠場の煽りで、ある程度決勝に行く二人は読めてはいたメインイベント。

がむしゃらのタッグ戦線を沸かしてきた YASUとMIKIHISA。シングルの戴冠歴がないMIKIHISAと、リーグ戦制覇をまだなしえてない YASU。メインを飾るには相応しい2人だからだ。

そして、本当に2人が勝ち上がったことで、お互いが負けらない闘いになったのだ。

しかし、私的にはここ数戦の YASUのコンディションが引っかかっていた。

というのも、見た感じ歳とってるようにみえない YASUも、気がつけばデビュー12年。

キャリアでいえば既にベテランの部類に入る。しかもがむしゃらの他の選手と比べて、ブランクも少なく、今もなお連戦すらこなしている。

そう考えると驚異的な体力ではあるのだが、 YASUの得意分野でもある豪快な受けは、年齢を重ねるに従い諸刃の剣になっていく。

つまり、受けた分のダメージが回復しにくく、それが試合に影響してくるわけだ。

YASUのファイトスタイルは、基本若手時代からそれほど変わらず、そこにヒールテイストが加わっているのだが、それを10年以上も維持していくのは、 YASUといえどもハードルが高いのだ。

そのYASUのセコンドには、セミファイナルで激闘を制したばかりの土屋クレイジーが付き、MIKIHISA側には尾原毅がつく形に。

勢いにのるMIKIHISAは、得意の打撃で YASUを攻めまくる。

それによって、普段なら受け流す YASUの様子がどこかおかしい。明らかに受けたダメージが蓄積しているようにみえた。

しかし、タッグパートナーである土屋も、普段 YASUが受け切るスタイルなのを知り尽くしているせいか、殊更声はかけていない。

信頼している分異変に気づくのが遅れたのかもしれないが、このあたりも明暗を分けたのかもしれない。

試合は、MIKIHISAの変形ファイナルカットのような技で、やや唐突な感じで終わった。

これは長年溜まってきたダメージが回復しないうちに、MIKIHISAの更なる攻撃を食らって、 YASUが返し切れなかったのではないか?と私は推察している。

ともあれ、MIKIHISAはシングル初戴冠。「もうダメか」と思ったこともあったそうだが、念願のジュニアベルトを奪取し、自身初のリーグ戦制覇も成し遂げた。

突出した存在が多かったがむしゃらジュニアは、決して層が厚いわけではない。

むしろここ数年は、ゲレーロと YASUしかいなかった中に、MIKIHISAが割って入った事で、新しい風景を見ることができた。

後記

なぜかヘビー級の逸材は充実しているがむしゃらプロレスで、ジュニア王者MIKIHISAがどんなチャンピオンになっていくのか?

またMIKIHISAがマイクで語ったとおり、ヘビー、ジュニア、6人タッグとNASTY OUTSIDERSがタイトルを独占し始めている中、本当にベルトをコンプリートする可能性も出てきた。

これを受けて秋以降のがむしゃらプロレスがどうなっていくのか、楽しみで仕方ない。

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