プロレス的音楽徒然草 スターウォーズのテーマ
広くプロレスで使用された
今回はカヴァー版も含め、広くプロレス会場や中継で使用された「スターウォーズのテーマ」です。
この記事では、主にオリジナル版とMeco版を中心に取り上げます。
さまざまな種類
オリジナル版は、1980年代前半の新日本プロレスの常連外国人選手だったアドリアン・アドニス選手が使用しました。
厳密にはアドニス選手に使われていたのは、「帝国の逆襲」バージョンです。
一口にスターウォーズのテーマ(メインタイトル)と言っても、さまざまな種類があるわけです。
ニックネームは「暴走狼」
アドリアン・アドニス選手は、AWAとWWFの両世界タッグ王座を獲得するなど、ヒールのトップ選手として活躍しました。
日本では、黒革のライダーズ・ジャケット(革ジャン)が入場時のコスチュームだったため、アメリカの暴走族のイメージから「暴走狼」のニックネームが付けられました。
イメージはあまりない
最も新日本ではタッグ屋のイメージが強く、名パートナーだったディック・マードック選手との入場では、テキサスファイトで入場していたため、私にはスターウォーズのイメージはアドニス選手にはあまりなかったりします。
一方、Meco版スターウォーズのテーマは、新日本では藤波辰巳(現・辰爾)選手の二代目テーマ曲として、全日本ではAWA世界王者のテーマ曲として、またチャンピンカーニバルのテーマ曲としても使用されました。
Mecoの1stアルバム
Mecoとは、米ペンシルベニア州出身のイタリア系プロデューサー、ドメニコ・モナードさんによるディスコ・ユニットです。
スターウォーズのテーマが収録された「スター・ウォーズ~銀河系ファンクの世界」はMecoのファーストアルバムとして、1977年に発売されました。
B級ディスコの最高峰
「スター・ウォーズ~銀河系ファンクの世界」は、「ディスコ」と「スター・ウォーズ」という当時の2大ブームを合体させた力技のアルバムです。
世界が度肝を抜かれた珍盤にして、B級ディスコの最高峰といわれています。
100万枚を突破
1977年5月に映画「スターウォーズ」が公開され、ジョン・ウィリアムスさんの「スター・ウォーズのテーマ」がリリースされHot 100 において10位を記録しています。
しかし、Meco版「スター・ウォーズのテーマ」は、ディスコ・ブームもあって、オリジナルをしのぐヒットとなり、セールスは100万枚を突破しています。
全日本でも
ワールドプロレスリングクラシックスで昔の試合映像をみると、まだジュニア時代の藤波さんが、維新軍結成以前の長州力さんと組んで、Meco版スターウォーズで入場している場面が放送されています。
しかし、特に80年代に入ってから、ジャパンプロレスとの対抗戦で、全日本プロレスがシリーズ名に「〇〇ウォーズ」というタイトルをつけるようになると、そちらでもMecoのスターウォーズがかかるようになりました。
日本語版スターウォーズ
程なくして藤波さんには、新しいテーマ曲として「ドラゴンスープレックス」が起用されたため、Meco版のイメージはあまりないかな、と思っています。
少し余談になりますが、このMeco版スターウォーズを更にカバーしたのが、日本語版「スターウォーズ」のテーマです。
珍盤中の珍盤
あの壮大なスターウォーズのテーマに、キテレツな日本語歌詞が載せられ、数々のアニメソングを世に残している子門真人さんが力強く歌い上げる本作は、まさに珍盤中の珍盤となっています。
ちなみに、作詞は「君は1000%」などのヒット曲をもつ作詞家の有川正沙子さんです。
プレミア価格が
この歌詞に関してルーカス・フィルム社からクレームが付き、回収を余儀なくされたといわれています。
そうした事実もあってか、アナログ盤シングルレコードは、現在プレミア価格が付いています。
B面におさめられている
迷曲・日本語版スターウォーズは、私が知る限り、さすがに入場テーマ曲にはされていないのですが、このB面に収められているのが、あのNWA世界王者のテーマ曲「ギャラクシーエキスプレス」なのです。
こちらは、1999年9月に発売された「格闘音楽大全 プロレスQ3D」に収録されるまで、先般のような理由により、再発売が出来ず、非常に入手困難な一曲でした。
CDも入手困難
なお、A面の日本語版スターウォーズも1999年に発売された「テクノ歌謡 ポリドール編 ハートブレイク太陽族」のCDに収録され、デジダル化されました。
しかし、やはりクレームが入ったようで、現在ではCDもなかなか入手困難になっています。
カラオケでも
更にどうでもいい情報ですが、「スターウォーズ 子門真人」で検索すると、なんとこの珍奇な歌が、JOYSOUNDに入っていることが判明しました。
コロナ禍のご時世柄、カラオケには行きにくいかもしれませんが、世の中が少しずつ元通りになってから、ぜひ歌いにいかれてみてください(笑)