200%元気になれる?老害プヲタ・プロレス“ザ・モンスター”ハラダの発想の転換のすすめ#54 生き様とプロレス
歩んできた物語
今回は生き様とプロレスのお話です。
生き様というと、表現が大袈裟かもしれませんが、ある種その選手が歩んできた物語、あるいは、新人選手ならこれから見せてくれるであろう物語が浮かびやすいと、感情移入しやすいのではないでしょうか?
プロレス=生き様
私はプロレスとは生き様をみせるもの、でもあると思っています。
単純に身体能力が優れているだけ、単純に強いだけ、では物語性に欠けているため、私は思い入れをもちにくいんですよね。
バックボーンの物語
多分観ている側は、私を含めて、バックボーンにある選手や団体の「物語」に共感する事が多いように思います。
こと「物語」という事になると、歩んできた歴史が長いほど、色々な生き様をリングで描けますので、ベテランが有利であるともいえます。
新人が見せる未来
しかし、冒頭でもいいましたように、新人選手なら、未来を見せられます。これから歩む道を、ただひたすら愚直にみせるのも、また生き様ではないでしょうか?
生き様は、何も選手や団体だけの特権ではありません。観ている側も、己の生き様をプロレスとして語ることができます。
生き様は雄弁な物語
たとえ、リングに上がらなくても、生き様は雄弁な物語になります。その表現方法を模索して伝えれば、それはエンターテインメントになりえるし、その可能性は高いと思っています。
私は、悪性リンパ腫になったことを公表しています。これは別に「かわいそうな私を慰めてね」というわけではなく、私の生き様を、エンタメ化してプロレスにしたい、と考えているからこそ、公表したわけです。
あけすけに話すだけでは
もちろん、同じ境遇にいらっしゃる方々の中には、「同情されたくない」という思いを持たれている方もおられるかとは思います。
それは個人の自由だし、全ての人があけすけに曝け出せば、生き様を描ける、とはさすがに私も思ってはいません。
困難に立ち向かう
しかし、敢えて公表しないのもまた生き様だし、わざわざ公表するのもまた生き様です。それぞれにはドラマがあり、困難に立ち向かう点では共通しているはずです。
「諦めなければ、道は開ける」と簡単にはいいたくないですね。多分これから私自身に降りかかる艱難辛苦は、想像を超えてくるでしょう。
病と闘う猪木さん
しかし、それさえも乗り切れば、歩んできた道こそがプロレスではないでしょうか?
「道」といえば、燃える闘魂・アントニオ猪木さんもまた、病と闘われている方の1人です。
一時期、入院中にアップされた動画では、かなりげっそりと痩せられ「燃える闘魂もここまでか?」と多くの人が思ったことでしょう。しかし、そこから猪木さんは不死鳥のごとく復活しました。
普通はためらう
今では、かつての弟子だった長州さんや藤波さん、藤原組長らとYouTubeで対談するまでになっています。
「元気」を売りにしている猪木さんですから、己のイメージを守るためなら、ああいう動画を公開することを普通はためらうでしょう。
より劇的になった復活
でも猪木さんはあえて、現状をさらけ出すことを選択しました。それで、世間に衝撃を与えましたが、その後の復活劇がより劇的にもなりました。
ここまでの流れを、猪木さんが全て計算してやっていたとは思えないんですが、結果的に全てが「プロレス」になっていました。
生き様を魅せる
これこそが「生き様を魅せる」=「プロレス」なんですね。
2021年のG1クライマックスでエキシビションマッチながら「復活」した柴田勝頼選手もしかり。
生き様をリングで、日常で描き出し、さらけ出す。その姿に私たちファンは酔いしれるわけですね。