[プロレスブログ] プロレス的発想の転換のすすめ(29) 物語の力を磨く

プロレス的発想の転換のすすめ(29) 物語の力を磨く

物語が持つ重要性

近年、カウンセリングやコーチング、あるいはビジネスの現場においても「物語(ストーリー)」というものが重要視されています。

要するに、問題が発生した際や目標を達成していく過程で、原因や結果だけを追及するのではなく、「どのような経緯でそうなっていったのか(なっていくのか)」というプロセスに注目するのです。

それを「物語」と呼びます。物語を作り出すのは、多くの場合「人間」です。

人間が作り出したストーリーには、概ね人間が登場します。架空の人物であっても、彼らは心を持っています。心を持った作家が、心のある人物を描く。

これと同様に、「目標達成のためには、どのようなストーリーを描けば望むゴールに辿り着けるのか?」あるいは「問題解決のために、自分はどのようなストーリーを描いていたのか?」を明らかにしていくのです。

プロレスという教材

そのためには、普段から「引き出し」を増やすべく、物語性のある本などに触れることが、カウンセリングやコーチングを上達させる鍵となります。

さて、物語を学ぶなら本や映画も良いですが、私としては「プロレス」もお勧めしたいところです。

何と言ってもプロレスには、予定調和とそうでない部分の境界線が極めて曖昧な魅力があります。

確かに物語を作っているのは人間ですが、しばしばプロレスのストーリーは、観客だけでなく選手や関係者すら予測不能なほど、振り切った展開を見せることがあります。

プロレスの試合とは直接関係ありませんが、かつて長州力選手が新日本プロレスから独立し、「WJプロレス」という団体を旗揚げしたことがありました。

理想と現実の乖離

大口のスポンサーがつき、長州選手に賛同して何人かの選手が新日本を離脱しました。Wikipediaによると、以下の通りです。

 「長州のタニマチである北海道を中心に活動する企業家・福田政二氏の協力が得られることとなり、2002年11月にファイティング・オブ・ワールド・ジャパン(以下、WJプロレス)を設立。福田氏が代表取締役社長、永島氏が専務取締役、長州氏が取締役に就任した(中略)。旗揚げ興行前から、2億円の資本金、道場の開設、巡業バスや社長専用車の購入、著名人を招いての忘年会などが話題となった。また所属選手の確保についても、前年10月に新日本プロレス退団を表明していた佐々木健介やプロレスリング・ノアの大森隆男らを引き抜いたほか、インディー団体のレスラーを対象に入団者を募り、旗揚げの体制を整えた。長州はWJプロレス旗揚げに当たって、マスコミを通じて『プロレス界のど真ん中を行く』と発言していた。」

では、WJは果たして「ど真ん中」に行けたのでしょうか。

その答えは歴史が証明しています。「ど真ん中」にいるはずなのに、ある意味「パーティ券」よりもチケットが捌きづらいという伝説を残し、潤沢だったはずの資金を巡って選手同士が揉め、団体は空中分解しました。

プロレス界では、先に資金が豊富に用意されると分裂が避けられないのでしょうか。かつてメガネスーパーがバックについて旗揚げし、見事に空中分解した「SWS」の教訓も生かせず、WJプロレスは消滅してしまいました。

失敗から学ぶ物語

旗揚げ前、ファンはもとより、関係各位は理想に燃えていたのかもしれません。

しかし、現実に描かれたストーリーは、かくも無残なものだったわけです。WJの例を引くまでもなく、こうした物語に接して自分の引き出しを増やすことは、学術書を読むよりずっと有益で勉強になります。

そして見渡してみれば、私たちの周りには物語が溢れています。プロレス、アニメ、マンガ、映画はもちろん、失敗だらけの私自身の人生体験すら……その全てが物語なのです。

それらの物語にコミットし、自分のリソースを見直して研ぎ澄ますだけで、人とは一味も二味も異なる引き出しを増やせます。

「好きなことをするだけで練習や勉強になるなんて、そんなうまい話があるわけない」と思われる方も多いでしょう。しかし、勉強とは本来、楽しんでやるものなのです。

原体験として「楽しくないこと」が多すぎると、にわかには受け入れがたいかもしれませんが、これもまた一つの真実です。そう考えると、私もかつて死にたいくらいに辛かった出来事も、今なら不思議と受け入れられるような気がしてなりません。

人生を俯瞰する手法

物語の引き出しを増やす第一歩は、自分自身の体験を「客観的なストーリー」として眺めてみることです。以下のステップで、あなたの過去をリソース(資源)に変えてみましょう。

人生をチャプター化する これまでの人生で起きた大きな出来事(成功も失敗も含めて)を、物語のチャプターのように箇条書きにします。 例:「情熱の旗揚げ期(就職)」「暗黒の空中分解期(挫折・退職)」「ど真ん中への再挑戦(現在)」

配役を抽象化する あなたを苦しめた人や、助けてくれた人を実名ではなく「役割」で呼んでみます。 「厳しい試練を与える門番」「迷った時に現れる賢者」「共に戦う不器用な仲間」 こうすることで、当時の感情に飲み込まれず、出来事を俯瞰して見ることができます。

伏線回収を探す 「あの時のあの失敗があったから、今のこの視点が持てている」というつながり(伏線回収)を探します。

新たなページへ

WJプロレスの失敗が「物語の重要性」を教えてくれたように、あなたの辛かった経験が、未来の誰かを救う「教訓」という名の伏線になっていないかを考えてみてください。

自分の人生を「悲劇」として終わらせるか、次の章への「壮大な前振り」にするかは、今のあなたの描き方次第です。物語を楽しむ心を持って、今日から新しいページを書き進めていきましょう。

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