プロレス想い出コラム~週刊プロレスが取り持った奇妙なご縁③
[前回までのあらすじ]
前職コンビニの責任者をしていた私は、某選手のお母さまとひょんなことで知り合いになりました。そこで週プロの取り置きを依頼されるのですが・・・・
今回も多分に個人情報が含まれますので、選手名等は伏せ字にいたしますし、特定できないようにぼかして書くつもりです。また、ブログに記録しているのも、私がいつ朽ち果ててもいいように、私の体験や考えを遺しておきたいからです。それ以上の深い意味はありません。ご了承ください。
プロレスファンの横の繋がり
さて、某選手は当時、主に東京で試合をしていたのですが、その大会は東京ローカルでテレビ中継されていました。まだDVDも出るか出ないかという頃でしたから、地方局ではネット中継をされない限り、当然放送はされなわけです。
お母さまはしきりに「試合が見たい」とおっしゃるのですが、こればかりはどうにもなりません。
ダメ元で・・・
しかしながら、プロレスファンの横のつながりがあった私は、関東の友達にダメもとで掛け合ってみることにしました。当時、お互いに仕事にもついていましたし、録画環境もわかりませんから、あくまで「ダメ元」だったのです。幸い、つてを頼って中継の録画は無事成功することができ、テープをおくってもらうことができました。
実をいうと、私は当時VHSのデッキを持っていなかったため、この放送を観てはいないのですが、テープは開封しないまま、お渡しすることにしました。ところが、このころから、お母さまの体調がすぐれなくなったらしく、お店に来られることも少なくなっていました。
いただいたお礼
そこで、勝手ながら入院先の病院へ行って、受付に事情を説明して、テープを渡していただけるようにお願いしてきました。あとで、聞いた話ですが、お母さまはたいそう喜んでいただいたそうです。個人的には、なんかすごくうれしかったですね。
しばらくしてクリスマス時期に、お礼といってお母さまから私にクリスマスケーキが届きました。実をいうとコンビニというのは当時からノルマがあって、ケーキもその中にありました。もともと甘いものはそんなに好きではなかったので、ノルマ分と含めても結構な量のケーキが余ってしまったのです。
いつしか一冊に・・・
とはいえ、さすがにいただいたものを食べないわけにはいかず、いただいたケーキは食べて、ノルマ分は近所に配りました。
某選手の団体の中継は不定期で続いていましたが、やがて終了することになって、その分のビデオまではお届けした記憶があります。
お母さまはこの時期にはもうお店には来られていませんでした。週プロも一冊は返本していたので、いつしか私の分、一冊のみの入荷になっていきました。
印象深い出来事
後日、病院の方が見えられて。某選手のサイン色紙をいただきました。友人の分は友人に送って、自分の分は今でも大切に持っています。今でも思うのですが、本当にあれは現実だったのかなあと思うこともあります。
やがて前職場は閉店することになり、私は解雇され無職になりました。
唯一度の不思議なご縁
ここで完全にご縁は切れてしまったのですが、貴重な体験として今でも記憶にしっかり残っています。今に至るまでこのような不思議なご縁はこれ一度きりですね。プロレスと長く付き合っていると、時たま不思議なことがおこるものです。
とはいえ、プロレスに限らず、絶対ということはないと思います。もしかすると、生きている限りまた印象深い出来事に巡り合うかもしれませんね。