ゼロワン若松イオン大会観戦記(15.4.11土・若松イオン)
4月11日は北部九州でも興業がバッティングFTOとDDTはもろ被りだし、時差はあるけど同じ北九州でゼロワンもイベント試合。ということで私がある程度楽にいける範囲ということで、ゼロワンとDDTの二択にした。ゼロワンは前日近くの遠賀で超花火をやり、その流れでイオンに大仁田が降臨することになっていた。正直イオンに邪道というありえない組み合わせが、電流爆破より興味深くなって、遠賀はキャンセルして11日に照準を絞った。
毎年春秋にきているイオンプロレスも前回たまたま行けたこともあり、味をしめて今回もいってみた。
最初はプロレス教室からはじまり、いつもの大谷先生と横山、あと練習生が一名入って三人での授業となった。毎回リングにあがる子どもたちが増えていることもあり、安全配慮ということでは十分気をつけている感じはした。この時はまさかあとでとんでもないことが起こるとは想像もしていなかったのだが。
で、これまた恒例のジャンケン大会。ゼロワンカレンダーは外したが、なんとオッキーが無茶振りして大仁田プロレスのパンフも景品に!そして珍しく第二ラウンドで勝ち上がってしまった!大谷から大仁田のパンフを受け取るという貴重な体験をさせていただいた。当然試合後にはサインもいただいた!
第一試合×小幡雄作対○崔領二
第一試合からイケメン対あいのりレスラーという煽りでオッキーが実況していたが、なぜかイケメンのはずの小幡が不気味なオーバーマスクで怪奇派みたい。一方の崔はなぜかウルトラマンのオーバーマスク。しかもプロレス用でなく、リアルなバージョンのマスクで、なんとコールされてそのまま試合しようとした。
さすがに呼吸できないだろうと思ったが、やはり流れで外して素顔に。ところがなぜか牙の生えたマウスピースでしかも攻める技がキャメルクラッチにかみつきにクローといった古典的アメリカンスタイルな技で小幡を攻める。崔ってこんな選手だったっけ?勿論今までどおりのキックを繰り出すなどはしていたが、大半はクラシカルな攻めに終始していた。
一方の小幡は若手らしいハツラツしたファイトが印象に残ったが、それだけになんであの出で立ちで入場してきたのか意味がわからなかった。イベントプロレスなんで、はじめて見る人にも小幡というレスラーをわかってもらうためにあの演出必要か?と思った。
試合はいいとこまで小幡がせめて、崔を追い詰める場面もありながら、最後は自力の差で崔の勝ち。まあ、イベントプロレスの第一試合としては及第点かな。
第二試合
○大仁田厚&田中将斗 対 大谷晋二郎&×横山佳和
入場は大仁田が先。やはりイオン名物エスカレーターで登場してくる邪道は違和感十分。ある意味アウェイな感じの中で、大仁田らしさは決して崩さない。田中将斗も今やトップレスラーなんだけど、大仁田といるとやはり師匠を立てる形になるみたい。
試合は横山対大仁田の先発。やはり膝の悪い大仁田は殴る蹴るが主流になるが、実況のオッキーは連続パンチがでると「師匠テリーファンクを彷彿とさせます」とクラシカルな名前を出してくる。テリーの名前出して喜ぶのは、私くらいの年齢じゃないと。この日いた親世代の人たちにも何のことやら、という感じにみえた。
そして大谷がはやってでてくると大仁田はすかすように田中にチェンジ。このあたりのタイミングの外し方はさすがレジェンド。ちなみに全選手の中で唯一吹き抜けの二階からみている客層を意識していたのも大仁田だけだった。動けないなら動けないなりのプロレスをする。このあたりの知恵の周り具合はハンパない。
しかし田中と大谷も勝手知ったる相手通し、やはりこの二人ならではの遠慮ない全力ファイトが清々しい。
普段は割と自由に振る舞う大仁田がやはり店舗内ということもあるのか、やたら周囲に優しいプロレスを繰り広げていたのも印象的だった。凶器はリング内でしか使わないし、お約束のエスカレーターコブラツイスト合戦にも応じ、当然火も出さない。場外戦すら人がいないとこを選んでいたし、なるべく殴る、蹴る、ダブルアームスープレックスやパイルドライバーまでやっていた。ただここまでやりながら、凶器にした机の破片がリングサイドのお客にあたるハプニングが発生!これは大仁田もお客も責められない。実際目の当たりにしてアクシデントとしかいいようがなかったし。
幸い大事には至らなかったそうだが、救急車来たり、イオンの責任者が血相変えてセコンドに詰め寄ったり試合中なのに不穏なムード…
そんな中なんとか横山を捕まえて強引に試合を終わらせた大仁田もラストは浮かない顔。マイクもいつもの「オイ!オイ!オイ!」ではなく、「すいません」から入る出だしで大谷との出会いから、自分が参議院議員やって首になった話や、中卒から明治大学受かって大卒になってコンプレックスを払拭した話など、ファンなら知っている事実だけど、初めてプロレスみる人に噛み砕くように語りかけていた。
多分あたったことはリング内にいた全員が気付いていたんだろうなあと思う。角度的にアクシデントがあっても見えなかった方もいるので、中断せず試合を続けたのは最良の選択だった。しかし、後味が悪いのは事実だろう。アクシデントはアクシデントなんだけど、事故は事故だし。
万が一被害にあわれた方にケガがあったらこの文章自体書けない話になるところだったけど、大事がなかったという話をきいて私もホッとした。イオンサイドとしてはたまったもんではないから、多分継続開催は厳しいだろうなあ。まあ、どうなるかはわからないけど。
帰り道救急隊員とすれ違う形で外に出たので気にはなっていたが、無事が確認できて本当に安堵した。プロレスってやはりライブだからこういうこともおこりうるんだなあ、と改めて思い知らされた。
しかし前日の遠賀では北九Zの谷口が試合中に骨折し、続いてイオンのアクシデント…ゼロワンついてないなあ。8年かけて築いてきたいじめ撲滅チャリティーの信用が一瞬で崩れ去る様をみては、やはり楽しかったでは締められない。実際陰鬱な気分でイオンをあとにしたし、そのあとDDTがなかったら1日ダウナーで過ごすところだった。これで当分ゼロワンも大仁田も見納めかと思うととてもやるせないのだが…