eyan PRESENTS大分プロレスTHE FINAL~ジ・アッチィー&ケンドー釜山 引退試合~
(2017年7月23日(日) 会場/ 別府ビーコンプラザ・コンベンションホール)
イントロダクション
別府には何回か行ったことはあるのだが、プロレス観戦でははじめていく。ビーコンプラザは正直新日本プロレス以外は、どこもやらないとおもっていたので、解散興行とはいえ、大分プロレスも随分思い切ったことをしたものである。
そもそも大分にはプロレス団体がふたつもあって、それぞれがシノギをけずってきた。まあ、分裂の大元は大分プロレスなんだけど、その大分プロレスの歴史が本日で終わるというのはある種感慨深い。
炎!修一の引退に伴い、所属選手の激減、九州プロレスの力を借りないと自力興行も打てない最近の現状では解散もやむなしだが、正直大分まで出向いてまで試合が観たいという魅力は、私的には大分プロレスにもFTOにもないというのが正直なところ。
オープニング
FTOは華☆激などを観に行けばみられるし、大分プロレスにいたっては団体としての体力がない。これではやはり高い交通費かけて観に行こうとは思えないのだ。
まあ、解散興行だし、がむしゃらプロレスでるし、という理由がなければ大分プロレスを観に行くことはなかっただろうなあ。
改めて会場につくと、やはりビーコンプラザはでかい!そして地元のTVクルーがたくさんいる!(ついでにサムライも来ていた)。でも一番びっくりしたのはこの花輪だった。解散をお祝いするとは・・・・(苦笑)
▼第1試合 がむしゃらプロレス提供試合 シングルマッチ15分1本勝負
〇トゥルエノ・ゲレーロ VS ×美原輔
現・GWAJr.ベビー級チャンピオンに対するは、急成長をみせる有望株にして、GAM1初出場を直訴して、30日に出陣する美原輔。
戦績でいえば5月にタッグで一勝をあげたに過ぎない彼がなぜここまでチャンスに恵まれるのか?大分プロレスの参戦もとあるプロ選手の推薦があったという。
今の美原輔には戦績だけでは判断できない「魅力」がある。これがプロレスの奥深いところで、単純に強ければいいというわけではない。
試合は15分ということもあるし、オープニングバウトらしい試合運びに終始していた。ただ、美原はまだ増量→身体を絞る中途の段階で、今のコンディションにあわせた動きがとれていない感じが私にはした。
あと、広いビーコンプラザはやはり赤煉瓦とは勝手が違う。声援が拡散する分、やりにくさはあったに違いない。
結局ドロップキック以外の空中戦はなく、ゲレーロがキャメルクラッチで美原を仕留めた。
▼第2試合タッグマッチ30分1本勝負
〇つぼ原人&めんたい☆キッド VS× 怨霊&田中純二
このメンツの中に懐かしい顔が。怨霊には本当は九州プロレスより華☆激メンバーと絡んでほしいのだが、大分プロレスの交友関係から考えると致し方ない。
まあ、プロレス頭があるつぼ原人もいるし、おかしな試合にはならないだろう。
試合はやはり怨霊ワールド全開で、そるに絶妙な形でつぼ原人が絡んでいく。めんたいや純二はどこかよそ行きな試合をしていた。
まあ、今はつぼ原人も大分プロレス所属だし、最後の大会だからというのはあるだろうけど、タッグマッチで一人一人入場してくるのは正直だれた。
▼第3試合女子プロレス シングルマッチ30分1本勝負
〇桜花由美 VS ×日向小陽
真琴の欠場に伴いカードが変更になった。地方では絶大な人気をほこる小春の対戦相手はWAVEの桜花由美。アクトレス時代は箸にも棒にもかからない選手だったが、まさかここまで息の長い選手になろうとは。
つい最近本人のインタビューを読んでみたが、なかなか紆余曲折があったらしい。決して上手い選手ではないけど、個人的に頑張っている桜花は、応援したくなる選手ではある。
試合は予想通り日向小陽が試合の八割を作り、合間合間に桜花がビッグブーツを放つという、まあありきたりな展開。
しかし、大柄な選手を苦にしない日向小陽の動きには大声援がおくられていた。地方大会に頻繁に顔を出すだけに、認知度でいえば、桜花由美より日向小陽の方が圧倒的に高いのだ。
むかしならあたふたしていたであろう桜花もだいぶん落ち着いた試合をしていた。多分相手が小陽という安心感もあるのだろう。
やはり女子プロはもっと積極的に地方にでるべきだろうなあ。難しいだろうけど。
▼第4試合ケンドー釜山引退試合 シングルマッチ 30分1本勝負
×ケンドー釜山 VS 〇ケンドー・カシン
時代が時代ならここにケンドーナガサキも混ぜて、トリプルケンドーマッチにしてほしいくらいだが、現在のナガサキの体調では正直難しいだろう。
しかし、自分の引退試合の相手をよりによって何をするかわからないカシンにするあたり、釜山も大概だなとは思うのだが、せっかくの引退試合だし、おもいのこすことのないようにしてもらいたい。
あおりVでは「俺が本当のケンドーだ!」といきがっていたが、果たしてどうなるか?
ケンドー釜山は、自分の入場テーマを「釜山港にかえれ」(のアレンジバージョン)にしているのだが、対するカシンは自らのテーマ曲の冒頭にオリジナルの「釜山港に帰れ」を足してきた。このあたりのセンスは衰えがない。
試合はやはりカシンワールド。序盤こそ釜山がわけのわからない行動でカシンをケムに巻こうとしていたが、いざ組みああうともはやカシンのアリ地獄からは逃れられない。
割とあっさり目に腕ひしぎが決まり、釜山のギブアップ負け。試合後珍しくマイクをもったカシンは「釜山、おつかれさん」とだけ言い残して去っていった。
試合後、カシンに感謝の念を伝えた釜山は、自分の子どもたちをリングにあげて、共にテンカウントのゴングをきいた。
▼セミファイナルタッグマッチ 60分1本勝負
金本浩二&〇田中稔 VS 藤田ミノル&×ビリーケン・キッド
ジュニスタ見るの何年ぶりだろう?しかも対戦相手にカタカナのミノルがいるのも珍しい。
通常九州プロレスでは本隊に味方するビリーが玄武會の藤田ミノルとタッグを組むのもかなりレアケース。まあ、九州プロレスの相関関係なんて、九州プロレスの中だけの話だし、実質フリーランスの2人が組む分は問題なかろう。
試合前、「熱き心に」が流れ、熱唱しながら往年のコスチュームで炎!修一が登場。セミとメインのスペシャルレフェリーをつとめることがアナウンスされた。
試合はゆるい地方大会ムードの試合。なぜかビリーと田中稔が交互にリングサイドの女性客?に抱きつくムーブを延々とやっていて、見ていて飽きてきた。金本もピリピリした感じではなく、なんとなく締まらないまま、試合時間は20分超え。さすがに疲れがでてきて、眠くなってきた。
個人的な希望をいえば、本当は負けず嫌いな藤田ミノルと金本にバチバチやり合って欲しかったのだが、あまりそういう場面は観られず。何か末期のハッスルみたいなどよーんとしたセミファイナルだった。
▼ メインイベント:ジ・アッチィー引退試合 タッグマッチ 時間無制限1本勝負
×ジ・アッチィー&阿蘇山 VS 〇藤原喜明&船木誠勝
アッチィーを私がはじめてみたのは、彼がまだアマチュア時代に素顔でやっていた時。忘れもしないキングダムエルガイツのアマチュアバウトに出場していたのが最初。そこからいきなりふる里プロレス小倉大会に飛んで、3回目の観戦が引退試合という。
しかも対戦相手は元祖藤原組コンビときている。UWFの経緯をリアルタイムで体感してきた私にしたら、よもや平成も終わろうかというこの時代に組長と船木のタッグが見られようとは!何という感慨深い組み合わせだろう。
九州では大ベテランの位置にいる阿蘇山にしても自分がファンとしてみていた組長や船木と闘える喜びはきっとあるに違いない。
とはいえこの試合の主役はやはりアッチィーである。そこは往年の藤原組コンビも熟知していて、序盤から組長が動き回る。阿蘇山を頭突きで悶絶させ、アッチィーには、船木とダブルのアキレス腱固めを決めるなど、随所で憎々しいまでの強さを発揮。
自然発生的におこるアッチィーコールは、正直組長的にはしてやったりだっただろう。アッチィーも船木にキック勝負を挑むなど、積極果敢に攻めていくが、レジェンド師弟コンビの壁は想像以上に厚かった。最後は力尽きたアッチィーがギブアップ負け。
試合後、引退セレモニーと解散セレモニーが行われ、大分プロレスOBや所縁の人物らがリングにあがる。やはり24年の歴史は伊達ではない。アマチュアから駆け上がり、大分でプロレスを根付かせた功績はたたえられて然るべきだろう。
気がつけば、広い広いビーコンプラザが超満員!団体創世記はタダなのに、20人も入らなかったということをおもうと、2度目にしてファイナルのビーコンプラザ大会で2000人超の観客動員ができたのは大満足だっただだろう。
最後にアッチィーがスタッフを紹介し、「蒲田行進曲」が流れる中、カーテンコールのように四方にお辞儀をして、大会は閉幕。
いや、よい大会でした。雰囲気もいいいし、ビッグマッチなのにアットホームな感じがして、惜しい気持ちもあったけど、いいものが見られたと思う。長い間お疲れさまでした。