[プロレス用語辞典](マ行) モンスター
怪物
今回のプロレス用語辞典は、モンスターです。
モンスター(monster)は、怪物・魔獣・魔物の事を指します。
良い意味では使われない
モンスターは、一般的に基本的には良い意味で使うことは少ない言葉になります。 ベースにある感覚は「醜悪」「奇怪」なイメージが元になっています。
モンスターは、通常人物には使わない方が無難な言葉です。 しかし、プロレス界では比較的よく使われている表現です。
プロレス界の事例
例えば、アンドレ・ザ・ジャイアント選手の旧リングネームは「モンスター・ロシモフ」でした。
また、クラッシャー・バンバン・ビガロ選手を輩出したプロレスラー養成所の名前は「モンスター・ファクトリー」といいます。
枚挙にいとまない
ほかにも全日本女子に来日していた「モンスター・リッパー」選手や、異種格闘技戦に登場したモンスターマン選手もそうです。
あるいは「ハッスル」に登場した「高田モンスター軍」など、プロレス界では枚挙にいとまないわけです。
不気味な大きさ
プロレス界におけるモンスターは主に「巨大さ」「不気味な大きさ」のイメージがベースになる表現だと思います。
ですから決して「偉大」といった肯定的な表現ではないのです。
センシティブ?
そのせいかどうかはわかりませんが、SNSのfacebookでは、モンスター(カタカナ、英語表記共々)が登録できなくなっています。
私は自分のハンドルネームにもモンスターと入れていますが、意外とセンシティブな表現なのかもしれません。
もともとはラテン語
とはいえ、プロレス界に限らず、他スポーツ、映像表現、果ては商品名にいたるまで、モンスターは幅広く使われているのも事実です。
モンスターの語源は、「monstrum(モンストゥルム)」というラテン語なんだそうです。
正体不明
「monstrum」は、ラテン語でもやはり「正体は分からないけれども、存在を感じることができる出来事やもの」という意味になるそうです。
この「正体不明」から感じられる恐怖というのは、プロレスとは本来親和性が高い表現なんですよね。
グレーゾーンの排除
しかし、最近の流れではプロレスも白黒がはっきりつくし、従来プロレスにあったグレーゾーンがどんどん排除される傾向にあると私は感じています。
従来プロレスは、疑わしさを孕みつつも、真剣勝負だとして提供されてきました。
暴露本は
それに対してファンは、「おかしな部分もあるが、大方は真剣勝負なのだろう」「演出されたものなのだろうが、それはそれで楽しめればいい」などそれぞれの見方で楽しんできたのです。
近年、そのグレーゾーンを破壊してしまう存在が暴露本の出版だと思います。
ネタバラシ
要するにマジシャンの側が手品のネタバラシを、頼みもしないのに勝手にしてしまうようなもんです。
暴露本は、せっかく出されたものを楽しもうとしている側からすると、ありがた迷惑でしかありません。
下品で不愉快
はっきり言って下品ですし、その尻馬に乗っかって裏側暴きにやっきになる人も不愉快です。
なんでもかんでも答えを求め、本当か嘘かの二元論で語ると、本来あるはずの魅力まで失ってしまうでしょう。
そんな時代がきてしまった時、プロレス界にモンスターの居場所は、果たして残っているのでしょうか?