プロレス的音楽徒然草 pagliacci(レオン・カパロのパリアッチ)
バックランドストレート以前
本日は2018年4月に久々の来日が決定した、ニューヨークの帝王、ボブ・バックランド選手こと、ボブさんの入場テーマ曲、「pagliacci」をご紹介します。
ボブさんの入場テーマといえば、オリジナル曲の「バックランド・ストレート」がつとに有名ですが、実はそれ以前に使われていたのがpagliacciなのです。
メイナード・ファーガソン
演奏しているのは、マスクド・スーパースターのテーマ曲に使用された「ザ・フライ」や、新日本時代のハルク・ホーガンのテーマ曲になった「宇宙空母ギャラクティカのテーマ」なども手掛けている、名トランペッターのメイナード・ファーガソンです。
考えてみれば、WWFの一時代を築いたスーパースターであるボブさんとホーガンが共に新日本時代、ファーガソンの曲を入場テーマ曲にしていたのは興味深い事実ですね。
ファーガソンとの相性
おそらく、当時選曲を担当されていたワールドプロレスリングの担当者の方の趣味かもしれませんが、ファーガソンの楽曲はこの時代、多くのプロレスラー、格闘家などのテーマに流用されています。
さて、pagliacciは、1978年に発表された「オーバー・ファーガソン」というアルバムに収録されています。
実はダークな作品
pagliacciとは、レオンカバロが,1892年に自作のイタリア語台本に作曲した2幕の歌劇のことで、日本語の題名は「道化師」といいます。
道化師というわりに内容はかなりダークな作品のようで、原作の意味合いから考えると、ニューヨークの太陽と言われたボブさんのイメージからは遠い感じがします。
少し切ない
しかしながら、私が感じるに、ファーガソンのpagliacciはどちらかといえば悲劇というより勇壮で少し切ない気がします。
楽曲のイメージとしてはひたすら勇壮なギャラクティカがホーガンにぴったりなように、pagliacciはやはりボブ・バックランドにふさわしいと私は思っていますから、まさにこの組み合わせはベストマッチと言ってよいでしょう。
ボブさんとの想い出
残念ながら私はホーガンとは接触した機会がないのですが、ボブさんとは約20年前にたまたま博多スターレーンで出待ちしていた際に、サインと握手をしていただいた想い出があります。
普通プロレスラーでも握手はソフトな感じにしてくださるんですが、ボブさんは私の手を握りつぶさんばかりにガッチリ握手してくださいました。もちろん悪意ではなく、満面のボブ・スマイルで。
正直痛かった
ぶっちゃけ正直痛かったのですが(笑)、その痛みも含めて非常に印象深い出来事として記憶に残っています。20年たった今でもあの時のことは鮮烈に覚えてますね。
いずれにせよ、かつては世界三大タイトルと呼ばれていたNWA・AWA・WWFのうちのひとつを長年にわたって保持し、日本のみならず、アメリカでも「レジェンド」として一目置かれる方にお会いできたのは、僥倖というほかはありません。
永遠のボブスマイル
2018年春にボブさんが久々に来日すると聞いて、昭和プロレスファンの血が騒いだのですが、残念ながらツアーは大阪と東京のみということで、行きたいのはやまやまながら、今回は断念せざるをえません。
当然入場テーマ曲はバックランドストレートになるはずでしょうから、多分pagliacciの出番もないでしょうね。それくらい「バックランド。ストレート」のイメージは昭和プロレスファンにも浸透してますし、私も異論はありません。
ボブスマイルは永遠
ただ、ボブさんのテーマ曲は一曲ではなかったという事実を今回は知っていただきたかったのです。
いずれにせよ、ニューヨークの太陽が再び来日するという報に関しては、私も久々にワクワクしましたし、歳はとってもあのバックランドウォークとボブ・スマイルが健在ならばそれでいいかな、と思っています。
ボブさん、いつまでもお元気で!