プロレス的音楽徒然草 BATTERY
タイトルは、野球用語から
今回は2017年チャンピオンカーニバル優勝記念として、石川修司選手の入場テーマ曲、メタリカのBATTERYをご紹介します。石川修司選手は、DDT系列のユニオンプロレスを経て、現在フリーで活躍するプロレスラーです。小型化が進むプロレス界にあって2メートルを越す巨体はそれだけで強力な個性であり、武器になります。
BATTERYはメタリカが1986年にリリースしたサードアルバム「KILL ‘EM ALL」の一曲目に収められています。タイトルのBATTERYとは、野球用語から来ており、バンドを過小評価する評論家などへの怒りと、ファンとの絆、すなわちバッテリーがテーマになっています。静かなアコースティックギターのイントロから突如としてアグレッシヴな演奏に切り替わることが特徴な曲なのですが、入場テーマ曲としては、やや静かすぎるため、石川修司選手の使用している「large and」 MIXバージョンでは、イントロが短めにされています。
イントロが切られている
このいわゆる「イントロカットバージョン」はプロレス界では他にも例があり、代表的なところでは、DDTの坂口征夫選手のお父さん、世界の荒鷲・坂口征ニ選手の入場テーマ曲「燃えよ荒鷲」があります。燃えよ荒鷲は、オリジナルとして制作された楽曲ですが、会場使用バージョンは、イントロが切られています。
逆に荘厳なイントロや静かな出だしから激しいメロディに変わる転調を選手が好んだ例としては、橋本真也選手の爆勝宣言や、三沢光晴選手の後期に使用されたピアノイントロ付きのスパルタンXなどがあります。
ファンとの絆
BATTERYはメタリカの「ファンとの絆」ソングの集大成版ともいわれています。
1980年代。まだまだメタリカがアンダーグランドな存在だった当時はこの「ファンとの絆」がバンドにとって大きな支えになっていたそうです。たとえ評論家に認められなくてもこの音楽もろとも過小評価をぶち破ってやるという意気込みは、インディからメジャーに、プロレス界全体に挑む石川修司選手のファイトスタイルにはピッタリマッチした内容だとわたしは思います。
実際、かつてお会いした石川選手はファンとの交流も大事にされている印象でしたし、まさにBATTERYを使うべくして使っているように私は捉えています。
バッテェリー!!
サビの部分はメタリカのライブで「バッテェリー!!」とファンと共に叫ぶことが恒例らしいのですが、プロレス会場ではやはり石川コールの方がふさわしいような気が私はしています。
BATTERYが収録された「KILL ‘EM ALL」は、全米29位・全英41位を記録し、メタリカにとって初の全米トップ40入りを果たしたアルバムになりました。現在までに、アメリカだけでも600万枚以上の売り上げを記録しているスーパーアルバムでもあります。
ギターの早弾きが印象的
迫力あるギターの早弾きが印象的なBATTERYは、今やメタリカの絆ソングとして多くのファンに愛されています。制作時はなかなか認められないでいた怨念が込められていたかもしれませんが、結果的にはメタリカは世界を代表するバンドになりました。
世界レベルのど迫力ファイト
いずれ石川修司選手も世界にその名が轟く存在に…いや、もう既になっているかもしれませんね。チャンピオンカーニバルで決勝を闘ったジョー・ドーリング選手との死闘はまさに、世界レベルのど迫力ファイトでした。あれこそまさにトラディショナルな全日本のプロレスであり、往年のプロレスの姿そのものでした。
それだけに、石川修司選手には今後も大きな期待をかけて応援したいと私は思っています。