プロレス的音楽徒然草 威風堂々
結論にはたどり着いていない
今回は2011年5月20日に交通事故で亡くなられたマッチョマン・ランディ・サベージのテーマ曲「威風堂々」をご紹介します。マッチョマンの入場に使われている箇所は、威風堂々の中でも一番盛り上がる終盤の部分ですね。
このようにクラシックでは一部だけ使われるというのは珍しいことではありません。もっともマッチョマンの曲はWCW時代にたくさん増えてしまいましたが、ご本人の肉声入りのnWoバージョンを含めても、WWF時代の威風堂々には敵わないと私は思っています。
特定は困難
さて、そのWWF時代の威風堂々ですが、クラシック音源というのは、選曲した方が断言しない限り、あるいは事実として認定できる証拠がない限り、特定するのは非常に難しいものです。マッチョマンの「威風堂々」もまた然りで、実はあれほどのレジェンドであるにも関わらずWWEから発売されている音源にはWWF時代のものが見当たらないのです。
ちなみに先に述べたWCWバージョンは今でもiTunesで購入できます。
結論には・・・
私もいくつかオーケストラ違いの威風堂々を所有していますが、「これではないか?」と思われるバージョンとなると残念ながら正解と断じられる結論には辿りつけておりません。
では私がオリジナルだと思っているのはどのバージョンの「威風堂々」なのか?というと、以前「ワルキューレの騎行」でもご紹介したレオナルド・バーンスタインではないかと思っています。
客観的証拠が・・・
その理由というのは・・・・
①自分の耳で聞いて判断した
②WWFマニアツアーで直接会場で聞いた
③バーンスタインの別曲をWWFのスーパースターが実際に使用している
という3つになります。①と②に関しては自分の耳を信用するほかなく、決定的な理由としては弱いものです。そもそも私の主観ありきですし、客観的証拠とは言いがたいものです。
検索しても
③はそういう意味では唯一客観的な証拠に近い理由になります。そのスーパースターというのは、ブリティシュブルドッグ・デイビーボーイスミス(シニア)で、彼が入場テーマにしていたイギリス愛国歌「統べよ、ブリタニア(Rule,Britanna)」が、レナード・バーンスタイン版なのです。が、ここで謎がひとつ。
この統べよ、ブリタニアはWWF(WWE)から、ブリティッシュ・ブルドッグの「入場テーマ」として発売されているのですが、「威風堂々」は曲の途中から使用しているせいなのか?検索しても「ランディ・サベージの入場曲」としてはでてこないんですね。
バーンスタイン版かも?
ちなみにレナード・バーンスタイン版の威風堂々(ノーカット)は、iTunesで購入可能です。しかし、マッチョマンとの決定的な関連性はみあたらないんですよね。同じようなレジェンドの入場曲として、ハルク・ホーガンのテーマ曲でもある「リアル・アメリカン」は演奏しているデリンジャーで検索すると出てきます。このようにすべてのレジェンドの入場テーマ曲をWWEが一括して管理しているというわけではないようです。
ですので、例えばリック・フレアーのアメリカでの入場曲である、シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」も原典が不明な曲のひとつです。WCW時代のカバーバージョンは「WORLD WRESTLING THEME LIBRARY 2」に収録されていますが、WWFのバージョンは出典元が謎のままですね。
出典がはっきりしない
威風堂々もツァラトゥストラはかく語りきも世界的に有名な曲にもかかわらず、入場テーマ曲としての出典がイマイチはっきりしないというのは、テーマ曲好きな私としては非常に「モヤる」ところではあります。
とはいえ「威風堂々」に関してはバーンスタインのもので間違いないと思うので、その線で洗っていくと遠からず近からずというあたりには着地できそうな気はしています。