プロレス的音楽徒然草 ダンバインとぶ(前田明のテーマ)
聖戦士ダンバイン
今回は新日本時代の前田日明(当時は前田明)選手が短期間使用していた「ダンバインとぶ」です。
タイトル通りこの楽曲は、1983年(昭和58年)2月5日から1984年(昭和59年)1月21日まで、テレビ朝日系列で土曜17時台に放送されていたアニメ「聖戦士ダンバイン」のオープニングテーマ曲です。
本邦初の異世界もの
監督は、「機動戦士ガンダム」の富野由悠季さん。
この「ダンバイン」は、本邦初の異世界ものと言われております。
冨野版ナウシカ
中世ヨーロッパに似た異世界バイストン・ウェルを舞台にした本作は、今でいうファンタジー要素が強めに押し出されていました。
富野総監督は、当時原作が連載されていた「風の谷のナウシカ」を非常に意識していたといわれ、ダンバインは富野版「ナウシカ」と位置付けられているようです。
路線変更
しかし、放映当時の日本では、まだファンタジー的世界観が一般には浸透していなかったため、「ダンバイン」のような革新的な試みは視聴者になかなか受け容れられませんでした。
そのため、番組後半では路線変更として物語の舞台を現実世界に移すこととなったのです。
金曜夜8時
ちょうど前田選手に「ダンバインとぶ」があてがわれたのが、この路線変更された時期でした。
ダンバイン放送当時、ワールドプロレスリングは金曜夜8時に放送されていた、いわゆる看板番組でした。
ヴォーカルカット
ですが、会場使用版の「ダンバインとぶ」は、ヴォーカル部分がばっさりカットされたバージョンでした。
これは当時まだステレオ放送が一般的でなかったため、実況と被る歌詞部分がカットされる事が一般的だったのです。
神選曲
つまり後々冷静に考えてみると、当時のテレビ朝日には、路線変更までしている「ダンバイン」の後方支援で選曲したわけでもなさそうです。
しかしながら当時、熱烈な富野信者であり、プロレスに回帰していた私にとっては、まさに神選曲だと思いました。
ヴォーカル入りでも
「ダンバインとぶ」の勇壮なイントロは、若き日の前田選手にはピッタリでしたし、なんならMIO(現・MIQ)さんのパワフルなヴォーカルが入っていても問題なしでした。
プロレステーマ曲好きとしては、ヴォーカルカット版にも、原曲にもそれぞれ思い入れがあります。
短期間の使用
しかし、唯一ヴォーカルをカットされて残念に感じた例が「ダンバインとぶ」なんです。
「ダンバインとぶ」が使われ出してから程なくして、前田選手は第一次UWFに移籍してしまったため、この曲の使用期間は非常に短いものでした。
様々なアルバムに
金曜夜8時に流れた「ダンバインとぶ」はよほどインパクトがあったのか、後年発売された「格闘音楽大全プロレスQ3」にも収録されました。
私はプロレスQ3のほか、ダンバインのサントラ以外にもMIQさんのアルバムを購入してます。
初アニソン体験
余談になりますが、私が人生で初めて生で聴いたアニソンが、MIQさんの「エルガイム-Time for L-GAIM-」でした。
こちらは、聖戦士ダンバインの後番組「重戦機エルガイム」(同じく富野由悠季監督作品)の前期主題歌です。
言葉にすれば叶う
当時から、MIQさんの圧倒的なパフォーマンスに魅了されていた私は「いつか、ダンバインとぶ、も生で聞きたい」と思い続けてきましたが、なかなかタイミングが合わず時間ばかり過ぎてしまいました。
それでも、残された時間の中で、「もしチャンスがあるなら」と、今でも思い続けているのです。
夢は言葉にすれば叶うといいます。ですから、新年明けたこのタイミングで記事にしてみたのです。