【プロレス観戦記】がむしゃらプロレス・SMITH GAME 2(2025年7月13日)

がむしゃらプロレス観戦記

がむしゃらプロレス・SMITH GAME2

(2025年7月13日・日・門司赤煉瓦プレイス)

イントロダクション

6月に入院した母の現状は一進一退。一時は劇的に元気になったのだが、ことはそう簡単にはいかない。

ご飯は食べないわ、点滴は抜くわで、なかなかお医者さん泣かせなことになり、身内も困り果てている。

とりあえず栄養補給は継続で、入所していた施設は退所となった。秋くらいまで持てばいいんだが、こればかりは本人次第だし。難しい問題である。

さて、昨年に続いて開催されるSMITH GAME。今回は第二回目。前回は招聘選手に凝った大会だったが、今回はあまりにも防衛戦をしない、GWA6人タッグのタイトル戦を中心にしたオーソドックスなカードが並んだ。

昔みたいにおいそれと遠方にいけないため、近隣で行われるがむしゃらプロレスは、数少ない憩いの場でもある。

2ヶ月ぶりの生観戦、私としてはとにかく楽しんでみたい!気持ちはそれだけである。

下関→門司赤煉瓦

毎日毎日暑い上に湿度も高い昨今、昼間の移動は生命に危険を及ぼすレベル。

したがって、普段ならそこそこ混み合う幹線道路がかなり空いていた。これはある意味ありがたい。

普通なら片道1時間コースの自宅→赤煉瓦がこの日は38分!

関門トンネル前の大渋滞も国道199号戦のノロノロ運転もスルーして快適そのものだった。

赤煉瓦に着いてからはひたすら日陰を選んで談笑していたら、汗だくに。

中に入って席を確保してから、売店へ。最近はあまりグッズを買わないようにしていたが、今回は丹の国プロレスの「シャカイジンプロレス」キャップを購入。

すると奥から白塗りのポール・ブレイザー選手が登場。まだペイントが完成してないため、まるで横溝正史の推理小説『犬神家の一族』に登場する犬神佐清(スケキヨ)みたいで、ある意味レアなものが見られた。

オープニング

まず前説にPanzer4が登場。ここでHIROYAがSNSでも散々言っていた「愛◆Dreamに入りたい」というわけのわからない願望を告白。

とうとう愛◆Dream運営のH川氏を呼び出すが、「愛◆Dreamに男は入れない」と至極真っ当な回答を返される。

しかし、「男だから、女だからとかいう理由は、この多様性の時代に反している」と謎理由でHIROYAが食い下がり、とうとうH川さんと、HIROYAが試合してHIROYAが勝ったら愛◆Dreamに入れることに。

これはどう考えてもHIROYAが有利なはずなんだが、あまりに愛◆Dream入りに前のめりになりすぎたHIROYAは、素人?のH川さんにまさかの敗戦!

あえなくHIROYAの愛◆Dream入りは幻に終わった。

失意のHIROYAと入れ替わり、愛◆Dreamが呼び込まれて入場すると、ここからは彼女たちのライブ。

もうだいぶ慣れたけど、10代の娘たちってもう二十歳の姪よりはるかに歳下になるので、もはや子どもにしかみえない。

こういうアイドルに声援を送るファン層は自分らの世代にもいたけど、時代は変わっていくんだなあといつも感傷的な気分にさせられる。

しかし同じ九州のローカルアイドルLinQで、あの伊藤麻希が踊っていた事実を考えると、この先どうなるかなんて誰にもわからない。そういう意味ではワクワクもしている。プロレスは何が起こっても不思議ではない世界なのだ。

そしてライブ終わりの、愛◆Dream が今度は本大会の主役であるSMITH代表を呼び込む。

そのSMITHは今回のもう一組のゲスト、ザ・ローリングモンキーのムサシさんを呼び込む。入場テーマ曲付きで選手と同じように入場できるのは、プロレスファンとして最高に幸せだったんだろうな。

今回タイトルマッチを控えるSMITHは、精神集中するため、コミッショナー代行をムサシさんに依頼し、役者は出揃った。

ついにSMITH GAME2がスタートした!

第一試合:

LEGOデスマッチ(30分1本勝負)

◯ガイジン忍者 WABISABIソルジャー & パンチくん(15分38秒:健大レフェリーの居合斬りから )リキ・ライタ&弾女郎×

久々となるLEGOデスマッチ!これはもう弾女郎の独断場なんで、どれだけその世界観でリキ・ライタが真価を発揮できるか?にかかっていると思う。

下手するとみんなが皆好き放題に暴れ回りそうな気がしないでもないだけに、自分の出番はしっかり確保しておきたいところだろう。

今回のパンチくんは以前も登場した「怒りモード」の真っ赤なマスク。パートナーにWABISABIソルジャーを従えて臨戦体制に入っている。

片や入場からラーメン屋の暖簾と湯切りを持って入場するリキ・ライタと、こちらもすでにテンションMAX!

この試合だけ、実況ムサシ、解説謎のマスクマン、ゲスト愛◆Dreamという布陣でおこなわれたのだが、愛◆Dreamメンバーの中にはプロレスを初めて見る人もいたようで、それがよりによってLEGOデスマッチ!

LEGOはあーみえてやたら身体に刺さるし、軽いから割れて飛び散るし、下手したら試合どころじゃないかもしれない。

ところがLEGO投入から四選手とも変なスイッチが入ってしまい、試合はどんどんカオスになっていく。

いきなりリキ・ライタが孤立して1対3にされ、ボディスラムでLEGOの上に叩きつけられたり、WABISABIソルジャーが明後日の方向に飛んで背中からLEGOの上に落ちたり、もう何がなんだかわけがわからない。

そのLEGOをいちいち掃除しながら試合を裁くKENTAレフェリーは、いつもの試合以上にやることが増えてしまい、レフェリングができない状態。

そんな中WABISABIソルジャーが必殺の居合刀を持ち出すが、これはKENTAレフェリーがみつけて、静止。

しかし、抜いてしまえば斬られてしまう殺人兵器をうっかり抜いてしまい、コーナーにいた弾女郎が刀のチリになってしまう。

そのままこときれた弾女郎がカバーされカウント3!

いや、初観戦のプロレスがこれでよかったんだろうか?という疑問は残るが、個人的には面白かったのでよしとしたい!

SMITHGAME2、まずはつかみはOK!

試合後、お客さんも混じって飛び散ったLEGOを拾い集めてあっという間に撤収完了!

その素早さに実況のムサシ選手もびっくりしていた。

第二試合:

アストロZ復帰戦 タッグマッチ(30分1本勝負)

◯HIROYA&YASU  (14分56秒:ファルコンアロー ) HAGGAR&アストロZ×

長い間怪我で欠場していたアストロZの復帰戦。盟友YASUを対角線に迎え、パートナーには「気になる存在」だというHAGGAR。

復帰第一戦としては簡単なカードではないが、乗り越えられたら本格的な復活も視野に入ってくるだろう。

がむしゃらプロレスとは何かと縁があるアストロZの復活を期待したい。

なぜかこの試合は下関に縁とゆかりがある選手を集めたことにされていた。確かにSMITH代表は下関にゆかりがある人物のはずだが、HIROYAは違うような気がする…(笑)

そのHIROYAとYASUは復帰戦に挑むアストロZに狙いを定めて次々と厳しい攻撃を仕掛けてくる。

もともとパートナーがヘビー級だとよりイキイキしてくるYASUは、HIROYAにリフトアップされてから、高所からダイブしたり、軽量級の肉体をいかんなく発揮して、アストロZに手荒い復帰祝いをお見舞い。

そもそも対ヘビー級の対戦経験がほとんどないであろうアストロZは、ヘビー級でもとりわけデカいHIROYAのパワーには手こずったに違いない。

ましてや1年以上リングから離れていたとなれば、そのきつさたるや想像を絶するものがある。

しかも攻撃の大半が自分に向いてくるんだから、肉体的にもなかなか厳しいものがある。

それでも、柳井で培ってきた経験がモノをいい、数々のピンチを自力で切り抜けるアストロZ。

しかし、散々攻撃をくらったあとにHIROYAがはなった二発のファルコンアローはさすがに効いたようで、自力では立てないくらいグロッキー状態。

HIROYAはそんなアストロZにGAM1 CLIMAXへの出場を打診。そしてYASUも次回大会で、アストロZにシングルマッチを要求した。

アストロZの答えはYASUとのシングル戦だった。がむしゃらに上がった時に手合わせしたYASUとの再戦は「望むところ!」。

かくして次回大会でアストロZ対YASUのシングル再戦が決定!

第二試合終了後休憩に。

第三試合:

タッグマッチ(30分1本勝負)

×KENZO&鉄生 (16分15秒:宮津湾トーンボム )レオパルドン横山 & 嵐弾次郎◯

SNSでも弾次郎が訝しがっていたが、現GWAタッグ王者であるKENZOと弾次郎が別々なコーナーに分かれて闘うこのカード。

組んだのは特別因縁があるわけではないSMITHだから、深い意図があるかもしれないし、ないかもしれない。

実際前説でタッグチャンピオン同士が戦う事に言及して「それがSMITH GAMEです」と言い切っていたし。

ただ、KENZOは既に「滅多にないチャンス」として弾次郎&横山との対戦を楽しみにしているらしい。

ならば見る側としても、この肉弾戦を思い切り楽しもうではないか。

最初こそコール合戦する余裕があった両陣営だが、いざ試合が始まってみればバチバチのど迫力肉弾戦になっていく。

特にRe:ZARDを追放されてから、無所属になった鉄生は、誰と組んでもしっくりこない感を出していた。

今回もKENZOとは微妙な距離をおいていたが、弾次郎との肉弾戦や横山との激しいやりとりで、だんだん試合に没頭していく。

終盤ではKENZOとのタッグワークまでみせるくらい、久々に手応えを感じているようだった。

しかし、好事魔多しということか。場外で横山の空中弾を受けた際に、鉄生は椅子との間に挟まれる格好で左肩を負傷。しばらく動けなくなってしまった。

その間孤立したKENZOが弾次郎に仕留められて、タッグチャンピオン対決は弾次郎に軍配が上がった。

負傷しながらもどこか満足げな鉄生は弾女郎に向かってニヤリと笑いながら、退場していった。

怪我は心配だが、次回GAM1 CLIMAXは9月28日。試合間隔が空く分無理せずに治療に専念してもらい、またバチバチな試合を見せてほしい。

セミファイナル:

タッグマッチ(30分1本勝負)

×MIKIHISA & 久保希望 (10分43秒:アスタラビスタベイビー )トゥルエノ・ゲレーロ & OT-1000 ◯

4月の大会で久保希望にボコボコにされた尾原毅。試合後、なぜか無関係のゲレーロが現れて、尾原に肩を貸して退場した。

その流れを受けてのこの試合だが、気になるのはゲレーロが、暗に「尾原は久保に潰された」ような発言をSNSで展開していた事で、これには久保ならずとも「?」になってしまう。

果たしてNASTY OUTSIDERSはこのまま空中分解してしまうのだろうか?

そしてゲレーロの思惑はどこにあるのか?

入場時一人で入ってきたゲレーロは、SMITH GAMEを「つまらない」と断罪。そしてそんなSMITH GAMEを「ぶっ壊す」と言って、久保希望に壊された?尾原毅を呼び込む。

場内にターミネーターのテーマが流れると、不気味なハーフマスクに巨大な銃を抱えた尾原毅と思しき人物が登場。

ゲレーロによって紹介されたその名は「OT-1000」。なんとRe:ZARDの新メンバーだという。

しかし、見た目尾原毅にみえるOT-1000をなんとか目覚めさせようと、久保とMIKIHISAは張り手や打撃を加えていくが、OT-1000はその全てを無表情に受け流していく。

まるでNASTY OUTSIDERSの攻撃が全然効いていないかのようなOT-1000の姿に、久保とMIKIHISAは明らかに動揺している。

OT-1000は時折、尾原時代を彷彿とさせる蹴りは繰り出すものの、試合のほとんどは相手の攻撃を無表情に受け流すという、まさにターミネーターのような不気味さを漂わせている。

これにゲレーロが更に心理的揺さぶりをかけてきたので、NASTYはペースをつかめない。

それでも必死に流れを引き戻そうとするのだが、OT-1000はそれすらも許さない。

結局終わってみたら、最初から最後までOT-1000の独壇場。メンタル的にもダメージがでかいNASTY OUTSIDERSはついにメンバーが二人になってしまった。

急激にメンバー再編が進むがむしゃらのユニットだが、旧来のチームは明暗を分けてきた感がある。

そしてOT-1000を加えて一大勢力になったRe:ZARDはどうなっていくだろうか?

今後とも目が離せない展開になってしまった。

メインイベント:

GWA6人タッグ選手権(60分1本勝負)

【挑戦者チーム】◯陽樹 &上原智也&サムソン澤田 (24分18秒:YCD )【第3代王者チーム】ポール・ブレイザー & ダイナマイト九州 & SMITH×
※王者組2度目の防衛に失敗。挑戦者チームが新王者に。

最近はすっかりがむしゃらの定連と化したポールだが、同時に西日本の社会人プロレスラーとしては、超売れっ子であるため、なかなかスケジュールが合わなくて、防衛戦が組まれない。

まあ、ポールだけでなく、全員が住所バラバラなんで、3人集まるだけでも一苦労。

しかし、それはチャレンジャー集めにも同じ苦労が伴うわけで、しかも今回みたいに揃えてみたら、とんでもないメンツにもなりがちである。

この「絶対56すマン」たちを相手に王者組は果たして防衛に成功するだろうか?

私個人はこの試合で一番注目していたのは陽樹だった。確かに入場では陽樹札をばら撒きながら、派手な登場はしてくるのだが、今回集まったメンバーで上原はOPGヘビー級チャンピオン、サムソン澤田はGWAヘビー級チャンピオン。

陽樹だけが無冠なのである。だから選手コールで陽樹だけが、ヒールではない素の肩書きを並べるという変化球を放り込んできた。

ただ、そうしないと他の二人との釣り合いがとれないのだ。本来はやりたくないかもしれない事を敢えてやる事で、陽樹はタイトル獲りへの本気度を示したのではないか?

そんな風に私は捉えてみていた。

試合は大半が九州とポールがつかまる展開になる。一通り弄ばれ見せ場は作れたものの、二人同時に削られると、残ったSMITHが温存されているという事にはならないのが難しいところ。

10年くらい前ならチャンピオンクラス3人を前にしてもSMITH一人が蹴散らしていたが、そんなSMITHも団体代表を兼任し、50も超えてくると、なかなか昔のようにはいかない。

見た感じ衰えは全く感じられないし、実際この時点でチャンピオンなわけだから、まだまだやれる実力はあるのだが、行かんせん相手が今ノリに乗っている3人ではやや分が悪い。

ここが6人タッグの難しいところで、温存した戦力が1人だと、相手が3人で叩き潰しにくることも十分に考えられるのだ。

とにかくチャレンジャーチームは憎らしいくらい強く、しかもシングルチャンピオンが2人いても貪欲に勝ちに来ていた。

無冠の陽樹に配慮したわけでもなく、ただひたすらに目の前のタイトルを取りにきていたし、陽樹も舐めた真似は一切していなかった。

そして陽樹にはSMITH超えを狙わなくてはならない責任もあった。がむしゃらのトップ選手として内外問わずさまざまなタイトルを総なめにしてきた陽樹。

しかし前世代代表のSMITHから直接フォール勝ちというのは多分成し得てない。鉄生は既に2回直接対決で勝利し、ベルトも巻いているが、SMITHから直接勝利し、タイトル奪取することは、陽樹にとっては最後の宿題だったのだ。

その宿題を陽樹はついにやり遂げた。九州やポールからではなく、SMITHから獲ったことは大きな意味があったと思う。

なお、この試合はムサシ選手が王者側のセコンドとして大活躍されていた。

ご本人はプロレスが大好きであるがゆえに反省点を述べられていたが、目の前で懸命に自軍を鼓舞する立派な働きっぷりだったと思う。

エンディング

勝ってマイクをとる陽樹は嬉しさ爆発。近年なかなかこうした姿を見せていなかったので新鮮だった。

そんな陽樹から例によってマイクを奪い取ったサムソンは、4月大会でSMITHに締めを奪われた事に言及。

「自分で負けてベルト失ってから締めてみせろ」とSMITHに丸投げして退場。

SMITHは悔しそうにしながらも大会の成功を喜ぶプロデューサーモードにチェンジ。

「プロレスは勝ったり負けたりするけど、負けたところから立ち上がるのがプロレスだ!」とセコンドのムサシ選手をリングインさせて、最後は全員で「3.2.1、がむしゃらー!」で締めた。

後記

帰りがけ、見送りに出ていたムサシさんと少し話をさせてもらったが、昨年12月以来の再会だったのに、ちゃんと覚えていてくださった。

やはり売れている人は細かいところから違うもんだよなあ、と感心しながら帰路についた。

個人的には前回より今回のSMITH GAMEの方がより「SMITHらしさ」が感じられて、面白いと思える大会になっていた。

来年のSMITH GAMEを期待する声も上がっており、がむしゃらプロレスの新しい夏の風物詩になるかもしれない。

本人的には大変だとは思うけど、アイディアと仕掛けで、きっと今回を上回る大会を見せてくれるだろう。

次回大会は9月28日のGAM1。そして12月14日には年間最大のイベントGAMSHARA MANIA も控えている。

ベルト総取りを狙うRe:ZARDが果たしてタッグまで制覇してしまうのか?

そしてユニット再編の波はどうなっていくだろうか?

やっぱり下半期もがむしゃらプロレスからは目が離せそうにない。

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