LETHAL ODYSSEY TOUR 2026 ~BASE FOOD PRESENTS NOAH Jr. TAG LEAGUE 2026 最終戦~
(2026年2月23日・月・アクロス福岡イベントホール:観衆559人)
イントロダクション
2022年10月16日以来、4年ぶりとなるプロレスリング・ノア(NOAH)福岡大会。会場が福岡国際センターや福岡アイランドシティフォーラムからアクロス福岡に移ってからは、なかなか観戦に足を運べずにいた。

2026年からは有給休暇の資格ができたため、月曜出勤のタイミングに合わせて休みを取り、生観戦することに決めた。
例年であれば春先と秋に2回開催される福岡大会だが、今年はやや早めの2月末に「ジュニアタッグリーグ戦」が組み込まれた。
今大会はリーグ最終戦であり、決勝戦は3月1日の後楽園ホールへと続く。
リーグ戦の模様は「WRESTLE UNIVERSE(レッスルユニバース)」で全戦配信されるため、映像でも視聴は可能だ。

あえて観戦記として残さずとも良い気はするが、やはり「生」でしか伝わらない空気感がある。そこを中心に記録を綴っていきたい。

下関→アクロス福岡
準備を整えていざ出発という段階で、私の「nimoca」が見当たらない。
障害者用カードのため、これがないと通常料金が発生してしまう。

仕方なくバスを一本遅らせて下関駅前の発券所へ向かったが、再発行には2日かかるとのこと。ここは泣く泣く断念した。

駅で予備のICカードにチャージし、後続のバスで博多を目指す。
手痛い出費だが、当日遅延が発生していたJRよりは安上がりだ。
到着は開場時間ギリギリになるが、試合開始には十分間に合う。早いうちに冷静に切り替えたのは正解だった。
昨日までの春のような陽気が一転、今日は冬の寒さに逆戻り。
バス停で待つ間の寒さが身に染みる。「暖かいといっても、まだ2月なんだな」と思い知らされた。
ようやく来た暖かい車内で一息つくと、道中のトラブルが重なったせいか、随分と長い時間に感じられた。

高速バスでの移動中、いつも通っている酵素風呂から連絡があり、nimocaの忘れ物が判明! 次の休みに取りに行くことになり、ひとまず一件落着となった。

中洲のバス停で降り、徒歩でアクロス福岡へ。


到着するとちょうど開場したばかりだった。 しばらくグッズ売り場に並んだが、ラインナップはかなり絞られている印象だ。

そして、ついにノアからもパンフレットが姿を消していた。


私が知る限り、今もパンフレットを発行しているのは新日本プロレス(NJPW)かTJPW、FREEDOMSくらいではないだろうか。
時代の流れとはいえ、一抹の寂しさを感じる。
オープニング
大会開始前、ユニバースの配信ではカットされるリングアナウンサーによる注意事項告知と対戦カード発表が行われた。


公式サイトやユニバースに掲載されていた試合順と異なっていたため、事前に用意していた下書き(対戦カードの貼り付け分)を慌てて修正。
書き終えたのは試合開始1分前だった。
第一試合:タッグマッチ
○清宮海斗 & 晴斗希 vs 拳王 & ×小柳勇斗 (8分05秒:ジャンピングニー → 片エビ固め)
ジュニア主体のシリーズだが、ヘビー級戦士たちもそれぞれテーマを持って戦っている。

「ALL REBELLION」としては、今シリーズでノアを離れるガレノとメンバーが対峙する流れになり、チームメイトというよりライバル関係が強調され始めている。

一方、若手のメンター(指導者)的役割を担う拳王は、来るべきGHCヘビー級選手権に向けてコンディションの良さを感じさせた。

試合は、役割を自覚している小柳勇斗が先発を買って出た。晴斗希だけでなく、清宮にも真っ向勝負を挑んでいくなど、度胸もいい。

もちろん小柳相手に清宮が狂乱モードになるわけはないのだが、晴斗希だけでなく、清宮海斗にも真っ向から勝負を挑む度胸は素晴らしい。

格上の2人を隙あらば食ってやろうという意気込みが伝わってきた。


拳王も最大限のサポートを惜しまなかったが、最後は清宮のジャンピングニーアタックに屈した。

小柳にしてみれば、熊本でのOZAWA戦、福岡での清宮戦と、必殺技を出させるまでには至らなかった。
反省点も多いだろうが、次につながる一戦となったはずだ。
第二試合:シングルマッチ
○ガレノ vs ×髙橋碧 (4分01秒:ラリアット → 片エビ固め)
今シリーズを最後に日本を離れるガレノに、新人・髙橋碧が挑む。
前日は熊本ゆかりの小柳が怪人OZAWAの鎌固めに敗れたが、その善戦ぶりは髙橋も見ていたはずだ。

善戦以上のインパクトを刻みたかっただろうが、向かい合うと肉体差は歴然。


髙橋も必死に食らいついたが、ガレノの余裕を消すまでには至らなかった。
それでも今後ガレノとシングルマッチで戦う機会なんかないかもしれない。
そうなると、高橋も必死である。


だが、いかんせんガレノから余裕の色を消すことはできない。

今後ガレノのような巨漢と戦う機会は貴重になるだろう。今日の経験を財産にして、ノアの未来のためにさらに成長してほしい。
第三試合:6人タッグマッチ
丸藤正道 & モハメド ヨネ & ×鶴屋浩斗 vs ○KENTA & 遠藤哲哉 & HAYATA (12分01秒:変型ヘッドロック)
丸藤正道は、現在売り出し中のユニット「White Raven Squad(WRS)」との対戦。
WRSはビジュアルも良く試合内容も安定しているが、結成の動機やテーマがまだ不明瞭に感じる。
今後のテコ入れに期待したい。

入場時、既に曲が鳴っていて遠藤もHAYATAも先にリングインしていたのに、なかなかKENTAが出てこなかった。しばらくすると普通に出てきたけど。
リング上で目を引いたのは、若手の中でも長身で映える鶴屋浩斗だ。



モーションの大きいビッグブーツや美しいブリッジは印象的で、KENTA相手にも怯まない姿勢にノア新星たちの将来性を感じた。

KENTAも積極的に胸を貸し、一方で丸藤やヨネは鶴屋を「新人」としてではなく、対等なメンバーとして扱っているように見えた。


この日、KENTAから強烈な張り手を引き出したのは鶴屋の頑張りゆえだろう。最後は新人殺しの変形ヘッドロック!次々と現れる新しい力にワクワクさせられる。


第四試合:NOAH Jr. TAG LEAGUE 2026公式戦
小峠篤司 & ×Hi69 vs Eita & ○稲畑勝巳 (8分11秒:エビ固め)
【得点】小峠&Hi69:4点 / Eita&稲畑:3点
前日、弟の稲畑誠己がDDTプロレスリングに入団し注目を集める中、兄・勝巳は新人ながらリーグ戦出場を直訴しEitaとエントリー。しかし現実は厳しい。いかにEitaが「NOAHジュニアの顔」だとしても1人ではどうにもならないのがタッグリーグなのだから。

この試合でもパートナーのEitaが献身的にサポート。対するベテランの「チームNOAH」も、高い壁として立ちはだかった。

一度他団体でデビューしながら、ノアで一からやり直す道を選んだ稲畑の泥臭い姿は、自然と応援したくなるものがある。


その声援に応えるように、稲畑はHi69の必殺技ストゥーカスプラッシュを切り返して逆転のエビ固め!

見事自力で勝利を捥ぎ取った。Eitaも我が事のように喜び、会場は温かな拍手に包まれた。
稲畑兄弟は二人とも他団体で一度デビューしてから再度一からやり直して現在に至っている。
いつか兄弟が別の道で出世し、再会する日を楽しみに待ちたい。
第五試合:NOAH Jr. TAG LEAGUE 2026公式戦
○AMAKUSA & ブラックめんそーれ vs タダスケ & ×政岡純 (6分12秒:情熱グラウンドコブラ)
なかなか勝てない「アマクシャー」は最終戦で爪痕を残したいところだが、相手は勢いに乗る「T2KX」。

序盤からAMAKUSAが猛烈なカットで援護するが、T2KXは冷徹に短期決戦を狙う。タダスケと政岡がいきなりめんそ〜れにとどめを刺しにきた。




後半、ヨシ・タツの介入や凶器攻撃に苦しめられたが、諦めないAMAKUSAは、そこから反撃に転じて試合は一進一退。

セコンドの征矢学の後押しもあり、最後はAMAKUSA が難敵から見事な逆転勝利を収めた。

第六試合:NOAH Jr. TAG LEAGUE 2026公式戦
マーク・トゥリュー & ×キーロン・レイシー vs アルファ・ウルフ & ○カイ・フジムラ (8分26秒:パッケージパイルドライバー → 片エビ固め)
【得点】トゥリュー&レイシー:8点 / ウルフ&カイ:12点
正統派ジュニアの華があるトゥリュー&レイシーに対し、”闇堕ち”したカイ・フジムラとウルフのコンビ。カイはサイコパスなヒール像が板についてきており、連携も極めてスムーズだ。



会場では何故か闇堕ちしたカイ・フジムラに序盤から声援がやたら飛んでいた。


ハイスピードな展開となったが、テクニシャンでもあるウルフ&カイが一枚上手だった。
最後はウルフのパッケージパイルドライバーで決着。T2KXが決勝進出を決めた。


試合後も鎖で相手を引き摺り回すカイ。見ている限り、決勝では彼が優勝のキーマンになる予感がする。

セミファイナル:6人タッグマッチ
Yoshiki Inamura & 征矢学 & ×大原はじめ vs ○OZAWA & マサ北宮 & 杉浦貴
(11分11秒:ビッグベンエッジ → 片エビ固め)
GHCヘビー級王者・Yoshiki Inamuraは、NXT遠征の成果を存分に発揮し、一挙手一投足に自信が漲っている。


対するOZAWAは、負傷欠場からの復帰後、最近特に目立った動きもない。


とはいえ、前日の小柳戦で見せた鎌固めなど、随所に気になるポイントを入れてくる。どうも別なスタイルを模索しているように見える。
入場時からOZAWAの存在感は際立っており、会場の空気を一変させた。
一方のInamuraが登場すれば場内が華やぐ。実際、試合で使う技はアメリカ行く前と大差ないんだが、一発一発に自信が込められているようにみえる。
両者のコントラストが対極的で非常に面白い。


さて、今回は意外と会場にT2KXのファンが多いらしく、カイの応援タオルや、チェアマンのボードを持っているファンもいて、ヨシ・タツはじめメンバーもご機嫌。
試合では、OZAWAが以前の負傷の原因となった「リアルレベル」を封印しつつも、ブレイクダンスや顔舐めといったムーブで翻弄。

最後は大原をビッグベンエッジで仕留めた。

OZAWAは実際地頭もかなりいいし、熊本での鎌固めに続いて、今回 も空中戦を封印し、九州ツアーを乗り切った彼のスタイルチェンジに注目したい。

メインイベント:NOAH Jr. TAG LEAGUE 2026公式戦
ダガ & ×小田嶋大樹 vs ドラゴン・ベイン & ○アレハンドロ (12分53秒:ゼログラビティ → 片エビ固め)
【得点】ダガ&小田嶋:8点 / ベイン&アレハンドロ:10点
ジュニアタッグ王者である小田嶋大樹の急成長が著しい。新人枠を超えた堂々たる風格と本田多聞直伝のレスリングテクニック。対するは地元・福岡出身のアレハンドロ。イマイチ跳ねないアレハが気にはなる。
丸藤戦で掴んだはずの何かが試合の中で見えてこないのだ。
果たして、最終戦でアレハンドロは殻を破ることができるだろうか?
アレハンドロは地元の期待を背負い、かつてない気迫を見せていった。

いつもこれくらいのクオリティで試合してほしいんだけど、なかなか気持ちが見えてこなくて、焦れる。

一方、ジュニアタッグチャンピオンとしてリーグ戦を戦ってきたダガと小田嶋。
ついこの間まで新人枠にいた選手なのに、実際に会場でみたら、堂々たる風格。間違いなくメインイベンターのオーラを放っていた。



だが、アレハは、地元凱旋でおそらく初のメインという事で気合いも入っていたのだろう。
いつも以上にチャンピオンからとってやろうという執念を試合から感じられた。


ベインとの好連携で王者を追い込み、最後はゼログラビティで見事勝利。地元凱旋のメインを白星で飾った。

これで決勝は「裏切ったチーム(T2KX)」と「裏切られたチーム(ベイン&アレハンドロ)」の因縁対決に。3月1日の後楽園ホールが待ちきれない。
エンディング
最後はウルフ&カイが登場し、両チームが激しく睨み合い。


T2KXは不気味に引き下がり、アレハンドロの締めにより大会は幕を閉じた。
出口が混雑する中、ロビーでは拳王が募金箱の前に立ち、大谷晋二郎選手・高山善廣選手への募金を呼びかけていた。


募金をすれば選手と握手ができるとあって、長い列ができていた。
私もわずかばかりの募金を入れ、拳王と握手をして会場を後にした。
後記
バスターミナルに戻ると、15時台の下関行きがなかったため、西鉄ホールの地下で遅い昼食をとり時間を潰した。16時台のバスを待つ列は驚くほど伸び、補助席まで埋まる盛況ぶり。1時間に一本の欠便の影響は大きい。そりゃ1時間に一本のバスがひと便なかったらこうなるよなあ。



帰りの車中で観戦記を書き進めるうちに、バスは下関へ到着。

赤の魂LIVEを観に行った1月と違い、 2月下旬、18時を過ぎてもまだ明るい空が、春の訪れを感じさせた。久々のノア生観戦は、配信では味わえない臨場感に満ちていた。

例年なら次は「N-1 VICTORY」の季節。昨年はこの時期にOZAWAが欠場してしまったが、2026年の秋はどうなるか。今から楽しみでならない。
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