【プロレス入場テーマ曲】 プロレス的音楽徒然草 クリッター・スキッター(Critter Skitter)

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草

プロレス的音楽徒然草 クリッター・スキッター(Critter Skitter)

稲妻が導いた名曲

プロレスラーの個性を決定づける入場テーマ曲。今回は「稲妻戦士」こと木村健悟選手の象徴的なナンバー、『クリッター・スキッター(Critter Skitter)』をご紹介します。

この曲のルーツは、1986年に制作されたアメリカのSFコメディ映画『クリッター(原題: Critters)』のBGMにあります。物語は、銀河の果ての宇宙刑務所から危険生物「クリッター」が看守を皆殺しにして脱走し、地球へ飛来するというもの。何でも喰らい尽くす凶悪なエイリアンを追って、2人の賞金稼ぎが重火器を手に激しい闘いを繰り広げます。

気分屋な名レスラー

この楽曲は、木村健悟選手本人が映画を鑑賞して気に入り、自身の入場曲として採用したそうです。しかし、その愛着には波があるようで、後年になって「やっぱりよくねえなあ」と漏らしたかと思えば、数年前には「やっぱいい曲だよねえ」と語るなど、健吾さんの気分次第で評価が左右されているエピソードも実に人間味に溢れています。

ちなみに映画『クリッター』はスティーヴン・ヘレクの監督デビュー作。シリーズ化され4作目まで制作されました。2016年時点ではAmazonプライムでも視聴可能でしたが、その第1作を彩る緊張感あふれる旋律こそが、のちに新日本プロレスのリングで鳴り響くことになります。

南カリフォルニア大学を卒業後、ティム・バートン監督の短編『フランケンウィニー』でデビュー。その後も『アラジンと魔法のランプ』や『クリッター』といったホラー・ファンタジー作品で実力を発揮しました。1997年のアニメ映画『アナスタシア』ではアカデミー賞にもノミネートされるなど、世界的な名声を得ている作曲家です。

音楽一家のサラブレッド

作曲を手掛けたのは、ロサンゼルス出身のデヴィッド・ニューマンさんです。父は映画音楽界の巨匠アルフレッド・ニューマン、弟はトーマス、従兄弟はランディと、まさに音楽一家のサラブレッド。

南カリフォルニア大学を卒業後、ティム・バートン監督の短編『フランケンウィニー』でデビュー。その後も『アラジンと魔法のランプ』や『クリッター』といったホラー・ファンタジー作品で実力を発揮しました。1997年のアニメ映画『アナスタシア』ではアカデミー賞にもノミネートされるなど、世界的な名声を得ている作曲家です。

衝撃のドーム決戦

木村選手には『ビューティフル・フライト』というオリジナル曲もありましたが、1987年3月の「INOKI闘魂LIVE PartⅡ」におけるケリー・J・ウィルソンとの異種格闘技戦では、すでにこの『クリッター・スキッター』が使用されていました。

ファンの記憶に強く刻まれているのは、1990年2月10日の東京ドーム大会でしょう。新日本と全日本の全面対抗戦という歴史的闘いの中、木戸修選手と組み、ジャンボ鶴田&谷津嘉章組という最強コンビを相手に入場した際も、この不気味かつ攻撃的な旋律が会場を支配していました。

福岡で魅せた鬼の形相

普段は温厚な人柄で知られる木村選手ですが、ひとたび抗争の火がつくと無類の強さを発揮します。特に「反選手会同盟(のちの平成維震軍)」として決起した頃の気迫は凄まじいものでした。

忘れられないのが1992年8月16日、福岡国際センターでの一戦です。藤波辰爾&木戸修組に対し、越中詩郎&木村健悟組が激突。メインの長州力VSグレート・ムタ戦に引けを取らない殺気が漂っていました。それまでパートナーを立てる「職人」の印象が強かった木村選手が、この日は鬼の形相で藤波選手らを圧倒。わずか数分で完勝を収める姿は、まさに「稲妻」そのものでした。

不穏な電子音から始まるこの曲は、対抗戦という殺伐としたシチュエーションにおいて、木村選手の内に秘めた闘志を最大限に引き出す魔力を持っていたのです。

天龍も認めた男の背中

勝利の余韻の中で鳴り響く『クリッター・スキッター』は、木村選手の強さと共にファンの脳裏に焼き付きました。

のちに平成維震軍と激しい抗争を展開したWARの天龍源一郎選手も、「木村の顔を見ただけで、この野郎!と思う。長年新日本を支えてきた男が背負っているものはデカイ」と最大級の敬意を表しています。

プレミア化したサントラ

現在、映画『クリッター』の映像自体は視聴可能ですが、サウンドトラック盤は絶望的なほど入手困難です。再発売の機会もなく、中古市場では21,030円~67,160円といった高値で取引される「超レア盤」と化しています。

かつてはワゴンセールの常連だったCDがお宝になったのは、映画の再評価というより、この曲を背負って闘い抜いた木村健悟選手の輝きが、楽曲に新たな価値を付与したからに他なりません。

稲妻の旋律を求めて

私自身、できることならこの曲を手にしたいと願っていますが、デジタル配信もされておらず、高価な廃盤CDをいつか買うしかないのが現状です。サントラ盤はリマスタリングの機会も少なく、一度機を逃すとマニア泣かせの逸品となります。

しかし、木村健吾選手の往年の姿を思い出すとき、この旋律は、どんな名曲よりも雄弁にプロレスの熱き時代を語りかけてくるのです。

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