【プロレス映画鑑賞記】燃える闘魂アントニオ猪木50年の軌跡

せかぷろ

アントニオ猪木デビュー50周年記念映画とは?| 劇場でしか感じられない迫力と感動 | 映画としての評価はどうなのか?

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解説

「アントニオ猪木デビュー50周年DVD-BOX」発売を記念し、DVDの発売に先駆けて特別編集版を劇場公開。1960年9月30日、東京・台東区体育館でプロレスラー・猪木寛至(現:アントニオ猪木)の戦いが始まった。伝説の名勝負や秘蔵映像、インタビューを交えて猪木の激闘の数々を振り返る。
映画comより)

もともとはDVD-BOX

2010年にデビュー50周年を迎えた猪木さんが「アントニオ猪木デビュー50周年DVD-BOX」発売記念として2週間限定上映されたのが本作だ。

ちなみに北九州でも上映されており、場所はTジョイリバーウォーク。私は水曜に観に行ったのだが、この日はレディースデーだったらしく、昼間から劇場ロビーには妙齢のおばさまたちがたくさんいたのを覚えている。

一律3000円

この「アントニオ猪木デビュー50周年DVD-BOX」、お値段は20枚組・3708分の10万円!

劇場チケットは一律3000円もしたが、当時の私は何の疑問もなく行ってきた。そりゃ10万出して小さい画面で見るより3000円でもいいので、でかい画面で見たかったのだ。それだけだ。

印象としては

実際は再編集ではなく、「異種格闘技戦」が主に収められた一枚をそのまま流しただけだったらしいのだが、ひたすら120分の間に試合をこれでもかというぐらい詰め込んでいるので、余計なノイズもなく、印象としては悪くなかったと思う。

正直今でも、DVD-BOXを買う余裕はない。

だから、高額ではあるものの、大スクリーンでアントニオ猪木の試合が見られるというのは、それだけでもお得感があった。

新しい発見も

それゆえこの貴重な機会を逃す手はなかった。

実際に小さい画面では見落としていたようなところも、劇場では新しく発見することができたので、後悔はない。

大画面で見た名勝負

例えばアンドレ・ザ・ジャイアントとの試合では、アンドレがコーナーポストに登るとき、スルスルスルとすごいスピードで上がっていく姿などは、小さい画面で見ていたはずなのに、気づかなかったところだった。

また名勝負と謳われている対大木金太郎戦においても、大木さんが角度を変えながらヘッドバットを打ち続けていく姿に感銘を受けた。

これはおそらく大スクリーンだからこそ感じ得たことかもしれないし、最後に猪木さんが放ったバックドロップでは思わず涙がこぼれてしまった。

まるごと魅せる

他の試合でも、パンチとキックと頭突きに、大技としてのブレーンバスターくらいしか出さないのだ。

それだけで一試合まるまる魅せることができるのはすごい。でっかい外国人選手が猪木さんと殴り合っているんだから面白すぎるのは当たり前。

試合は面白い!

他にもタイガー・ジェット・シンの様式美とかルー・テーズのインサイドワークとか、現在の大きな画面で改めて観ると色々発見があって良かった。

とにかく試合それぞれは面白い!

ただ並べただけで

ただ、それをどう見せるかというのは現代の作り手の問題なので、ただ並べただけで「映画です」と言われると確かに「?」にはなる。

ここまで愛想がないと、よほどのファンしか行かないような内容とも言える。

劇場じゃないと見られない何か

実際劇場はガラガラだったし、3000円という値段設定はちょっと強気過ぎたかもしれない。

強いて言うならもう少し劇場に来ないと観られない「何か」は絶対必要だったろう。

名勝負の羅列

ただ、たとえ画像が荒くても、大きなスクリーンで見ることによって感じ方や捉え方が違うのだなということを、この映画では思い知らされた。

要するに余計な演出がなくても、名勝負の羅列はそれだけで目を釘付けにする満点の演出だったのだ。

演出家は仕事していない

ストリーミングの荒い映像でしか見れないような古い貴重な映像が、かなり鮮明に大スクリーンで観ることができた!まさにこれぞ非日常体験!

アントニオ猪木という「作品」は、劇場鑑賞に耐えうる素晴らしいものだった、と私は思う。

惜しむらくは、上映作品としては素材に甘えて、演出家が何も仕事をしていないという、非常に扱いに困る映画であった事だけは間違いない。

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