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[アニメ感想] 2019年秋アニメ完走分感想文 私、能力は平均値でって言ったよね!

マイルは、ごく普通の12歳の女の子! と見せかけて……実は日本の女子高生・栗原海里という前世の記憶を持つ、この頃流行りの異世界転生者! なんやかんやあってハンターになるためティルス王国を訪れたマイルは、王都で子供たちの行方不明事件が起きていることを知る。お人好しのマイルは事件を追うのだが――(あらすじは公式HPより)

暗い過去がいきなりでてくる

「私、能力は平均値でって言ったよね!」も原作未読。調べてみたら2016年から2019年10月までに既刊12巻とある。結構な分量があるわけだが、さて、この長さをアニメ化する際、約1クール12話に落とし込む必要がでてくる。

切るべきところは切って、アニメはアニメとして完結させるか、さもなければ原作の途中で終わるのを覚悟で、原作準拠に徹するか、という悩ましい選択をスタッフは迫られたのではないか、と推察される。

しかしながら、アニメ「私、能力は平均値でって言ったよね!」(のうきん)をみていると、原作のどこからどこまでを取捨選択したのか、イマイチ掴みきれないのだ。

たとえば、第五話で赤き誓いの過去話がでてくるのだが、レーナはただ大切な人達を盗賊に殺され、更には雇い主に裏切られた、という暗い過去がいきなりでてくる。これだったらレーナが主人公でいいのでは...と思うくらい、主人公マイルの影が薄い。

なぜ平均値の能力を求めていたのか?

そもそもマイルは、優等生でボッチな女子高生が、交通事故で死亡し異世界へきた子で、その際に神様へ「平均の能力で転生さたい」とお願いしたら、転生先の最強の生物であるドラゴンの半分の能力にされてしまい、人間としては桁外れの能力で転生してしまったという設定がある。

各話サブタイトルもそれに則っているのだが、なぜマイルが平均値の能力を求めていたのか、という描写が今ひとつ物足りない。

暗い過去を明るく笑い飛ばすには中盤の重い話は唐突すぎるし、マイルが、自分の求めていない能力をもてあますさまがそれほどないせいか、なんで平均値じゃないといけないのかなあ?という疑問が常につきまとい、私はどうも物語に入り込むことが出来なかった。

無理やりねじ込んでいる?

のうきんのもう一つの特徴として、度々折り込まれる懐かしアニメやドラマのパロディは青少年には意味不明だろう。我々世代は確かに嬉しい…はずなんだが、なんかパロディやりたいがために、無理やりねじ込んでいるようにも感じられる。

とはいえ、美少女のキャッキャウフフは基本嫌いではないし、多少軸がブレていてもギリギリなんとか見ていられるのは、あのくせになるオープニング(スマイルスキル=スキスキル!)のせいかもしれない。

ある意味電波ソングを書かせたら当代随一の畑亜貴さんの詩は、聞いていると些末なことすらどうでもよくなってしまうから不思議だ。まあ、不満はあるけど、切る理由もなかったので、結局最後まで見てしまった次第(笑)

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