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[映画鑑賞記] 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER

常磐ソウゴ(奥野壮)と桐生戦兎(犬飼貴丈)の世界で、仲間たちが記憶をなくしてしまう。さらにスーパータイムジャッカー・ティード(大東駿介)に支配されたアナザー電王とアナザーWが、シンゴという少年を追跡していた。ソウゴと戦兎がシンゴを守るために戦う中、仮面ライダー好きの少年アタルが「仮面ライダーは、現実の存在じゃない」と告白する。(あらすじはYahoo映画より)

狙った?キャスティング

仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVERは、平成仮面ライダー最後の映画。通常12月初旬に公開になるのだが、昨年から正月の戦隊映画もなくなり、三月のスーパーヒーロー大戦もなくなったので、12月下旬の公開になったようだ。

今回見ていて一番混乱したのが、ライダーに敵対するタイムジャッカーのティード役を、大東駿介さんが演じていたこと。大東さんといえば、ネットでも話題になっているくらい佐藤健さんと似ている俳優さん。しかも、二人とも演技が達者なため、序盤はディードを佐藤健さんが演じているのか?と勘違いしてしまった。

このキャスティングは狙ってやったのか、それとも偶然だったのかはわからないが、あまり大東さんや佐藤健さんを知らない層にはもしかしたら見分けがつかなかったかもしれない。宣材写真とかでみると、明確に違いがわかるのだが、ティードはメイクもしてコスチュームも特異な感じの役で、ぶっちゃけ佐藤健さんが野上良太郎を演じていなかったら、ティードを演じてもおかしくはなかったからだ。

ただ、この映画のキモはティードのラスボス感にあるため、演技のうまい大東さんの起用は大成功だった。でも、もし勘違いではなく、佐藤健さんがティードと良太郎の二役だった場合、どうなっただろうか?たぶん、どこかのタイミングで良太郎は「正義の味方」に戻らねばならない。そうなると、敵対するラスボスを別に用意しなくてはならない。

そうすると、映画がとんでもない長尺になるおそれがある。やはり、ライダー映画のターゲットは「小さいおともだち」だし、彼らが辛抱耐えきれない長さだと映画としてはよくても、ライダー映画としてはよくないという結論になる。

小さいおともだちに向き合ったのか?

そもそも、今回の「仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER」は、現実と虚構というなかなかハードルの高いテーマで物語が作られている。小さいおともだちにとっては、仮面ライダーがいる世界がリアルなはずで、それを「虚構」とか「妄想」と言われてもピンとはこないだろう。

だから、序盤の展開には「?」になっている「小さいおともだち」が多数いて、私が見ていた劇場でも、もう少しで、彼らの我慢も限界がくるところだった。パンフを読むと、大人であるキャストの俳優さんたちが一様に「何回も台本を読み返した」「未だに意味がわかってない」などというコメントを寄せているのだから、それは無理もない。

かくいう「大きいおともだち」てある私でさえ「この展開があと20分続いたらツライ」レベルの難解さだったから、こういうテーマを選んだスタッフは、よくいえば冒険者だし、悪く言えば「小さいおともだちに向き合っているのか?」という疑問は出てくる。

一般的な映画ならば、それほど私も問題にしないのだが、メインユーザーがみえていないという点でいうなら、厳しい評価にせざるを得ない。結局、平成ライダー総登場の場面はワクワクできたし、ティードのラスボス感と相まって、なかなか高揚感を感じただけに、前半の退屈さが残念だった。

つまらない作品ではないが

くどいようだが、スーパー戦隊に比べて、比較的アダルティな作風が許されるとはいえ、ライダー映画を観に劇場に足を運んだ「小さいおともだち」から、少なからずグズられたり、飽きがきて騒ぎ始めたりしたという点では厳しめの評価をせざるを得ない。

ただ、時間をテーマにしたジオウと、同じく時間旅行をする電王の共演から逆算して作られた脚本だけに、最終的には文句のない落とし所でオチていた点は評価したい。とはいえ、電王とジオウがガッツリ絡んでいるか?といえば、実はそうでもない。むしろ中途半端にWの方が絡みがある。ジオウのアーマーもWだったし、ならばいっそ良太郎じゃなく、翔太郎&フィリップのコンビに出て欲しかった。

地球(ほし)の本棚の場面や風麺のシーンに、ジオウのキャストしかいないというのは、なんとなくしっくりこなかったし、平成ライダー映画最後というのを意識しすぎて欲張り過ぎた感は否めない。その割にはレジェンドライダーの登場も思ったほど多くはなく、個人的には期待外れな部分もあった。

つまらない作品ではないが、平成ライダーのお祭り映画を期待して観に行くと、肩透かしを食らうかもしれない。そんな映画だった。

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