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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 GOTTA FIGHT

西崎義展の狂気が生み出したヤマト

今回は80年代に作られた劇場アニメ「オーディーン・光子帆船スターライト」のテーマ曲であった、ラウドネスのGOTTA FIGHTをご紹介します。

実はオーディーンも未だ未見の作品であります。しかしながら、つい最近「「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気」(牧村 康正、山田 哲久 ・著・講談社刊)という本を購入して読み出したら、私の中に何度目かの西崎義展ブームが来てしまい、どうしても書きたくなってしまった次第なのです。

そもそも宇宙戦艦ヤマトは「さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち」で終わる予定でした。しかしながら、総設定を担当した松本零士さんらの反発があり、「さらば宇宙戦艦ヤマト」のテレビ版である「宇宙戦艦ヤマト2」では、主人公古代守は生還してしまいます。

その後もヤマトは続編が作られ、その度にファンが離れ、身内?の松本零士先生は、銀河鉄道999など本人原作による松本アニメブームをまきおこしました。とどめはかつて「海のトリトン」でタッグを組んでいた富野由悠季監督が、打倒ヤマトに執念を燃やした「機動戦士ガンダム」を世に送り出したことで、ヤマトはあっという間に風化してしまいます。

この当時西崎義展プロデューサーは「当初さらばで終わるはずだったヤマトだが、皆さんが続きを観たい、続きを作れとおっしゃる」というような内容のコメントを繰り返し、続編の製作に苦しい弁明をしていました。これをして当時アニパロ漫画を主流にしていたゆうきまさみさんが作品の中でネタにもしています。

ヤマトの続編に関しては、当時のファンの間でも既に西崎プロデューサーの悪評が伝わっており、「しょせんアニメで金儲けしたいだけじゃないのか?」という感じで受け止められていました。しかしながら前述の「「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気」という本の中ではいかにも山師的な西崎像とは別に、「ヤマトに対してだけは純粋」だった西崎義展像も描かれています。

もともと西崎プロデューサーにはクリエイター気質もあって、元来役者を志しながら、断念したといういきさつも本には描かれています。アニメに関しては完全に門外漢ではありましたが、何かを作品として作りたいという情熱だけは、純粋に持ち続けていたようです。

天は二物を与えず・・・?

ただし、点は二物を与えずとはよくいったもので、類まれなプロデューサーとして名を残しながら、西崎義展さんには、いわゆる監督とか作画とか編集とか言った作品の肝になる部分に関しての力量はなかったと言わざるをえません。ぶっちゃけ、素人だったということですね。

あるいはヤマトへの思いが強すぎてしまった部分もあるかとは思いますが、ヤマト以外に作った「宇宙空母ブルーノア」にしても「光子帆船スターライト」にしても結局ヤマトを超えることはできませんでした。

しかしながら元々芸能畑にいた西崎プロデューサーはこと音楽のことに関しては一流の鼻をもっていたようで、宮川泰さんをはじめ、羽田健太郎さんや、GOTTA FIGHTのラウドネスにしても一流どころを集めてくることでは定評がありました。

80年代当時のラウドネスというのはwikipediaによると・・・・

80年代中盤に海外進出し、ビルボードTOP100にアルバムを送り込んだ。さらにモトリー・クルーの前座ではあるものの、日本人アーティストとして初めて、「マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)」のステージに立つという快挙も成し遂げ、名実共に日本を代表するロックバンドとなった。

というくらい破竹の勢いで活躍していた時期でもあり、西崎義展氏の目利きの確かさが分かろうというものです。もっともさらば宇宙戦艦ヤマトで、当時人気絶頂だった沢田研二さんに「ヤマトより愛をこめて」を歌わせているのですから、ラウドネスの起用にしても、西崎さんからしてみたらごく当然の仕事だったのでしょう。

光子帆船スターライトにはスペシャル監修として後に血で血を洗う?裁判沙汰を繰り広げる松本零士さんもスタッフに名を連ねています。「宇宙戦艦ヤマトを作った男・西崎義展の狂気」によるとこの時分、松本先生は既に西崎さんとは、怨恨が発生していた時期でもあり、のちにギャラの問題で反・西崎派に回る宮川泰さんも含めて、実に危険なバランスの上で、成り立っていた作品であったともいえるのです。

そうしたドロドロした裏事情ともかく、ラウドネスがスターライトに提供した「ODIN」と「GOTTA FIGHT」は当時のラウドネスの勢いをそのまま感じられる珠玉の名曲だと私は思っています。ラウドネスのベスト盤に入ってる「GOTTA FIGHT」と「ODIN」は比較的入手が楽ですので、ぜひとも機会があったら聴いてもらいたいなと私は思っています。








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