[アニメ感想] 2017年春アニメ完走分感想文 終末なにしてますか?忙しいですか ?救ってもらっていいですか?
2017/07/06
舞台は、地上を正体不明の怪物である〈獣〉たちに蹂躙され、人間をはじめとする多くの種族が滅ぼされた世界。かろうじて生き残った種族は地上を離れ、浮遊大陸群(レグル・エレ)と呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしている。
地上が滅びる前の戦いで石化し、一人だけ死を逃れた準勇者(クアシ・ブレイブ)ヴィレム・クメシュは、500年後の空の上で目を覚ます。守りたかったものを守れず、それどころか自分一人だけが生き残ってしまった絶望や莫大な借金から世捨て人のような生活を送っていたが、友人のグリックの好意から始めた兵器管理の仕事の中でクトリら妖精兵たちと出会う。
妖精兵は、かつて人間の勇者にしか使うことができなかった最強の兵器、遺跡兵装(聖剣)を振るい、〈獣〉の脅威から浮遊大陸群を守るべく戦場に送り込まれる、使い捨ての兵器だった。そのことを知ったヴィレムは、彼女たちを救うため、いま自分にできることを探し始める──(あらすじはwikipediaより)
原作未読でタイトルだけみて、私はギャグ系ラノベアニメと勘違いしていたのだが、いわゆる終末感たっぷりな悲恋ものという趣きの作品だった。
タイトルから感じる個人的な印象は人それぞれだろうけど、この内容にこのタイトルはちょっとないんじゃないかな、と私は思ってしまった。
印象的なのは、サイモン&ガーファンクルが映画「卒業」で有名にした?スカボローフェアーが使われていたこと(第1話冒頭と最終回)。
wikipediaによると、
『スカボロー・フェア』(スカーバラの市、Scarborough Fair)はイギリスの伝統的バラッドである。
この歌は、聴き手に以前の恋人への伝言を頼むという形式を取っており、縫い目のないシャツを作ったり、それを乾いた井戸で洗うような一連の不可能な仕事を成し遂げてくれれば再び恋人になれるだろうと語る。
という歌らしい。意味合いとしては、作品の内容にあっているので、元ネタがサイモン&ガーファンクルということだけではなさそうな演出だな、と私は思った。
しかし、せっかくの演出もコマーシャルで散々「短い生命を精一杯生きた少女の物語」というフレーズをくりかえし見ていたせいか、「どうせ悲劇的結末になるんだろうなあ」と邪推しながら見ていた。
すると本当に悲劇的な結末にはなったのだが、ある意味やや救いを残すような終わり方にもなっていた。私は見ていてモヤモヤした感覚が残ってしまった。
悲劇というのはよほいい上手く幕引きを計らないと、ただの残酷ショーになってしまう。アニメではないが、仮面ライダーアマゾンズの2期も幕引きをミスった感じが私にはした。
「終末なにしてますか?忙しいですか ?救ってもらっていいですか?」もご多聞にもれず?雰囲気に流されてツメが甘い感じが私にはしていた。
せっかくクトリを魅力的なヒロインとして丁寧に描いていたし、声優陣の熱演も好感がもてたのに。もともとヒロインが短命なのをうたっているなら、より最終回は丁寧に描いて欲しかったな、というのが、私の偽らざる感想。
必要以上にヒロインをズタボロにしながら、バックにスカボローフェアーを流す…なんか「これじゃない感」が半端なかった最終回だった。