[アニメ感想] 2017年冬アニメ完走分感想文 小林さんちのメイドラゴン
2017/06/25
朧塚という街に住むOLの小林さんは、酔った勢いから異世界のドラゴン・トールを助けた。トールは理由があって故郷に戻れないこともあり、人間のメイドに姿を変えて、小林さんの自宅に住み込んでお世話を始める。そして、小林さんの許にはトールを初めとした様々なドラゴンが集まるようになっていくのだった。(あらすじはwikipediaより)
日常に溶け込んでいた非日常がある日突然きえていなくなる。そんな体験は切なく寂しい。私が見てきたむかしのアニメでもそんな切ない別れを描いた作品がたくさんあった。
で、小林さんちのメイドラゴンも系列的にはそんな日常系の寂しい最終回を彷彿とさせる結末を用意してきた。この最終回自体の出来は決して悪くない。それまでの話数で伏線も匂わせてはいた。しかし残念ながら全13話では、最終回までの「ため」が不十分なのではないか?と私には思えたのだ。
ワンクールでワンシリーズ完結という制作スタイルではある程度完結させないとすっきり終わることができない事情があるのはわかる。わかるのだが、なまじ最終回がよくできていただけに、タメがたりないというのは、なんだかとてももどかしい感じがした。
あの最終回は来るべき本当の最終回に温存しておいて欲しかった。トール父のラスボス感が半端ないだけに、余計にもったいなかった。出し惜しみしないのは素晴らしいのだが、もし二期があった場合、あの最終回を上回るラストを作るのは難しくないだろうか?私には最後までその疑念がどうしてもぬぐいきれなかった。
それを除くとワンシリーズ通してとてもたのしめた作品だった。ドラゴンもそうだが、小林さん自体が大変魅力的にえがかれていて、みていてほっこりさせられた。こういうクオリティの作品を生み出す京都アニメーションの実力はやはり大したものだと言わざるをえない。