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[アニソン] アニメ的音楽徒然草 がんばれば、愛

2017/03/07

今回はクレイジーパーティーの「がんばれば、愛」をご紹介します。この曲は映画「がんばれ!! タブチくん!!第2弾 激闘ペナントレース」と「がんばれ!! タブチくん!!
初笑い第3弾 あゝツッパリ人生」のエンディングとしてそれぞれ使われています。ちなみにOPテーマ「がんばれ!! タブチくん!!」第一弾のED「WAOH!!」もクレイジーパーティーが担当しています。

簡単に「がんばれ!! タブチくん!!」のあらすじをご紹介しましょう。

いしいひさいちが「週刊漫画アクション」に連載した、4コマ球界ギャグマンガを原作とする劇場用アニメシリーズ第1作。全9話の短編で構成され、どの話から入場してもOKというのがセールスポイントだった。西部ライオンズのタブチ選手は、大好物のタコヤキがたたっておなかの肥満化が進行。野球のプレーにも支障が出るほどだった。ライバルのヤクルト選手ヤスダとは意地を張り合いつつ、今日もタブチはチームのためにバットを振るう・・・(あらすじはYahoo映画より)

さて「がんばれば、愛」は作品内容と裏腹になかなか歌詞がシニカルです。がんばれど、がんばれど、最後はDEADしてしまうというかなり強烈な内容ですね。確かに1980年代というのはがんばれば、愛も家もどうにか手に入った時代でもありました。また1980年当時は過労死なんて問題にすらなっていませんでしたからね。今の時代に見てみると結構痛烈な感じがします。とはいえ、1980年当時はがんばってもがんばっても笑いがおきてしまうタブチくんというのは結構いいポイントをついていたなあと思います。のちにダイエーや楽天で監督・コーチを歴任した時はもうこのアニメで揶揄されたことも世間では忘れられていました。人気があったので、TVアニメ化も企画されたものの、主演の西田敏行さんが多忙故、実現しなかったことと、肖像権の問題からなかなか繰り返し上映したり、商品化するのが難しかったという事情もありますが、モデルになった選手たちにしてみたら、ずっとこのい作品のイメージで語られるよりははるかにましだったのでしょうね。

この「がんばれば、愛」を歌っていたクレイジーパーティーの正体は、後にスターダストレビューとしてデビューする根本要さんと大滝詠一さんのコンビでした。根本さんはスタレビ時代にも「バツ&テリー」という野球物の劇場用アニメで主題歌を担当してますが、つくづく野球に縁があるんだなと思わずにはいられないですね。大滝詠一さんは大のジャイアンツファンとして知られ、自身のアルバムに「ベースボールクレイジー」をはじめ、結構野球をネタにした作品を多く残しています。

もっとも「ベースボールクレイジー」に関していうと私が当時応援していた近鉄バファローズだけが歌詞に登場しないため、正直不満があります。ちなみに大滝さんの楽曲はほかにも2012年に放送されたアニメ「夏色キセキ」の第五話で「空飛ぶクジラ」がカバーされ使用されています。

こうした例は今後増えていくと思いますが、大滝詠一さんが生前書き下ろしてご本人が歌唱した唯一のアニソンとなったことを思うと、「がんばれば、愛」というのは数奇な運命をたどっていますね。ちなみに「がんばれば、愛」は「大滝詠一SONG BOOK Ⅱ」に収録されており、CDで聞くことが可能です。大滝さん亡き今となってはクレイジーパーティーの再結成もできませんので、本編の「がんばれ!! タブチくん!!」を含めて、時代のあだ花だったのだなあとつくづく思う次第なのです。










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