[アニソン] アニメ的音楽徒然草 今夜はハリケーン
2017/02/22
今回は1987年から1991年にかけて発売された、全8巻のオリジナルビデオアニメーションシリーズ「バブルガムクライシス」。その主題歌である「今夜はハリケーン」をご紹介します。
この作品はやはりこの年代特有の音楽に力を入れたハイティーン層向けアクションアニメの一つで、装甲強化服を纏った闇の仕置人・ナイトセイバーズが、晴らせぬ恨みを晴らし、世の悪を葬るという、必殺テイストの入った作品になっています(実際に必殺に対してのオマージュであることは藤田プロデューサーが語っていました)。
また当時流行っていた美少女と戦闘メカとエログロ描写を盛り込んだうえで、ちょっと陰のある描写をいれた、いわば当時の流行からして「ヒットしないとおかしい」作品でもあり、シリーズ終了後も続編やテレビシリーズが作られたりしたほどの人気作でもあります。
この時代、なぜか主題歌アーティストが主演声優を兼ねることが多々ありましたが、昨今の有名人声優同様、周りから浮いて聞こえるため、あまり評判はよくなかった記憶が私にはあります。当初主人公プリスを演じていたのが、「今夜はハリケーン」を歌っている大森絹子(のちのSILK)さん。実は今年の正月休みに久々にPART1だけ見返してみたんです。昔ともしかしたら印象が違っているかなと思って。でも歌は文句ないんですが演技は今聞いてもいかんともしがたいというか・・・ネットが当時あったら炎上ものだったでしょうね。
「今夜はハリケーン」はその主人公プリスが冒頭のライブシーンで歌う場面で使われています。昨今のバンドアニメや音楽題材のアニメが観ていると、やはり絵的にも食い足らない部分はあるのですが、楽曲の疾走感は今観てもかなり気持ちがよいので、ついつい騙されてしまいそうになります。それもそのはずで、作詞・亜蘭知子、作曲・鈴木キサブローという豪華タッグの手による逸品
ですから、そりゃ聴きごたえもあろうというjものです。ちなみに作曲陣には馬飼野康二さん、織田哲郎さんらそうそうたる顔ぶれが並んでいますし、ヴォーカルものちにB・Bクイーンズとしてもブレイクする坪倉唯子さんも参加しており、いかにこのアニメが音楽に力を入れていたかがわかろうというものです。
「今夜はハリケーン」もそうですが、基本この80年のアニソンは雰囲気重視で内容には寄り添った歌詞がつけられているわけではありません。しかし今の時代のようにワンクール12話〜13話内で煩雑にテーマ曲が変わるわけではないため、作風が雰囲気重視でもこの曲が流れれば、この作品という感じで、内容を連想することができます。バブルガムクライシスはテレビアニメではなかったため、各巻ごとに主題歌は異なりますが、楽曲にかなり力を入れて作られていたこともあり、どの主題歌も人気を博しています。中でも特に、イメージ的にPART1の主題歌でもあった「今夜はハリケーン」を連想しやすいというのはある意味当然でもあったりするのです。