プロレス的音楽徒然草 “AO”corner(アレクサンダー大塚のテーマ)
魂揺さぶる入場曲
今回は総合格闘技とプロレスをまたにかけて活躍されているアレクサンダー大塚選手の入場テーマ「”AO”corner」のご紹介です。
アレクサンダー大塚選手は高校時代にレスリング部に所属。部の先輩にはみちのくプロレスの新崎人生選手がいます。1995年8月18日、プロフェッショナルレスリング藤原組でデビューし、その後格闘探偵団バトラーツでも活躍。
1998年から総合格闘技への参戦を開始し、PRIDE.4でのデビュー戦では、マルコ・ファス選手をハーフガードポジションからのパウンドで流血させて戦意喪失に追い込み、TKO勝利を収め一躍名声を高めました。
プロレスラーとしての活動も継続しており、2005年10月9日からみちのくプロレスでは「男盛(おとこさかり)」としても活動する傍ら、2011年12月25日のACCELにてボブ・サップ選手と対戦。久々の総合格闘技復帰戦も果たしています。
故郷の名を冠した技
アレクサンダー大塚選手の技で有名なのが「眉山(びざん)」です。技名は大塚選手の地元、徳島県徳島市にある山が由来です。高校時代の先輩である新崎人生選手とタッグを組んだ時に一度だけ披露された技です。
相手のバックに回ってジャーマンの体勢に入ったアレクサンダー大塚選手を、さらに新崎人生選手がバックから抱え、二人いっぺんに投げ飛ばすという仰天の連携技です。
ところが、この眉山が独り歩きを始め、現在は関本大介選手&岡林裕二選手のコンビが大技として受け継いだり、NOAHで拳王選手が師匠・新崎人生選手との同郷師弟タッグで敢行したり、海外でも使用例が見られるなど、今やポピュラーな技になっています。
青西高嗣の名曲
さて、アレクサンダー大塚選手の「”AO”corner」は、兵庫県を拠点に活動するシンガーソングライター、青西高嗣さんのファーストアルバム『AO corner』に収録されている楽曲です。
青西高嗣さんは、柳葉敏郎さんや勝俣州和さんの付き人を経て、「日本全国を挑戦者にしよう」という壮大な計画の筆頭者として、自らのチャレンジ「仙台、福岡、大阪、東京24時間ライブ4連発+α=100時間」を完遂されています。
この不屈の精神に溢れた行動は、どこか格闘技的な印象を私に与えますが、楽曲の歌詞もまさに「たたかい」を彷彿とさせる内容です。ただ、私個人としては歌詞から連想される光景はプロレスではなく、ボクシングのように感じますが、これも解釈は人それぞれでしょう。
青コーナーの闘志
そもそも王者や上位者が赤コーナーなのは、向かい側のリングが青色に見えることで、心を落ち着かせる意味合いがあると言われています。逆に青コーナーから赤コーナーを見ると、挑戦者の立場として闘争心を煽るメカニズムになっているわけです。
この曲を使い始めた時代のアレクサンダー大塚選手はチャレンジャー的な立場でした。ベテランとなった今も使い続けているのは、キャリアを経ても挑戦者精神を忘れないというメッセージではないかと私は想像しています。
焦らしが呼ぶ歓声
アレクサンダー大塚選手がプロレスの枠を超えて有名になったのは、やはりPRIDEでの活躍が大きかったでしょう。「”AO”corner」は前奏の長い入場テーマとしても知られています。
静かに、しかし激しく歌い上げるイントロから、転調して一気に盛り上がるあたりで、観客を焦らしに焦らしてアレクサンダー大塚選手が登場すると、会場のボルテージは最高潮に達します。
最近はこの焦らし演出を冗長と感じる層もいるようですが、あの「間」こそが醍醐味だと私は思っています。
勝俣州和との繋がり
青西さんが付き人を務めていた勝俣州和さんは、プロレス好き芸能人として有名です。この曲がアレクサンダー大塚選手のテーマに起用された経緯は定かではありませんが、「もしかすると勝俣さんの影響があるのかもしれない」と想像すると面白いものです。
付き人という仕事柄、共に過ごす時間は長いはずです。テレビでの勝俣さんの様子から推察するに、普段から熱くプロレスを語る姿が容易に浮かんできます。
青西さんがその熱量に触れ、何らかの影響を受けていたとしても不思議ではありません。そんな背景に思いを馳せながら聴くと、「プロレスファンでいて良かった」としみじみ感じるのです。
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