プロレス的音楽徒然草 サンダーストーム
絵本モチーフ
今回は2015年11月に引退された天龍源一郎さんの入場テーマ、サンダーストームをご紹介します。
この曲は高中正義さんが1981年に発表したコンセプトアルバム「虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS」の中の一曲です。
「虹伝説」は、イタリアの画家ウル・デ・リコの絵本「虹伝説」から得たインスピレーションによって制作した作品で、同年の第23回日本レコード大賞企画賞を受賞したほか、アルバムとともにその世界観をステージに再現した大掛かりなライブは大反響を起こしました。
うる星やつらでも
また、当時高中さんが所属されていたキティレコードが音楽制作を担当していたアニメ「うる星やつら」でも度々高中さんの楽曲が使用されており、この時代のフュージョンブームと相まって高中さんの音楽はあちこちで聞くことができました。
うる星やつらで使用されたのは、おそらく高中さんのバックバンドに参加されていた小林泉水さんが、うる星やつらの主題歌を手がけた関係も少なからずあったのではないか、と思われます。
コンセプトアルバム
実は、私が高中さんの曲に出会ったのは、うる星やつら経由でした。というのも、山口県では日テレ系列の地方局がありながら、全日本プロレス中継が放送されていかなったためでもありました。
このサンダーストームは先ほども書いたようにコンセプトアルバムで、楽曲が始まる前の冒頭に英語のナレーションが入ります。
雷鳴が追加
もとが絵本ですから、そういう構成になったのでしょう。
しかし天龍さんのバージョンでは、このナレーションはカットされています。かわりに雷鳴音源が追加され、曲のイントロ部分が一部カットされています。この雷鳴音源はアルバム「プロレスQ9」に収録されています。
ライブ版も存在する
ちなみに、天龍さんの引退興行で高中さんが披露してくださったサンダーストームは、高中きんの名曲ブルーラグーンなどを散りばめたスペシャルバージョンで、高中ファンならずとも感涙モノのステージになっていました。
高中きんのライブには学生時代一度だけ行かせていただいたことがあります。サンダーストームこそ生では聴けませんでしたが、ブルーラグーンをはじめとする名曲の数々に鳥肌がたったのを覚えています。
またアンコールではなぜか玉乗りしたまま演奏するというかなりビックリする演出までみせてくれました。あれから30数年を経ても、未だに高中さんの演奏には聞き惚れてしまいますね。
OCEAN BREEZE
ちなみにサンダーストームのライブ盤は1982年に発売されたライブアルバム「OCEAN BREEZE」で聴くことができます。
実はサンダーストームについていうと、バップなどの全日本プロレス入場テーマアルバムなどに収録されている無数のカバーバージョン、あるいは、WAR時代に別のギタリストがてがけたバージョンなど様々なカバーが存在しますが、やはりオリジナルに勝てるバージョンは存在しないというのが私の持論です。
オリジナルが№1
天龍さんは一時期SWSが用意したオリジナルテーマを使用したことがありましたが、SWSファンからも不評だったせいか?やがてサンダーストームに戻りました。SWS時代だと私が記憶する限り対ハルク・ホーガン戦で一度だけ使用された(はず)ゴジラの咆哮が加えられたバージョンもなかなか捨てがたいですね。
あとはやはり全日本時代に合体テーマの先駆けにもなった鶴龍コンビの入場テーマも忘れがたいですが、これはあまりに印象が違いすぎるので、項を改めて扱いたいと思います。
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