私的プロレススーパースター烈伝#74 高木三四郎
メジャーのバックボーンがない
今回は高木三四郎選手の話をしてみようと思います。
高木三四郎選手というのはメジャー団体出身のバックボーンを持たない選手の一人でもあります。ですので DDT を旗揚げした当初からメジャー団体の技術といったものに関しては非常に貪欲に吸収しようとしておりました。
DDT の歴史を振り返ってみますと最初期の頃に DDT に技術を提供してきたのは仮面シュータースーパーライダー選手、そして今は亡き宇宙パワースーパー宇宙パワー選手でこと、木村浩一郎選手でした。
このお二人が来る日も来る日も向かってくる DDT の若手たちをフルボッコにして今日は良かった、今日は悪かったというのをリング上で言うのが恒例行事になっておりました。
その中から這い上がってきたのが DDT の1期生と言っていいでしょう。
団体が生き残るための戦略
こうした形からそのいろんな選手が急に上がってくることになります。
レジェンドプロレスラーからメジャーを体験した選手達で直接の師匠に当たる鶴見五郎選手も含めまして結構な数の選手達が上がっておりま
これは団体として生き残っていく上の経営戦略とも繋がってくると思うんですけれども、従来のDDTですと、プロのプロレスリングに移行するにあたっての心技体の部分でのおそらく技と体に関してはある程度のところまでは行っていると思うんです。
メジャー団体とも互角に渡り合えるそういった選手たちも出てはきておりますですけれども後一歩が足らないそこは何かっていうことになってきますと、心技体の「心」の部分だと思うんですね。
これは大物に短期間でシリーズに参戦していただくという形ではなかなか身につかないものではないだろうかというふうに思うわけです。
「心」を教えられる人材
DDTは幸いなことには経営も順調でありまして、環境としては申し分ありません。
また選手の数も非常に多く将来性のある若者もたくさんおりますそうした若者たちに対して、「心技体」の中の「心」の部分を伝えられる選手というのを、大社長は長らく探していたのではないだろうかというふうに思うわけです。
そこで降ってきたのが WWE に行くことになっていたにも関わらず、こうした状況下においてアメリカに行くことが叶わなくなってしまって、全日本の中で宙に浮いてしまった秋山準選手の存在であったわけです。
普段から SNS に関しては非常に目ざとく細かいところまでチェックしている大社長のことですから、これに飛びついたわけですね。
そして見事なぐらいに秋山準選手の一本釣りに成功したわけです。
長く道場にいてこそ
これは非常に大きな出来事でありました。これまでのゲスト参戦であったならば今までと大して変わらないわけです。
しかし心技体の心の部分は長く道場に在注してもらわないとなかなか難しいものがあってくるわけですね。
プロレスの「心」の部分を、秋山選手が若い選手たちに植え付けることによって、ベテラン選手にも大きな気づきを与えられるはず。
そういった形でDDT の大きな改革に乗り出しているのが現在の高木大社長ではないだろうか、という風に私は思っているわけです。