プロレススーパースター本烈伝・ミスター・デンジャー―プロレス危険地帯
解説
プロレスラー歴10年、現在はステーキ店「Mr.デンジャー」経営と二足のわらじを履く著者が、いろいろな選手、団体関係者との泣き笑いやプロレスへの熱い思いを語る。(解説はAmazonより)
自伝的内容
「ミスター・デンジャー―プロレス危険地帯 」はデスマッチファイターとして鳴らした松永光弘「もと選手」の半生を語った自伝的な内容になっている。
「ミスター・デンジャー―プロレス危険地帯 」の主な内容は2点。
レスラー時代と第二の人生
ひとつはレスラーとしてのきっかけである寛水流空手から誠心会館、FMW、パイオニア戦志、新日本プロレス、W★ING、IWAジャパン、新生FMW、大日本プロレスといった現役時代。
そして今も生業とされているステーキハウス・ミスターデンジャー開店までの流れの2つである。
のしあがるには
一般に、インディーの選手はレスリングができないというが、だからといってレスリングができてもメジャーに勝てるわけではない、と言い切っているのはある意味潔い。
そんなインディーでのし上がるにはどうすればいいかを、松永さんは冷静な視点で考察している。
世の中を見定めるセンス
ある意味松永さんの生き方を記した本だともいえる。
松永さんのように、世の中を見定めるセンスとともに、きちんと努力もする人間はどんな仕事をしても成功すると思われる。
かくあるべし
実際、現在のステーキ屋「Mr.デンジャー」も、ちゃんと丁稚から修行して現在に至ったことを考えると、松永さんは成功者の部類に入る。
プロレスラーの第二の人生とはかくあるべしという指南にもなっているといえるだろう。
暴露本の類いではない
逆に言うと、一般の仕事をプロレスより下にみていたり、プロレスしかできることのない選手は引退後の人生設計が難しいという事にもなると思う。
この本は発売当時に定価で買った一冊だが、暴露本の類いとは少し異なる内容で、感心したのを覚えている。
それは時を経て読み返しても色あせなかった。
プレミアがつくことは稀
なお、定価1980円の本が、2022年5月現在Amazonで45000円もの値段がついている事には正直衝撃だった。
かつて松永さんが後楽園の二階からダイブして、週刊プロレスの表紙になったとき以上の驚きだった。
プロレス本は中古になると大概二束三文で売りに出されていることが多く、プレミアがつくことは稀なのだが、そういう意味でも面白い本だなと私は思っている。