DRAGON GATE TRUTH GATE第6戦:下関大会
(2013年2月4日(月):山口・海峡メッセ下関:550人・満員)
イントロダクション
多分記憶に間違いなければ二月にドラゲーが下関に来たのって相当前だと思う。大体春先と夏の終わりの二回だったように記憶してるから。しかも去年は一回しかきてないし、その上、翌日が新日の大会があって入りでも苦戦を強いられたのでそこは作戦変更してきたんだろう。
九州ツアー最終戦と銘打たれていたがまあツアー自体にそれほどテーマはないし前日が博多でTVマッチというコースが最近多いので、この日も見えないように省エネなカードを工夫してきていた。この辺はドラゲーはうまい。でも何回も続けて見てると穴が見えるんでマッチメークはもうひと工夫かな?
オープニング
それでもあいだをあけたことと、二月にしては春の陽気(雨だけど)に助けられて会場はなんとほぼ満員!
もっとも東と西は3列しかなかったけどそれでも大健闘だろう。前後に競争相手もいないし、前日のTVマッチがいい宣伝にもなってるし。これはびっくり。お陰で普段なら真ん中あたりに座れるのになんと超久々に通路側での観戦となった。でもこれはこれで選手入場の臨場感が楽しめるし良しとしたい。
第一試合:タッグマッチ
土井成樹&○リコシェ(12分11秒、Die Fly→エビ固め)斎藤“ジミー”了&●ジミー・神田
なんと久々にきてみたら四大ユニットの内、ジミーズとベテラン軍がやたら幅をきかせていた。しかしこれでは時計の針が逆進してしまった感が否めない。そもそもW1にしたってマイクで土井と吉野が自らばらしていたようにリコシェ除くと30代。ある意味「若さ」が売りだったドラゲーも地味に高齢化の波が押し寄せている。
しかも第一試合はとにかく盛り上げ担当なんで新人同士の試合とかいうのはまずない。だから悪く言うと内容は保証されてるわけでこれが長年やってきたドラゲーのノウハウではあるんだけどやはり将来有望なスター候補が見当たらない現実は否定できまい。
そりゃはえぬきのメンバーのコンディションは年齢から考えると驚異的ですらあるんだけど、それゆえ新鮮な驚きを与え続けてきたドラゲーにその刺激が薄まってることは事実だろう。
だから試合は悪くないんだけど予想通り盛り上がって予想通り会場は温まった。あえて「進化」の部分を探るならやはり数少ない20代のリコシェの技が来るたびに進化し続けてることでフレッシュな点といえばそれくらい。
しかし仮にも新日の次に集客力のあるドラゲーにだんだん未来が感じられないようになってるのはやっぱまずいと思う。課題は新人育成だよなあ。
第二試合:シングルマッチ
○望月成晃(11分07秒、ツイスター→エビ固め)●谷崎なおき
カード自体とにかく二大勢力のジミーズ対ベテラン軍という構図が多くどこ見てもどっかで見たことある絵が増える。その上、前日の博多の余波で選手を休ませたい意向を反映してか
第二試合と第三試合は決まってシングルというのがここ数年のドラゲーのパターン。一見するとシングルだから誤魔化しきかない感じはするんだけど、選手を間引きしてるのは見え見え。
でもやっぱ年長者のモッチーが頑張ってると勇気づけられるんだよな。しかも第二試合といえどシングルマッチ。大試合の翌日も体を張り続けるモッチーには本当に頭が下がる。
いつも第二回スーパーJカップの大谷戦が頭をよぎるんだけどあの頃と遜色ないコンディションを常にキープしてる。まあそれでも自分よりは年下なんでベテラン扱いするには若干抵抗があるんだけど、でも本当よくやってると思う。
一方の谷嵜は逆に若さが感じられなかった。モッチーがあれだけやってるんだから本当に地味になっちゃ意味がない。まだ一発食ってやるという価値は今のモッチーには十分あるんだからキャラを考えずにもっと貪欲に攻めて欲しかった。今のままだとジミーズの「その他大勢」になりかねないよね。
第三試合:シングルマッチ
○吉野正人(10分15秒、ソル・ナシエンテ)●ジミー・カゲトラ
休憩前の締めはこのカード。悪くはない。だがカゲトラって来るたびにキャラが変わっていてよっぽどのドラゲーおっかけでもないと混乱すると思う。この辺もファンクラブを相手にのみ試合してる感が強くて一般ファンがおいてけぼりになってる気がするんだよなあ。
なんかこれ!っていうものがいつも足りない感じがする。少なくとも吉野に勝てそうな気がまるでしないというのではいくらシングルマッチでも興ざめしてしまう。大型外国人に軽量の選手が挑戦する構図ならまだしも同体格の吉野に勝てそうな要素をカゲトラに感じられないというのはちょっとまずいような気がする。引き合いに出すようで悪いけど前日がむしゃらでたまたま見た新日後楽園では次期エースのオカダがみのるに負け、IWGP王者の棚橋がジュニア王者のデヴィットにピンフォール負けという超意外な結末をみせられていただけに、よっぽどの事がないとやっぱ守りに入ってるように見える。
新日を引き合いに出した理由はもう一つあって地方で集客できるのは新日とドラゲーだけといっていい現状下、もはやメジャーの一角をになってるという自覚をドラゲー全体で共有して認識して欲しいのだ。その分の責任は重いし、要求されるものも以前よりはさらに高くなってることも理解して欲しい。
だからこの試合も内容は悪くないんだけど印象には残らないカードになっちゃった。残念・・・・
第4試合:セミファイナル
○鷹木信悟&YAMATO(14分20秒、フランケンシュタイナー→エビ固め)●堀口元気H.A.Gee.Mee!!&ジミー・ススム
暁の立ち位置がどうも不明確で確かに個々の選手の人気は高いけどじゃそれで一般相手に切符が売れてるのかと言われれば疑問だろう。登場時がセンセーショナルだったYAMATOがどうしても劣化してるように感じられるのはやはりまずい気がする。特に髪切ってからは普通の若手エース候補生みたいに印象になってしまい、一度はこれで天下をとりかけたスリーパーも最近ではほとんど見ない。今のままだとCIMAに勝った時点が全盛期になっちゃうんでこれはまずいでしょう・・・・
逆にいうと堀口のブレのなさは際立っている。色々キャラチェンジしてきてるのに一貫して堀口元気を貫いている。HAGEネタも飽きられそうで飽きられない。この辺は本当に頭使ってるよなといつも思う。
この日YAMATOにおっ!と思ったのは堀口に逆さ押さえ込みを使った時くらいなんだけど
かえって「神が宿ってない」ことを証明したみたいでこれもマイナスにうつってしまった。
やはり「掟破りの逆~」を仕掛けるなら技は選んだほうがいいと思う。
第五試合:メインイベント
B×Bハルク&戸澤陽&●問題龍(18分43秒、シュバイン固め)○CIMA&ドラゴン・キッド&Gamma
かえってきたベテラン軍とジミーズが幅をきかせていたおかげで時計の針が逆進した感があった本大会。そのメインにはやっぱベテラン軍がいた。いやこの年齢でこれだけのコンディションを維持できてるのは本当に素晴らしいし試合に関してのみ言うなら文句の付けよう
がなかった。ただCIMAらしからぬ失点を試合後してしまったのがこの大会の評価を一気に下げてしまったのは残念でならない。
最初マイクで問題龍に毒づいていた時点ではCIMAの独壇場だった。勝って気分もよかったし、入りも沸きも最高で確かにハイにはなっていたかもしれない。でも・・・
ドラゲーになる前の闘龍門時代、今みたいに不定期ではなく月一深夜でTNCがTV中継していた時代があった。その頃はメッセもフルスペース使い、何度かTV中継も入った。即日放送を原則にしていたので中継車をわざわざ福岡から手配してその場で編集して深夜の放送に間に合わせていた。そういう歴史があったからこそCIMAがいった「重大発表」=「次回下関大会のTV中継決定」の報に観客は最高潮に盛り上がってこたえた。
それから幾年月が経過してやはり斜陽の波には勝てず規模も縮小してTV中継もなくなっていった。いくらこの日がほぼ満員といっても急にTVマッチはないよ、というのは冷静にあとになったらそうだよなとは思う。
でも、だ。過去の歴史を踏まえた上でしかもメイン終了後サプライズ形式で団体の看板選手がマイクで宣言したら誰もウソだったなんで思わないだろう。
その上、「昨日TNCの上層部と話しました」「200万かけて照明もセットします」「生中継にします」(まあここらがCIMA的には嘘だとわかってという部分なんだろう)「4大タイトル戦も組みます」と言われればいやがおうでも期待はするでしょ。それが「できたらいいな」で締められたらやっぱ「ええ~~~~~?????」ってなるでしょ?もともといたずら好きなCIMAにしてみればリップサービスなつもりだったんだろうけどこれは明らかにマイナス。
その上「それができるかどうかは皆さんの頑張り次第ですんで」と勝手にお客に匙をなげてマイクを終えてしまった。
だったらだ。今できないことをいうんであれば例えば「かつて下関でもTV中継がありました。皆さんの熱気でもう一回TVマッチができるくらい盛り上げていきましょうよ!」くらいのことは言えたはずなのだ。
それを「やります」といって「できません」というのはフレアー詐欺とどこが違うの?
っていいたいし、CIMAにしては場の空気も読めないマイクでこれはいたずらが過ぎた
とかいうレベルの話ではない。
クレージーMAXのころならいざ知らず団体のトップがこんな軽々しい発言をしていいはずがない。
後記
かつて8.26で馬場さんが猪木さんの対戦要求を受諾したのはその場はああ収めないと場が締まらない事がわかっていたがためだし、ファンも馬場さんが受けるはずがないことは薄々感じていたはずだったからそれでもよかった。時代が時代だし、壁を乗り越えるには次期尚早でもあった。
しかし今回のCIMAの嘘発表は誰得?としかいいようがない。盛り上がった会場に水さして終わるなんてありえないし、冗談にしても場と空気よんでそれをうまくやってきたのが今までのCIMAじゃないのか?
せめて次回下関で年内にまたやりますよ!くらいでしめたほうがよっぽど気分よくかえることができたのに・・・・・
本当残念すぎる大会だった。