DDT Road to Ryogoku 2days in KOKURA~ドラマティック・ドリーム・鳥かしわめし~ (2013年6月14日・金:小倉北体育館)
イントロダクション
この日は夕方から雨の予報。しかもPM2.5の飛来で空気も悪い・・・しかし、そんなことはいってられない!なんせ7年ぶりのDDT小倉大会である。地方のいいところは博多だと7000円になる特別リングサイドが6000円になるところ。この1000円の差はでかい^^
んで今回はがむしゃらプロレスとのコラボもあるんで珍しく奮発した!!
しかし空梅雨ともなんともつかない今年の梅雨時は冷房いれても寒いし、きられると暑い・・・この日は冷房なしモードだったのでまあ暑いなんてもんじゃない。もっともがむしゃらリング設営隊は結構ご苦労されていたみたいだけど^^
オープニング
席は北と南が5列、西と東が三列で二階はなし。まあ実態に見合う並びではある。三分の二はがむしゃらの常連さんで後が地元の美月の手売り組かな?
でも途中で増席していたし最終的には大入りになったんじゃないかな?ちなみに来月のフリーダムス小倉大会の営業で佐々木貴選手がブースでチケットうっていた^^こういうのどかなコラボもまた地方大会らしい^^ちなみに佐々木選手はこの日も深夜まで。あけて土曜も
朝から営業活動で北九州一円を回っていた。本当殿の情熱には頭がさがる。
亜門GMと井上さんの前説で前日熊本大会で負傷した遠藤の欠場が発表され、カード変更が行われたがまさかこれが後々のネタになっていたとはこの時はつゆほども思わなかった・・・・
かくしていつでも挑戦権を持ってる石井の音頭で興業はスタートした。
第一試合:オープニングマッチ 30分一本勝負
◯マサ高梨(6分33秒 十字架固め)●谷口勇武
門司みなと祭りで大いに株をさげた谷口はストロング杉山のテーマで入場(といっても誰だかわかんないだろうけど説明はあえてしません^^)。私はアニメマニアだしゲッターロボもこよなく愛してるが、谷口にはこの曲使ってほしくないんだよなあ・・・いや、谷口個人に恨みが云々というより単純に似合ってないから・・・・やっぱ見られてる意識が低いというのは入場テーマにも出ている。
対するマサ高梨の入場テーマは「THE FIGHT」。ご存じ日本人最後のAWA王者マサ斉藤さんの入場テーマ曲なんであるが、古きよきAWAをこよなく愛し、ニックボックウィンクルを敬愛する高梨は最初「このテーマは自分ごときには恐れ多い」とあえてカバーバージョンにした経緯がある。つまりどういうことかというとプロレスに対する真摯な姿勢がもうテーマ曲を聞くだけでわかってしまうという事なのだ。
以下はウィキぺディアからの引用。
「相手がワルツを踊れば私もワルツを踊り、ジルバを踊れば私もジルバを踊る」(相手のスタイルに合わせてレスリングをする、つまり相手の持ち味を十分に引き出すのが私の役目、という意)というニックの言葉は、プロレスの本質を余すところなく表現した名言とされている(もともとは父親ウォーレンから教えられた言葉である)。
これを見事に体現していたのがこの日の高梨だった。きっとニックさんがこの試合をみたらお褒めの言葉を下さるだろう。プロレスでいう横綱相撲とはこういうことをいう。完璧すぎる試合だった。本当神業に近い領域にきてるよね。またいつの日かKO-Dのベルトを巻いて今度こそ約束通り九州にベルト姿で来てほしい。ぶっちゃけ相手は誰でもよかった。
むしろカードが変更になった事で高梨のシングルが見られたのは幸いだったとすらいえるだろう。眼福でした。
第二試合:DDT×がむしゃらプロレスコラボマッチ:30分一本勝負
高木三四郎&●ダイナマイト九州&鉄生(10分23秒 450゜スプラッシュ→片エビ固め)○MIKAMI&セクシーロージィ&ニコラス今中ジョリー
実は前回の営業で小倉入りしたときMIKAMIは臨時コーチでがむしゃらのメンバーに稽古をつけている。自身も4年前に参戦経験があるので何気に今のがむプロメンバーの実力を一番知ってる男。対する大社長は営業で来るときは試合とか練習つける時間がないので選手としての彼らを知ってるのは博多で絡んだことのある九州だけ。
ところがやっぱこのDDT創設メンバーの2人はそういう事をぬきにしても実に細かい配慮をしてみせる。プロレスに接待というものがあるとしたら特上級の接待なんじゃないかな?もちろん手心を加えるとかそういう意味ではない。相手がだれであろうとガンガンやって
いくのはこの2人ならでは。普段は寡黙なMIKAMIも大社長に乗せられて結構口でも絡んでくるし、ちゃんと各人の見せ場も用意している。さっき実際に手をあわせたのはMIKAMIだけとはいったものの大社長の目の行き届きぶりは半端ないものがあった。全てが見えているのだ。飯伏が見えて飛んでるのと同じで、大社長は絡んだ相手であろうがそうでなかろうが「全て見えている」。だから見せ場も用意できるし、試合も成立させられる。
これがビジネスマン高木三四郎のスキルでもあるんだが同時にレスラー高木三四郎のスキルにもなっているんだから大したものだと思う。
これに呼応する形でがむしゃらメンバーもスキル全開!もともともってるものが玄人レベルの集団なんだからできて当然と思われがちだけどそれでも皆よく頑張ったと思う。
提供試合という形ではなくコラボとしてプロ団体で試合するというのはもうパッケージとしての興業の一部を任されたも同然なんでそこは必死にならざる得まい。
普段ありえない顔合わせでもちゃんと試合になっていたのは彼らの精進によるところも大きいと思う。
MIKAMIのスワントーンボムと大社長の滞空時間の長いブレンバスターは最大級の敬意の証だったのではないだろうか。
第3試合:30分一本勝負
アントーニオ本多&○佐々木大輔(11分20秒 クロス・フェースロック)vs 男色ディーノ&●中澤マイケル
もともとこれはいつでもどこでも挑戦権を持ってる一人である佐々木に対して1対1では勝てないマイケルがディーノとともにハンディキャップマッチで佐々木からマイケルにその挑戦権を強奪すべくマッチメイクされたのに、遠藤の負傷でただのタッグに変更になったことにマイケルとディーノはいちゃもんをつけてきたところからスタートした。
困り果てたGMは条件として3分だけハンディマッチにして3分後にはアントンを混ぜた普通のタッグにすることで了承。
ところが、佐々木が予想以上に粘るためマイケルのメンタルが度々折れかかりディーノが喝をいれるべくマイケルに腕折を敢行したもんだから戦力ダウン^^
マイクでアントン入場まであと10秒というところでどう考えてもマイケルに勝ち目はない・・・しかしまさかのアクシデント!なんとアントンが入場時に転んで膝を負傷?そのまま控室に帰ってしまったのだ。
唖然とする佐々木にしめたとばかりに男色先生の集中攻撃。なんとかマイケルに花をもたせようと妙な男気を見せるディーノも必死だが、この2人相手に佐々木も必死の反撃。
しかしここで治療をすませて?ぶ厚いサポーターを膝につけたアントンが戦線復帰。これで勢いづいたモンスターアーミーは一気に反撃。アントンは膝を盛んに気にしながらもナイスアシストで佐々木を盛り立てる。こうなるとマイケルの旗色はだんだん悪くなる。
とうとうハンディを克服した佐々木はつに自らの手で挑戦権を死守!マイケルの野望は宙に消えた・・・
退場時にはまたしても男色先生はマイケルにアームブリーカーでお仕置きをしていた。
いや、よく考え抜いてるよ。遠藤の負傷から一日でそのハンデを逆にストーリーにかえてしまうあたりさすがDDT!細かすぎる芸当にはただただ脱帽するしかなかった。
第5試合:30分一本勝負
HARASHIMA&○美月凛音 (10分14秒 ジャーマンスープレックスホールド) 彰人&●久保希望
これも遠藤負傷の余波で変更になったカード。久保は繰り上げながら試合順は大幅UP!地元でいいところを見せるチャンスだが、それは美月も同じ。実は北九州出身で本格凱旋になる当大会に気合い十分で挑んでいたのは美月も同じだった。
初手合わせということもあって、ちょっと行き違う場面もあったが、上手にフォローし合って試合はだんだんかみ合っていく。もともと打撃系のHARASHIMAがいるだけにわかりやすい攻防が期待できたけどまあその通りになった。
耐える絵が絵になる男、久保希望の本領発揮になった展開で会場も大いに盛り上がった。
初登場の彰人はやはり試合数の豊富さが物語る通りUSTではなく実際に見てもかなりの逸材ではあった。うまくいけば先行してる入江の後すら追える才能はあるとみた。今後のDDTの新風景を作りだす一人には違いない。
試合はジャーマンで粘る久保から勝利をあげた美月。試合後なんと美月のお父さんが容体を悪くしてることが明かされた。美月のお父さんといえば、かつて博多でニラに人質にされたりしてて、その姿を覚えてるだけに、まさか入院されるほどお体を悪くされてるとはおもわ
なかった。
そりゃどうしても勝ちたいよね。この日の美月はなんか必死だったしHARASHIMAもそれをサポートしてたけど裏にはそんな事情があったのか。ぜひ来年の小倉大会には元気な姿をみせてほしいなと思った。
第5試合:セミファイナル 30分一本勝負
○入江茂弘&石井慧介&高尾蒼馬(9分26秒 フライング・ソーセージ→体固め)飯伏幸太&ケニー・オメガ&●大石真翔
チームドリフそろい踏みの試合というのははじめてかな?いつでもどこでも挑戦権をもった石井が負けると、勝った相手選手に挑戦権がうつる。まあ入江としても同僚の花道を守る使命があるのだ。というか今やKO-Dのシングル王者になった入江は団体の顔でもある。
誰であろうと躓きは許されない。
ここにゴールデンラバーズ+大石という超曲者トリオが立ちはだかるんだから面白くならないわけがない。
普段ディーノと絡むことの多い大石は普段通りおちゃらけてはいたが要所はびっしりしめるおなじみのスタイル。特に圧巻だったのは飯伏・ケニーと大石のトリプル場外ダイブでこれは絵になったなあ。
しかし飯伏が本気出す前にチームドリフは早い幕引きを狙っていた感もある。やはい個々のスキルでいうと実績をたっぷりもった相手が有利だし若さで押し切るのも一つの手ではあるからだ。
だから入江のフライングソーセージまでにもっていく分断の仕方はさすが私生活でも仲がいいドリフならではというか、見事に飯伏・ケニーを分断して大石をしとめたんだけど、この
相手に勝てる力をもってきたというのは成長のあかしかな?華やかな試合で魅了させてもらえて感謝!
メインイベント:○KO-Dタッグ選手権試合:60分一本勝負
<王者組>佐藤光留&○坂口征夫(17分19秒 胴絞めスリーパーホールド)KUDO&●ヤス・ウラノ<挑戦者組>※第47代王者組が2度目の防衛に成功
華やかなセミとは一転、空気がガラッと変わったメインイベント。小倉では珍しいタイトル戦はまさにハードヒット直輸入の激しい激しい試合になった。
当然今回のひかるんは変態モードではない。パンクラシスト佐藤光留として格闘界から転身してきた坂口を巧アシスト。コーナーからの指示はまるでセコンドのアドバイスの様に的確に坂口をフォロー。
タッグという格闘技にはないジャンルでベルトをまけたということはただ強いだけでは出来ぬこと。ましてや相手はかつてのタッグ王者であり強さとうまさを兼ね備えたウラシマクドウであるがゆえにここはこのタッグチームはがプロレス界で通用するかどうかが試されていたといっても過言ではない。
ひかるんもKUDOとの意地の張り合いを楽しんでいるかのように「全然きいてないんですけど!」と挑発を繰り返す。しかしそこで血が上るようなタマじゃないことはひかるんもいいながら承知はしていたと思う。
すきあらば何かしかけてくるヤスをかなり警戒していたみたいで、やはり打撃のないヤスに狙いをしぼりつつKUDOにもダメージを与えていかねばならない。
しかし、お互いのもってるものが違うとプロレスルールでも異種格闘技戦のような殺伐感は醸し出せるものだなあと唸らされた。かつてのUWF対新日のようなえも言われぬ緊張感で久々に締まったメインを見せてもらえた。
坂口がむしろ格闘家でデビューしていたのは今となっては幸いだったかもしれない。幼いころからプロレスを知り、そのうえで格闘技の世界を知ってる今の坂口のキャリアはそのすべてが武器になってる感じがした。
総合もやってるとはいえ、プロレス愛も人一倍なひかるんがここまでサポートしても肝心の坂口にそのスキルがなかったらタッグマッチ自体が成立しない。
本当DDTにあがって日に日にプロレスラーらしくなっていく坂口にはもはや父のビッグネームも必要あるまい。
この日一日でレスラー坂口征男は小倉のお客さんに認知されたといっていいだろう。
インディー最強を自称するひかるんは挑戦者があらわれないことに不満を述べてGMを呼びつけると勝手に時期挑戦者を竹下&彰人を指名。
呼ばれた彰人は大胆にも王者の顔に唾をはきかけいつでも臨戦態勢に。
そして結局竹下不在のまま後楽園でタッグ防衛戦が決定してしまった。彰人にしてみれば大チャンスである。が、今の坂口は格闘家ではない。格闘家の牙をもったプロレスラーなんでそこを誤らないようにしないといけないかな?
打ち上げ
打ち上げ会ではあまりの女性客の多さに大社長が目をまるくしていた。この日きていたのは大社長・飯伏・HARASHIMA・ディーノ・大石といった面々。一見さんも多かったのでマスターがルール説明。こういう配慮はうれしいね。 もちろん一番人気は飯伏だったけど全員がお目当てというかやっぱ一見さんとはいえ、がむしゃらにくるメンツは濃いわ^^
で、我々がむしゃらディープ組はそれをしり目にひたすら濃い話をし続けたので、まあそこにまざらなくて正解だったかもしれない。我々のマニアトークはきっと鬱陶しがられたと思うし^^
でもなんとか大勢いる中をかいくぐって飯伏とだけ写真がとれた^^
女性だけで二次会場のアニスピも満員になっていたそうだ。必然的に男子は別行動になったのでここでおいとました。終わってみれば実に濃い一日を過ごすことができた。また来年もやってほしいなあ^^ありがとうございました^^
しかしがむしゃらがらみでは三大会連続で雨・・・この空梅雨にはかったように雨が降ってるけどなぜ???