[プロレス観戦記] プロレスリングNOAH・LEC クリンぱっ! presents DEMOLITION STAGE 2021 in FUKUOKA(2021年10月30日(土)

せかぷろ

(2021年10月30日(土):福岡国際センター:観衆: 878人)

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イントロダクション

9月の入院時に「治療のための再入院」を考慮して、スケジュールを組んだ結果、10.30NOAH福岡、11.30プロレスリングFREEDAMS門司、

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12.5がむしゃらプロレス

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の三大会に行くようにした。

MY WAY対FREEDAMSや、アズール興行、華☆激などなど行きたい大会はたくさんあったが、いくら保険が降りるとはいえ、抗がん剤の治療費は存外馬鹿にならない、

まず、プロレスを見るにも健康な身体なくしてはありえない。だから、しっかり治療して、しっかりプロレスもみる!

今回諦めた大会は、完治後の宿題にしておけば、モチベーションの維持にもつながる。前回の入院時で、先に予定を組んで、それに向かっていくと、ネガティブな感覚にはなりにくい事を学んだ。今回もそれに準じたわけである。

とはいえ、入院前は何かと用事が多く、出て行くものも多い。

オープニング

昼飯済ませて福岡に移動。国際センターについたら、開場1時間前だった。非常事態宣言解除を受けて、玄関前のテントブースも復活!

しかし、私がついた時はまだグッズ販売が始まっておらず、スタッフがバイトの人に研修中。まだ完全には以前のようになってはいない。

待ち時間の間、Twitterライブでヨネ&タニーのファンキーコンビが、売店の消費紹介したり、レッスルユニバース会員に、中嶋勝彦のポストカード配ったり、色々サービスはたくさんしていた。

ただし、NOAHのベースボールシャツ配布はなかった。こんなことなら広島行けばよかった。

そして、会場に入るとカメラのSDカードが破損していたため、慌てて会場外のコンビニで新品買って、再入場。

中に入ると、たまたまロビーで、小峠選手がLEC クリンぱっ!の実演をしているとこに遭遇。黄色の法被が異常に似合う大阪商人っぷりだった。

<第1試合・6人タッグマッチ>

大原はじめ&岡田欣也&●藤村加偉 VS タダスケ&覇王&〇仁王
(11分41秒 ストゥーカスプラッシュ→片エビ固め)

稲村の復帰が決まり、同期の岡田としては、先んじて結果がほしい。ましてや、先輩ばかりとはいえ、6人中唯一のヘビー級となれば、簡単に負けるわけには行かないだろう。

隣にはフリーとはいえ、NOAH若手戦線のライバルである藤村もいる。確かに金剛ジュニアのメンバーは海千山千だが、岡田がこの中で埋もれるようだと、また稲村に先を越されかねない。そういう意味では大切なカードである。

ところが試合が始まっても、岡田にしろ、藤村にしろ矢野に対するジェラシーがあまりみえてこない。

それが新日とNOAHのカラーの違いといえばそれまでだが、少なくとも岡田はヘビー級であるならば、ジュニアを圧倒しなければならない。

ここに稲村が組み込まれていたら、また全然違う景色が見られただろう。岡田や藤村は最後までただの若手の域を出ず、それが惜しまれてならなかった。

一番ハツラツとしていたのが、金剛ジュニアと大原では、彼らの若さが武器にすらなっていない。この内容ではスーパーチャットを投げ入れる気にはなれないなあ。

<第2試合・シングルマッチ>

●日高郁人 VS 〇亜烈破
(9分48秒 空回弾→片エビ固め)

こちらは実力者同士のシングルマッチ。PERROS DEL MAL DE JAPON の日高は、何とかジュニア戦線で存在感をみせたいし、亜烈破は金剛ジュニアの一員として、これまた結果が欲しい選手。

となれば、いち地方大会のシングルマッチでは片付けられない意味合いもあるとおもうが、果たして…

試合は、日高のうまさと、亜烈破のスピーディーな動きが上手く噛み合ったいい試合になった。

しかし、亜烈破は身体能力が素晴らしいわりに、感情が表にあまり見えてこない。日高もそれほど喜怒哀楽を表にみせるタイプではないが、素顔の分だけまだ伝わりやすい。

亜烈破の能力は十分わかっているので、ここにもう+アルファをみてみたかった。

<第3試合・タッグマッチ>

〇拳王&征矢学 VS キング・タニー&●モハメド ヨネ
(11分02秒 P.F.S→片エビ固め)

レッスルユニバースでみた熊本大会でもそうだったんだが、タッグ王座を狙うと公言するファンキーの、今の立ち位置が微妙すぎる。

片や、熊本で望月成晃にナショナル王座挑戦を表明した拳王は、正直ファンキーなど眼中にいれたくないのが本音だろう。

ただ、特にヨネは百戦錬磨の手練れだけに、簡単に試合が決まるとは思えない。精神的には、金剛の方が負けられない闘いになると思われるが。

結果から言うと、やっぱりなんでこのカードが組まれたのか?さっぱり意味不明だった。拳王を除く三人は体もでかいし、ぶつかり合う迫力は確かにすごいんだけど、もう少し狭い地方都市ならわいたかもしれない。

国際センターというハコだと、これが中途半端に伝わらない。どうせならカード変更をしてでもモッチーと絡んだ方がまだよかったと思う。

拳王にとっても、ファンキーにとっても無駄な時間だったように思えてならない。

<第4試合・6人タッグマッチ>

小川良成&吉岡世起&●矢野安崇 VS Eita&〇YO-HEY&鈴木鼓太郎
(14分55秒 顔面G→片エビ固め)

10.28熊本大会で、この後HAYATAのもつGHCジュニア王座に挑戦する、NOSAWA論外から、大金星のピンフォール勝ちを奪った矢野安崇。そこに加えてかねてから因縁があった小川とEitaが熊本で開戦!

にわかに、注目度があがったこの試合。矢野が再び輝くか?はたまた小川とEitaの抗争にのまれてしまうか?

こっちも結論から言うと、矢野のサプライズは単発で終わってしまった。先発を買って出た矢野に対し、Eitaが「小川出てこい!」と挑発したからだ。しかし、これはEitaが悪いわけではなく、至極当然の流れ。

そして、Eitaの挑発にのらず、小川がのらりくらりとかわしていき、PERROS DEL MAL DE JAPON のヒートを買っていくのだが、結果的にはこれが裏目に出て、またしても小川はEitaに水をぶっかけられるというさんざんな結末になった。

ただ、これもどっかの地方大会でやって、決着戦を博多でやったらもっと反応が変わっていたと思う。結局、全部横浜武道館の予告編のような扱いにするんだったら、新日本とやっていることはそんなに変わらない。

これがメジャー復権だと思い込んでいるんだったら、とんだ勘違いだと思う。

<第5試合・タッグマッチ>

杉浦貴&〇桜庭和志 VS 原田大輔&●小峠篤司
(16分26秒 腕ひしぎ十字固め)

熊本で、大激闘の末にナショナル王座を失った杉浦貴が、心機一転再スタート。福岡大会では、桃の青春タッグとぶつかるわけだが、注目はジュニアとそれほど体格差がない桜庭。

原田&小峠とはあまり絡んでいた記憶がないので、こちらは新鮮。対する桃の青春も、桜庭マジックには要警戒しているはず。

ある意味、大阪プロレス対UWFインターという超異次元対決でもある顔合わせだけに、興味は尽きない。

序盤は桃の青春が奇襲攻撃に成功。しばらくは原田&小峠の猛攻が続くのだが、一発一発が重い杉浦と、一発逆転の関節技をもっている桜庭はそこまで動じない。

むしろ桜庭は序盤にキック合戦をしかけたり、フィストドロップなどのプロレス技を楽しそうに繰り出していたのが印象的だった。この余裕の差が結局勝敗をわけたように思う。

最後は桜庭の指示で、小峠をかついだ杉浦。そこへコーナー最上段からダブルインパクトを決めた桜庭が、腕ひしぎにつないでタップアウト勝ち。ダブルインパクトからの腕ひしぎというのは、はじめてみたかもしれない。

<第6試合・GHCジュニアヘビー級選手権>

(王者)〇HAYATA VS ●NOSAWA論外(挑戦者)
(22分00秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め:※第46代王者が5度目の防衛に成功)

HAYATAとの前哨戦では、緩急自在のケムに巻くようなファイトぶりをみせてきた、NOSAWA論外。

そんなNOSAWAが、10.28熊本で矢野に初白星を献上してしまったから、穏やかではない。荒れ狂うNOSAWAは、カメラに八つ当たりして機材を破壊。

タイトルマッチ前に、チャレンジャーに暗雲漂う事態になってしまった。

さて、テクニカルな持ち味をもつ両者だが、プロレス頭もかなりいい。だからこそ、セコンドの介入もそつなくやって、乱戦の中決着かと思いきや、いきなり序盤から大乱戦。場外戦でまずNOSAWAが、続く第二ラウンドの場外戦では、HAYATAがそれぞれ大流血。

確かにNOSAWAは清宮との抗争で、流血をトレンドにしたけど、それはヘビー対ジュニアの、しかもノンタイトルで、清宮復活劇という流れの中で成立していたもの。

実際、前哨戦ではそんなそぶりは露ほども見せなかったのに、なんでタイトルマッチで流血?

あまりに「らしからぬ」展開にしばし呆然としてしまった。もともと望まないタイトルマッチだった事を考慮するなら、PERROS DEL MAL DE JAPON 総出で、HAYATAをいたぶって反則負けでも良かった。

この試合は、タイトルに変な色気をみせた論外と、流血につきあいすぎたHAYATAが、噛み合わないまま進めてしまった結果、なんとも言えない空気になってしまった、と私は感じた。

プロレスが上手い2人にしては珍しいミスマッチだったと思う。

<第7試合・6人タッグマッチ>

清宮海斗&マサ北宮&●稲葉大樹 VS 〇武藤敬司&丸藤正道&望月成晃
(21分07秒 シャイニングウィザード→体固め)

こちらは、やはり武藤のN-1 VICTORY決勝進出を阻止し、スランプから抜け出した清宮と、なんだかんだでタッグ王座に色気をみせている武藤との絡みがある。

GHC武藤政権時代には、タイトルマッチも経験した北宮は、N-1以降今ひとつ波に乗り切れてない分、ここで存在感をみせたいところ。

とは書いたものの、武藤対清宮は計三度、直近ではN-1 VICTORYでも対戦済み。しかも、そのうちの一度は国際センターである。となると、6人タッグでの激突にはそれほど価値は見出せない。

意地悪い見方をすれば、タッグ王座に色気がある武藤が稲葉あたりを倒して、北見や&清宮に挑戦表明するってあたりまでは想像していた。

ところが、現実はこのとおりの試合展開に。清宮がやった武藤のワザをパクるなんて真似は、それこそ藤波さんが散々やってきた「掟破り」である。

清宮が生まれる前の話だから本人には罪はないだろうが、そうでなくても、ある種意外性を出そうとしたら、それくらいしかなかったんだろう。

ぶっちゃけ清宮の掟破りはそれこそ3月のGHCでやるべきもんだろうと思うからこそ、これじゃない感が半端なかった。

どうせなら、他所でこの6人タッグ組んで博多でタッグ王座戦をやってくれたほいたがまだマシだった。我々は都会のビッグマッチの予告を見に来たわけではないのだから。

<第8試合・メインイベント・GHCヘビー級選手権>

(王者)〇中嶋勝彦 VS ●田中将斗(挑戦者)
(34分44秒 ヴァーティカルスパイク→片エビ固め:※第36代王者が初防衛に成功)

田中は杉浦に負けて、虎の子の世界ヘビーを失っている。しかし、対中嶋には過去三戦全勝。近々のN-1 VICTORYでも、中嶋に勝っている。

とはいえ、中嶋は福岡が地元だし、NOAHが世界ヘビーとGHCを同等に考えているわけがない。そうなると、田中の負けが予想できるが、ご当地レスラーがメインにでると、絶対負けないというのは、散々新日本がやらかしてきていて、イマイチ新鮮味に乏しい。

ムタのGHC挑戦というパターンも考えたが、セミファイナルで当の武藤がGHCタッグ挑戦を表明した以上、その線はないし、潮崎がいきなりでてきて挑戦というのも考えづらい。

となれば、サプライズはおきないので、あとは、ひたすら田中と中嶋が試合のクオリティをあげていくしかない。

正直セミまでがイマイチ盛り上がらなくて、メインに全て託された形で、試合のクオリティだけ上げていくのは、しんどい作業だったと思う?

田中と中嶋なら、短時間決着のひりついた試合にした方が印象に残ったかもしれないが、サプライズに頼れない分、結局GHCらしいマラソンマッチになった。

試合内容自体は決して悪いものではなく、むしろ名勝負の部類になるんだが、それが大会の満足度に繋がるかどうかは、ふたをあけてみなければわからない。

強いて言えば、中嶋が田中の肘を徹底して封じていたのは、過去を教訓に導き出した答えとしては、満点だったとおもう。

最後は力尽きて敗れた田中ではあったが、株は下がらなかったし、中嶋も難しい中よくまとめあげたと思う。

試合後マイクを握った中嶋が「生まれた福岡でタイトルマッチができて、嬉しく思う」というのは、多分本心だろう。

そして、どう時代が動くのかは示されないまま、「俺がNOAHだ!」で締めた。

確か中嶋本人も言っていたけど、生え抜きではない「外様」の自覚は、自分でもわかっているんだろう。

実際、同じインディ出身の田中にないピースであるGHCヘビーベルトを持っている以上「俺がNOAHだ!」という資格はある。

そもそも元ネタ?である「I’M、NOAH!」を口にしていた潮崎にも一時期「出戻り」という烙印がついて回ったくらいなのだ。

実際、NOAH生え抜きの選手は、自身を「NOAHだ」とわざわざ口にする理由がない。

という事は「俺がNOAHだ」と中嶋が口にしなくなった時点で、もしかしたら時代ははじめて動き出すような気がする。そして「俺がNOAHだ」と「時代」をセットで口にしている今は、おそらく見ている側の「違和感」はなくならないのかもしれない。

後記

三月の大会と比較すると、だいぶスケールダウンした印象は免れまい。

まず、土曜開催のせいか、やたら空席が目立った。特に東西の二階、三階席はガラガラ。これはカード編成だけの問題ではないだろう。熊本であれだけのものを見せられたあとの期待値の高まりに、NOAHが応えきれなかったのだ。ちなみに3月の大会は観衆1236人、今回は878人。お客さんは正直である。

あと、福岡大会はハロウィンバージョンのクリアファイルがプレゼントだったけど、クリアファイル以上のもんを他所で配っちゃダメだよね。せっかくのプレゼントなんだけど、満足感にはつながらない。邪推すれば、「福岡ならプレゼントはクリアファイルでいいよね」という扱いにも思えてしまう。

三月のメインイベントでは武藤の意外性も見られた。そもそも三月大会のクリアファイルはそれこそ「ありもの」だったんだけど、まだ他所の大会でベースボールシャツを配る前だから、満足感も違っていた。

更に、退場時に拳王が緊急サイン会を開催するアナウンスがあり、「ご購入商品にどなたでも」と言われていたが、外に出たら、「対象商品購入者のみ」とのこと。こういう情報は徹底していないと混乱を招く。

じつは対象商品の中に新テーマ曲CDも含まれていたのだが、数日前に購入してしまっていた。ぺロスのTシャツももちろん対象外。

売店で購入すると、サイン会参加券がもらえるのだが、事前購入すると対象にならないという事を今回学んだので、いつになるかはわからないが、次回観戦時の参考にしたい。






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