プロレスリング華☆激・交通遺児支援・こども夢応援プロジェクト・チャリティープロレス
(2022年6月4日・土:さざんぴあ博多・観衆196人)
イントロダクション
2022年1月以来の華☆激。ここ数年来のメンバーとはガラリと様相が変わっているのが特徴。
個人的にはずっと「すれ違い」になっていたザ・ウルフ選手の試合がついに見られるという事で楽しみにしていた。
私があげていたYouTubeにウルフ選手が反応してくださり、そこから時を経て、まさかの現役復帰されて現在に至っている。
とはいえ、実質ザ・ウルフ選手の第二章と言っていい「再チャレンジ」は、私も刮目して見届けたいと思っている。
下関→雑餉隈
先週のDDT同様、いつもの駐車場が満車のため、やむを得ず少し高い駐車場に泊める。
先週同様のぞみを飛ばして、こだまで博多入りしようとしたら、先週同様またもやハローキティ号に当たってしまった!
さすがに見慣れたが、ハローキティ号はこの時間に走ると決まっているのだろうか?
そこから、地下鉄→西鉄と乗り換えて雑餉隈まで電車旅。SUGOCAを忘れたので切符を久々に買う。
さざんぴあには、開場17時ギリギリの到着に。とりあえず間に合えばよしとしよう。
オープニング
オープニングアクトは、アステカ&タコス☆キッド。
諸々の告知のほかに、カード変更とフリーのアストロZと、MAKAI所属でプロレス復帰した神崎ユウキをリングにあげて、二人が華☆激預かりになったことを報告。
と言っても実質、困ったおじさんたちが若者をいじり倒していたのが大半で、気づいたら試合開始時間をオーバーしていた。
このあたりも華☆激クオリティではある。
そして、会場は座席飛ばしなしのフルハウスで、ぎっしり埋まった。久々だったので、びっくりした。
第一試合:交通遺児支援チャリティー試合 タッグマッチ 20分1本勝負
◯アステカ>Rタイガー&タコス☆キッド対コスモ☆ソルジャー&ザ・ウルフ&×トゥエルノ・ゲレーロ(14分37秒 アステカロール)
全員がマスクマンというのは、華☆激初期にはよく見られた風景である。
そこにウルフとアステカが対角線上に対峙しているのは、オールドファンとして感慨深い光景でもある。
そして、当初出場予定のウロボロスに代わり、コスモ☆ソルジャーが出場したため、一気に夢ファク色が強まってしまった!
とは言っても、レジェンドプロレスではないので、現在進行形の華☆激でなければ意味がない。
そういう意味では、アステカサイドの方が、意識的に夢ファクのカラーを取っ払っているようにみえた。
一方、ザ・ウルフは往年のレッスル夢ファクトリーのジャケットで入場。
久々出場のコスモ☆ソルジャーもそちらの影響を受けたせいか、こちらはやや懐メロチック。
実際ザ・ウルフの「きいてないぞ!」が生で聞けた嬉しさはあった。ただリスタートしたとはいえ、かつてのザ・ウルフとは異なる立ち位置にいるため、懐メロより現在進行形のザ・ウルフを見てみたかったと思った。
具体的には彼が現在のベースにしている、スネークピットジャパンの技術をもっとプロレスに落とし込んでほしかった。
それこそ第三試合で新泉と岡田がが見せたような、ひりつくグラウンドワークを見てみたいな、と私は思った。
コスモ組の中では、唯一レッスル夢ファクトリーを体感していないゲレーロが出てくると、こちらも我にかえることができた。
いくらプロレスファンが過去に生きる習性があっても、プロレスリング華☆激が現在進行形である以上、懐メロばかりでは仕方ない。
試合がアステカとゲレーロの間で決まったのも、ある意味当然かもしれない。
プロレスに復帰したばかりのコスモと、まだ復帰後数戦しかこなしていないウルフより、継続的にプロレスをしているゲレーロがターゲットになるのは仕方ない。
プロレスには勝ち方も問われるけれど、負け方も問われる。
コロナ禍前のコスモなら、あるいは勝ち負けがつくポジションを任せられただろう。
残念ながら、今回はそうではなかったという事なのだ。
第二試合:〜Be a NEXT ONE〜 タッグマッチ 20分1本勝負
×メジロ・キッド&アストロZ対◯ヒロ田北&二代目上田馬之助
(12分29秒 体固め ※チョークスラム)
なぜかカード編成時に忘れられていた、二代目上田馬之助が来場したため、第二試合もメンツが急遽変更になった。
いつのまにか、ダークサイドに堕ちたヒロ田北と馬之助のコンビは重量級。
それに対して若さとスピードで勝るメジロ・キッドとアストロZは、なんとか自分のペースに持ち込みたいところだが、やはり悪のインサイドワークに翻弄され、お互いローンバトルになり、なかなか次に繋がらない。
それにしてもヒロ田北は、最初からヒールになればよかったくらい、試合運びが見違えていた。
やはりキャリアの中で一度はヒールを経験するのは大切なんだな、と思い知らされた。
逆に言えばアストロZにしろ、メジロ・キッドにしろ、いい経験になったのではないだろうか?
欲を言えば、少しキャリアが上の、アストロZがリーダー格になって、メジロ・キッドを引っ張っていけたら、なおよかったかもしれない。
真っ向勝負で勝てない相手に、どう立ち向かっていくか?華☆激だけでなく、プロレスリングFTOなど、他団体からお呼びがかかるようにならなければ、アストロZとして再出発した意味がない。
そういう意味では、若い二人の今後に期待を寄せたいと思っている。
第三試合:〜Shuffled HEROES GAME〜 タッグマッチ 30分1本勝負
新泉浩司 & ×神崎ユウキ vs ◯岡田剛史 & エルブレイブ (18分1秒 ギブアップ ※アンクルホールド)
一月に参戦が発表されながら、コロナ禍の煽りで欠場になった岡田剛史が満を持して華☆激初参戦。
対角線上にいる新泉とのしばきあいは見応え十分なものになるのではないか?と個人的には予想していた。
果たして先発を買って出た岡田と新泉はじっくりこってりとしたグラウンドワークで、会場の空気をピーンと張り詰めさせた。
初対決にしては二人とも息があいすぎているくらい濃厚な展開に、タッチされて代わったブレイブが「思わず見入っちゃいました」と本音を漏らしたくらい、岡田と新泉の遭遇は実に刺激的だった。
試合は中盤から神崎が捕まり出し、岡田&ブレイブの早いタッチワークにも翻弄され、ローンバトルの展開に。
アストロZ同様、神崎も華☆激を主戦場にしていくそうだが、かつて経験ない相手があまた現れる華☆激のリングでは、こういう場面も訪れるだろう。
だが、試合の焦点はどうしても岡田と新泉の絡みに向いてしまう。グラウンドの次は当然スタンドでしばき合う。これまた予想通り迫力満点!
途中、新泉のリードで岡田の髭狙いしたり、イキイキしたドロップキックの連打で神崎も見せ場は作った。
しかし結局、最後はローンバトルによるダメージと、岡田の計算された足殺しが功を奏して、神崎が無念のタップアウト。
試合後「めちゃくちゃ楽しかった!シングルやりましょう!」と岡田が申し出て、これに新泉も受けて立つ構えをみせ、握手で応じた。
これはぜひ、コロナがぶり返す前にぜひ実現してほしいところである。
せっかく次に繋がる流れができた以上、やらない手はないからね。さあ、その日がくるのを楽しみに待つとしよう。
第四試合:〜豪傑達の闘争〜 タッグマッチ 30分1本勝負
◯小川聡志 & スカルリーパーA-ji vs 竹村豪氏 & ×岡崎恭也
今回は一人だけキャリア差がある選手が混じるパターンが二試合。こちらは岡崎にとって勉強にもなるし、試練となりうるカード。
対戦相手の小川とA-jiは強力すぎるタッグチームだし、新日本出身の竹村はそのポテンシャルからして、ブランクを感じさせない選手。
これだけのメンツに混じって岡崎の存在感が埋もれてしまうか、逆にほかの3人を食ってしまうか?に注目したい。
しかし、蓋を開けると年配者3人の元気が異様にいい。特に小川は自身初の二冠王になり、キャリアで今が絶頂期なのではないか?と思わせるくらいの張り切りぶり。
これに追随してA-jiもイキイキしていたので、さすがにこれを止めるには、今の岡崎では荷が重い。
加えてこの中では大型になる竹村が小川、A-jiとバチバチやりあうと、やはりどうしてもみている側の意識はそっちにいってしまう。
ただ、岡崎が肉弾戦に活路を見出したのは決して間違いではないだろう。
欲を言えば、小川が言っていたように「ナマイキな若僧」を終始貫ければなおよかった。
まあ、これは岡崎の今後の宿題かな?
試合後、小川と初タッグを組んだA-jiがやはり楽しかったと言いつつ、「どっちがオヤジか」とリング内で大人気なく揉めだすあたり、オヤジタッグは終わってなおありあまる元気っぷり。
これは岡崎を責めるより、エネルギーがありあまりすぎるジジイを嗜めた方が良さそうな気もしてきた。
まあ、誰より私が歳上ではあるんだが(笑)いい刺激をもらえた。
後記
大会自体はとても面白く、天神で遅い晩飯食べて小倉についたまではよかったのだが、トンネル前でまさかの大渋滞。しかも、無駄に長い。
一気に疲れが出てくる中、車中で観戦記を書いていたが、一向にトンネル渋滞は解消されず、その上前後左右身動きがとれなくなり、迂回もできない。
仕方ないので、動けるところまで待って、あまりに遅いようなら関門橋を使うほかあるまい、と覚悟を決めた。
結局30分以上待ってようやくトンネルが開通。危うく午前様になるとこだった。
家に着いたらもうくたくたで写真整理できる体力は残っていなかった。
最後の最後でえらい目にあったなあ。