[プロレス観戦記] プロレスリング華☆激・イジメ撲滅チャリティープロレス 那珂川市大会

せかぷろ

イントロダクション

個人的に那珂川にいくのは、四半世紀ぶり。那珂川といえば、やはり個人的には「新幹線逆走事件」が未だに忘れられない。あの時はまだ博多南という駅は存在していなかった。思えば随分と時が経ったもんである。そんな那珂川が気がつくと「市」になっているんだから。

那珂川町時代に、プロレスの大会があったかどうかは別にして、華☆激が那珂川市初のプロレス団体の興行を開催するのは、間違いないこと。博多南につくと、小倉の寒さがうそのような暖かさ。

オープニング

バスに乗って会場につくと、駅前の喧騒がうそのような田舎の光景が。しばし時間をつぶして入場を待った。さすがに春先とはいえ、床は寒かったけど、我慢できないほどではない。

プロレス教室は大人の方が消極的で、子どもは多いといういつもの光景。やはり子どもの方が何をやってもうまい。この中から将来のプロレスラーやルチャドールが出てくるのかもしれないと思うと、非常に興味深い。

第一試合

KING& 〇SEIYA(パラレスリングジャパン) 1/15 ハラキリ・ハカタJr & ×平野洋太(グラップラーズ・ギルド)

パラレスリングジャパンのSEIYAは、左半身に麻痺がありながら、プロレスの夢捨てがたく、健常者に混じって試合もする選手。障がい者プロレス団体に属さず、SEIYAのような道を選ぶのもアリだと私は思う。

そんな中で、お笑いを混ぜつつ、ちょいちょい厳しめの攻撃を加えて行くハラキリ。体格差があるKINGとのコントラストも程よく出来上がって、平野対SEIYAとの絡みをバックアップしていた。

その平野とSEIYAは体格差もなく、その場跳びムーンサルトなどの「今風」な技で攻める平野と、オールドファッションで堅実な攻めをみせるSEIYAもまた好対照だった。

当初、KINGのところにはエル・ブレイブが入っていたが、このカード変更は吉と出た。 ブレイブのスタイルだとハラキリはまだしも、平野やSEIYAのスタイルがここまで浮び上らなかったと思うからだ。個人的には、今風のプロレスより、基本に忠実なオールドファッションスタイルのSEIYAに好感を持ったが、平野もよく頑張ったと思う。

スタイルは全く違うけど、初期の華☆激でよく組まれていた総合格闘技の試合の雰囲気に近い試合だったようにも感じられて、懐かしくなってしまった。華☆激との付き合いは長いから、こうした歴史的な背景も込みで楽しめるのは、通い詰めた人間の特権でもある。

試合は、平野の蹴り足をSEIYAがキャッチ。すかさず両足をデスロックにたたんで、平野をフェイスロック(もしくは、チンロック=反対方向に向いていたため、正確な決まり手はわからず)に決めて勝利。気持ちのいい試合だった!

第二試合

×ヴァンヴェール・ネグロ 1/15 〇ヴァンヴェール・ジャック

昨年の熊本に続いて、東京ドームでも繰り広げられた壮絶な親子ゲンカが、ところを再び九州に戻しての再戦。躍進めざましいネグロ以上に、ジャックの進化ぶりがハンパないので、依然としてこの親子の力差は埋まらないでいる。東京ドーム帰りのヴァンヴェール親子がどういう闘いをみせてくれるだろうか。那珂川大会の中では要注目カードだと私は思っている。

「次に入場してくる選手は大変危険です!」というアナウンスのあとに入場してきたネグロは、イスを持っての久々のルードモード。そこに先んじて入場していたジャックがいきなり場外ダイブ。

的のデカい実の父が相手だから、ジャックも思い切りよく飛んでいく。試合前からサインや記念撮影にと大人気だったジャックには、当然会場が大「ジャックコール」で後押し。対してネグロは「このバカ息子が!」とあえてヒートを買うように試合を進めていく。

しかし、つい数年前まではリングでオタオタしていたネグロが、いつのまにか臨機応変に求められた役割を果たせる選手になっていた。やはり経験を積むというのは大事なこと。

ネグロがヒーローモードなら、これみよがしにタッグベルトを持ってきていたはずだが、それもしなかった。ジャックの進化に隠れがちだけど、オヤジもしっかり成長していたのだ。

ユーセーやネグロと並べば確かにまだ小さいジャックだが、実はほかの大人と比べると背が伸びているのがわかる、子どもプロレス教室で先生を務めるときのジャックは、やはりほかの子と比べても結構大きい。

もちろん背丈だけではなく、技術もしっかりしていて、より成長をとげている。この春で中二になるジャックは既にキャリア6年!高校を卒業するころには10年選手になっているのだ。本当に末恐ろしいとはこのことである。

全体的に受けるネグロがしっかりしているので、この試合では攻めるジャックも際立った。試合は息子が親父を丸め込んで技あり。闘い終わればノーサードで健闘を称えあう。まあ、現実の親子喧嘩はもっとドロドロしていくんだけど、ヴァンヴェール親子はこれからも「仲良く喧嘩」していってほしい。試合中にも思ったけど、この親子喧嘩は全国を回っていけるレベルにあると思う。間違いなくこの日のベストバウトだった。

第三試合

小川聡志 & 〇竹村豪氏1/20 コスモ☆ソルジャー & ×エル・ブレイブ

マサ斎藤追悼大会にて、久々のリング復帰を果たした元・新日本プロレス、元・無我三銃士の竹村が登場。実はがむしゃらプロレスの道場を借りて練習していたのだが、大阪まで試合を観に行けなかったので、私的にはとても楽しみにしていた。当初のカードでは対角線にいた小川と竹村がタッグを組み、元・博多タッグ王者のコスモ&ブレイブと対戦するという図式はよりわかりやすい。

新日本や無我時代はそこまで大きいという印象がなかった竹村だが、やはり華☆激勢に混じると大巨人クラスである。その竹村は旧知のコスモを何かと挑発していく。MAZADAもそうだが、無我出身者は本当にヒールをやるのがうまい。

10年のブランクは確かにないというわけではないのだが、序盤のグラウンドなどでは、藤波辰爾譲りの堅実なテクニックを披露。コスモの師でもある仲野信市も無我に出場していたが、その血筋を証明するかのように、小川の「山笠」を逆手にとってのアンクルホールドで、窮地に追い込んでいく。

もと博多タッグ王者の連携に終盤ピンチに立った小川&竹村組だったが、最後は分断に成功。小川のサポートもあって竹村が粘るブレイブをきってとった。

なかなか正パートナーがいなかった小川だが、竹村のブランクが埋まってくればいいチームになりそうな感じがする。新泉&ネグロの現・王者組を脅かす存在に案っていくと面白い。

いつか、MAZADAや倉島らと再び無我三銃士の復活も見てみたいと思う。

第四試合;イジメ撲滅チャリティープロレス公式戦

アステカ & 新泉浩司 & 〇トルティーヤ・ボーイ 1/30 二代目上田馬之助 & アズールドラゴン & ×ラウザ

通常だとベビーで試合するラウザが、ダークサイドに入っているのも面白いが、やはり普段はなかなか出てこない、那珂川出身?のトルティーヤボーイがリングに上がるというのも、非常に興味深い。そのトルティーヤは、ショートバージョンのスカイハイ(イントロが短い、オリジナル版)で入場。

トルティーヤは、ところどころでフライングクロスチョップを見せ、片言の怪しい日本語で会話する。当然のようにダークサイド軍は奇襲で先制。例によってラフ&パワーの馬之助と、インサイドワーク&テクニックのアズールは、普通にいい仕事をしている。

ヒールに不慣れなラウザをカバーできるくらいには、ダークサイドの巧みさが光って、前半はそれぞれが窮地に立つ場面も多々見られた。中盤はやはりトルティーヤボーイがつかまり、三人にかわるがわる蹂躙されて大ピンチ。

特に馬之助のコブラクラッチには大いに苦しめられたトルティーヤボーイだったが、スイッチした新泉とアステカがどうにか流れを変え、再びトルティーヤボーイにスイッチすると、そこからフライングクロスチョップを連発。

最後はスピンキックをラウザに畳み込んでのフィッシャーマンズスープレックスという、初代ハラキリハカタのムーブ(大元は引退された虎ハンター・小林邦明さんのムーブ)で、トルティーヤボーイが自力で勝利をつかみとった。

後記

時間制限がある中で熱戦が展開され、どの試合も面白かった。プロレス初心者が多いこうした会場では、新鮮にうつったことだろう。まあ公共の施設ゆえの制約もたくさんあったけれど、それでもトータルしたら非常にいい雰囲気の大会だった。

便が少ない博多~博多南間の新幹線も、博多南から会場に至るまでのバスもほとんど待ち時間なくスムーズに乗れたのは本当についていた。気分よく帰路に就くことができた。





 

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