[プロレス用語辞典] (カ行) クローズライン
要はラリアット
今回のプロレス用語辞典は「クローズライン」(Clothesline)です。
アメリカでは「クローズライン」といいますが、要は日本でいうラリアットのことです。
国によって違う呼び方
このように日本とアメリカでは技の呼び名が違います。ちなみにメキシコでは「アンティプラソ」といいます。
1970年代後半、新日本プロレスにおいてスタン・ハンセン選手が「ウエスタン・ラリアット」(西部式投げ縄打ち)の名称で公開して以降、日本では広く使用されるようになりました。
一線を画する
ハンセン選手は「ラリアットは自身のアメリカンフットボール経験を活かしたオリジナル技であり、激突時の衝撃を吸収する柔軟かつ強靭な下半身が必要」といい、クローズラインとは一線を画しています。
やがてラリアットはハンセン選手の代名詞的フィニッシュ・ホールドとなり、スーパースターの地位を築きます。
大型レスラーも
ラリアットを編み出す際の逸話として「ハンセンが全日本プロレスに初来日した際、ジャイアント馬場のランニング・ネックブリーカー・ドロップを見てヒントにした」などという俗説がありますが、ハンセン選手本人は否定しています。
アメリカでは1970年代後半にハンセンと同じテリトリーで活動していた大型レスラーもラリアット(クローズライン)を使用することがありました。
ホーガンも
マスクド・スーパースター選手は得意技であるフライング・ネックブリーカー・ドロップについて、日本のプロレス雑誌のインタビューにおいて、「1976年頃、ハンセンのウエスタン・ラリアットを見たマネージャーのグレート・マレンコのアドバイスで使用するようになった」と語っています。
1980年代に入ると、ラリアットはハンセン以外のレスラーにも使用されるようになります。新日本プロレスでハンセンのタッグパートナーを務めていたハルク・ホーガン選手は、後年改良型ラリアットをアックスボンバーという名称で日本でのフィニッシュ・ホールドとしていました。
肘の角度と打点
アックスボンバーは肘の角度と打点にラリアットとの差異があるとされています。
クローズラインは、バイクなどに乗った人間の首の高さに糸状のものを張り、それにつっこんできた人間を攻撃する罠の名前でもあります。
英語実況では
それが転じてプロレス技の名前になったのではないかと思われます。
今でも英語実況を聴いていると、ラリアットを「クローズライン」といっているので、世界的にはこっちの呼び方がメジャーなのかもしれません。
ムタの場合
なお、アメリカで成功した武藤敬司選手は、 日本でも「これはクローズラインだ」と言っています。
これはこれで武藤さんにはあっているので、武藤さんだけでなくグレート・ムタ選手が使用した場合は特に「クローズライン」と呼んだ方が的確なのかもしれないですね。