[プロレス入場テーマ曲] プロレス的音楽徒然草 サンライズ

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草
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三曲合体の入場テーマ

今回は、スタン・ハンセン選手が全日本プロレス時代に使用していた「サンライズ」のご紹介です。プロレス入場テーマ曲には、割と原曲改変…というか、今風にいえばリミックス?悪くいえばツギハギした曲がたくさんあります。

プロレス入場テーマ曲マニア的には◯曲合体などともいいます。要するに別々な曲の一部を切り取り編集して一つの入場テーマ曲にしてしまう荒業のことです。で、かの不沈艦スタン・ハンセンの全日本時代のテーマ曲なんですが、一般的には「サンライズ」というタイトルで紹介されています。

「サンライズ」というのは、実は三曲合体の入場テーマなのです。

「つぎはぎ」とは思えない

冒頭に奏でられるギターと、馬のいななきに鞭の音が入った部分は、ケニー・ロジャース(Kenny Rogers)の「君に夢中」(So In Love With You)という曲なのです。ケニー・ロジャースは、アメリカ合衆国の歌手で、カントリー界の大御所であり、アメリカの国民的歌手ともいわれているミュージシャンです。

会場使用音源のサンライズとは、「君に夢中」(プラス鞭の音、馬のいななき)+MORTION+サンライズというのが正確な構成です。

MOTIONとサンライズについては、新田一郎さん率いるスペクトラムというバンドの曲が使用されていますが、モーションはメロディの一部分だけ、サンライズは歌詞パートをバッサリ切っています。

オリジナルと聴き比べると明白なのですが、まるで別な曲のように聞こえます。不思議と言われなければ「つぎはぎ」したとは思えないくらいの出来なのです。

なぜ歌詞カット版が必要だったか?

スタン・ハンセン選手は、80年代に主戦場を新日本プロレスから全日本プロレスに移したのですが、実はこの時代のテーマ曲編集というのは全てアナログでおこなわれていたのです。

今のようにデジタルが普及してしまうと、ぶっちゃけ素人でも合体テーマは簡単に作ることができます。しかし、これをアナログでやるとなると、それは大変な労力を必要とします。

つないで聞かせる

ましてや、サンライズは壮大なホーンがメインですし、君に夢中はバリバリのカントリーサウンドですし、テイスト自体も異なります。それをさも一曲のようにつないで聞かせるというのは、並大抵の努力ではできなかったのではないでしょうか?

先程から申し上げているように、会場使用版「サンライズ」は、単に異なる三曲を繋ぎ合わせたものではありません。SEを足し、一部分のメロディを抽出し、歌詞部分をカットした労作なのです。では、なぜ歌詞カット版が必要だったのか、というとそれはテレビ中継との兼ね合いが大きくかかわってきます。

ハンセン=サンライズ

当時、全日本プロレスをテレビ中継していたのは、日本テレビでした。くだんの合体テーマも当時の音響スタッフの手によるものですが、これは歌詞と実況アナウンスがかぶらないようにするための配慮だったそうです。

ちょうど70年代後半からステレオ放送というものがはじまった時代でした。当然、家庭用テレビもまだモノラルだったこともあって、こうした配慮につながっていったのでしょう。今では考えられない話ですけどね。

それにしても、テキサスのイメージに似合う君に夢中とサンライズを合体させた人のセンスは素晴らしいと思いますねえ。同じことはザ・グレートカブキ選手の「ヤンキーステーション」でもいえることです。

オリジナル曲があったにも関わらず

ちなみにハンセン選手のテーマ曲は当然新日本のものも存在していました。

最後はオリジナル曲の「ウエスタン・ラリアート」だったと思いますが、90年2月10日の新日本東京ドーム大会で、「里帰り」を果たしたハンセン選手のテーマ曲は「サンライズ」でした。

オリジナル曲があったにも関わらず、イメージとしてはハンセン=サンライズというくらいフィットしたものになっていたのです。

「君に夢中」などは特に、プロレスが関わらなければおそらく縁がなかったであろう曲だったと私は思います。こうした出会いがあるのも、プロレステーマ曲マニアをしていて良かったことの一つですね。

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プロレスオタクで心理カウンセラーの資格を持ち、両親の介護をしながらガンサバイバーとして生きる著者が、自分の人生や仕事について赤裸々に語ります。プロレスやオタク文化に関する豊富な知識や経験、心理カウンセラーとしてのスキルや活動、介護やガンサバイバーシップに関する悩みや工夫など、興味深く感動的な内容が満載です。あなたも著者のストーリーに共感しませんか?







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