プロレス的発想の転換のすすめ(98) 主体性とプロレス
主体性と自主性
今回は主体性とプロレスのお話です。
主体性というのは、ビジネス用語としてもよくつかわれます。似たような言葉に自主性という言葉もありますが、この2つはどう違うのでしょうか?
自らの責任で
いろいろ調べてみると、「自主性」は他者からの指示がなくても、率先してやるべきことに着手することとなっています。
一方、「主体性」は、自らの意志や判断に基づいて、自らの責任のもとで行動しようとすることです。
結果にも責任を負う
2つを見比べてみると、「主体性」のほうがより「自らの責任のもとで」というニュアンスが強いことがわかります。
つまり、「主体的」な人は、自分の判断で行動を選択するだけでなく、自らの行動がもたらす結果にも責任を負うことができる人となります。
価値を決めるのは
プロレスでも同じで、その大会、その試合に価値を決めるのは「自分」ではなく「お客さん」です。
価値を提供するのは確かに自分なんですが、それが必要とされるかどうかは、お客さんが決めるからです。
基準感のすり合わせ
そのため、選手や関係者が自主的に行動するためには、周囲が求める基準感と、自分が想定している基準感をすり合わせ続けることが必要になります。
ただし、相手の期待にばかり応えようとするあまり、自らの意思や判断がおろそかになったら、それは主体的ではありません。
やりたいことをやるだけでは
主体的であるためには、常に自分がやりたいことと、自分に求められていることを、すり合わせる必要があるのです。
そこで、あくまで自分がやりたいことを貫くのもひとつの生き方ですが、それも主体的とは呼べません。
最初から主体的には
そもそもそれがビジネスやプロレスとして成立するとは限らないからです。
とはいっても最初から主体的でいられる人間なんて、そうそうはいないものです。
必ずどこかで
あるいは、自分のやりたいことが、ことごとく求められないことで、へこむこともあるでしょう。
しかし、そこで落ち込む必要はありません。すり合わせを続けていくと必ずどこかで接点が生まれてきます。
すり合わせ続ける
そこで、はじめて自分が主体的に判断して行動すればいいのです。
プロレスやビジネスだけでなく、人生における「すりあわせ」を行い続けていくことこそ、主体的といえるのでしょうね。